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POLYSICSとThe Vocoders。2つのワンマンライヴから見えてきたバンドの本質

text by 平林道子

【Live Report】 
The Vocoders 世界唯一のカフェテクノグループ! The Vocoders 代々木初登場!!
2019年3月29日 at 代々木Zher the ZOO

POLYSICS 14周年おめでTOISU! YOYOGIで新曲 OR DIE!!!!
2019年3月30日 at 代々木Zher the ZOO



POLYSICSが昨年10月13日に下北沢にて行なった単独サーキットイベント〈TOISU IN JAPAN FESTIVAL in 下北〉。下北沢にあるライヴハウス4箇所を昼から夜中にかけて廻り、いろんなスタイルでライヴを展開するという非常にポリらしいイベントの中の一企画として結成されたThe Vocoders。この日、アコースティックイベントなどがよく行われるカフェバーである風知空知の特設ステージにThe Vocodersとして現れた4人は、クラフトワークを彷彿とさせる衣装に身を包み、シーケンスを同期させながら、ドラムパッドに、シンセベース、ギター、シンセ、歌は全曲ヴォコーダーという“POLYSICS流”アコースティックライヴを展開。毎度のことながらユーモアとアイディアに溢れた人たちだなぁ、とニヤニヤしながら観ていたのだが、ライヴが進むにつれ、The Vocoders用にリアレンジされたPOLYSICSの楽曲から見えた新たな魅力とバンドの可能性に、単なるこの日だけの企画バンドにするにはもったいない!と、ちょっと興奮したものだった。


そう感じたのは、メンバー、スタッフも同じだったのだろう。今年2月に、POLYSICSと並行してThe Vocodersとしての活動も行なっていくことを発表。そして、名古屋のサーキットイベント〈IMAIKE GO NOW〉で、本格始動後初となるライヴを行ったのを皮切りに、大阪と東京でワンマンライヴを行った。


東京ワンマンの会場は、代々木Zher the ZOO。自称〈世界唯一のカフェテクノグループ〉のライヴということで、もちろんフロアには椅子が並び、座って聴くスタイルだ。ザ・プラターズの名曲「オンリー・ユー」というSEに意表を突かれる中、真っ赤なシャツに黒のナロータイ姿の4人が静かにステージに登場。ちょっとすました佇まいで横一列に並んだ各楽器の前に座り、「どうもこんばんは。The Vocodersです」と至ってフラットな口調のハヤシの挨拶を合図に、「Black Out Fall Out」でライヴをスタートさせた。エレクトロなサウンドがベースにあるのは同じだが、バンドセットとは異なり、最小限の楽器によるシンプルな演奏と、ヴォコーダーながら重層的なコーラスワークによって、これまでとはまた違った楽曲の表情が見えてくる。しかもPOLYSICSのライヴでも久しくプレイされていなかったナンバーゆえに(なんとフルで演奏されたのは約9年ぶり!)、驚きとワクワク感がいっぱいのオープニングだ。続く2曲目で、早くも4 月3日に配信リリースされる新曲「Mandolin Girl」を披露。軽快なメロディとふくよかなハーモニーを聴かせるナンバーで、The Vocodersというバンドのカラーをしっかりと見せていく。

その後、合間にMCを挟みながら、〈ピコピコギャンギャン〉という代名詞でよく語られるニューウェイヴパンクなPOLYSICSナンバーをThe Vocoders風にリアレンジしてプレイしていく4人。ポリのライヴではBPMをぐいっと上げているという「Shizuka is a machine doctor」を原曲に近い、ベッドルームにもマッチしそうなゆったりとしたテンポで演奏し、かつて20周年記念ライヴでは弾き語りで披露された「COMMODOLL」は、この曲が持つ哀愁感が増強されたアレンジに。他にも、10月の初ライヴからシーケンスの内容もアップデートされ、より重層的になったコーラスワークによって生まれ変わっていくPOLYSICSナンバーの数々。登場SEで50年代コーラスグループの代表格であるザ・プラターズの曲がセレクトされたのも、なるほど納得である。


さらに、POLYSICS が敬愛するDEVOの「JERKIN’ BACK’N’ FORTH」のカヴァーも披露(POLYSICSのメジャーデビュー盤「XCT」収録ヴァージョンのThe Vocodersアレンジ、というのが正確か)。「JERKIN’〜」のあとのMCでは、初めてDEVOと共演した時に緊張しすぎて間違えまくり汗をかきまくったというエピソードを話すハヤシ。この日、というかThe Vocodersのライヴはカフェスタイルゆえか、1、2曲ごとにMCが挟まれるのもなんだか新鮮だ。しかも深夜のラジオ番組のようなハヤシとフミの掛け合いトークはかなり面白い(終演後「今日は喋りすぎちゃったなぁ」とハヤシは少し反省していたが)。あまりのトークの面白さにライヴよりもMCが印象に残ってしまうという危険性も孕んではいるが、「TOISU」を連呼しヴォルテージを上げながら一体感を味わっていくPOLYSICSとは違い、このMCタイムによって生まれる笑いの絶えない和やかなムードもThe Vocodersのひとつの魅力といえようか。


去年8月に迎えたハヤシの40歳の誕生日についてのMCのあと、POLYSICSと同時・同曲リリースとなる新曲「Part of me」をプレイ。そして、POLYSICSの歌もの系ミディアムチューンの中でも名曲と呼ばれる「Code4」で本編は終了。アンコールでは、冒頭の「Black Out Fall Out」と同じく、POLYSICS作品の中でもテクノポップ色が強いアルバム『For Young Electric Pop』収録の「Get Back To 8-bit」で、The Vocodersの初ワンマンは幕を閉じた。

翌日行われたPOLYSICSワンマンライヴの模様へ続く

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