11月18日、Zepp DiverCity Tokyoで〈DEZERT LVE TOUR 2018「What is “Today”?」〉のツアーファイナルを迎え、すでに年末のイベント出演や来年の活動に向け奔走中のDEZERT。2018年の彼らはアルバム『TODAY』のリリースとともに覚醒し、バンドが大きく飛躍する年となったわけだが、そのアルバムを携えたツアーファイナルのステージは、スリリングで何をしでかすかわからない危うさをまとっていた以前の彼らとは違うものだった。千秋の歌やバンドのプレイに破綻を感じることは一切なく、アルバムに描いた千秋の心象風景を立ち上げるような真摯なステージに、バンドの明るい未来を感じたのだが、当の本人たちがどう思っているのかを知りたく、今回インタビューを行うことに。そして彼らは1月7日よりMUCCとの2マンツアー〈【Is This The “FACT”?】TOUR 2019〉を開催。さらに急きょ2バンドによる会場限定のコラボCDとなるDEZERMUCC「蟲/ガチャガチャムクムク」のリリースも決定した。今回のインタビューはその2バンドのレコーディング現場で行ったもので、逹瑯(MUCC)が途中から参加しての会談となった。
MUCC先輩のレコーディング待ち時間を利用してのインタビューです。
千秋(ヴォーカル)「もう4時間半ぐらい待ってますよ。しかもスタジオ着いたら……誰もいなくてビックリした」
先輩より先に来たと。
Sacchan(ベース)「そのとおりです」
ミヤくんは何時に来てました?
SORA(ドラム)「11時半ぐらいですね」
そんなに早く? あの遅刻魔が?(笑)。
SORA「最近は時間どおりに来てるって仰ってたんで」
なんで?
千秋「『時間どおりに来て時間どおりに終わらせるのってカッコよくね?』って、一緒にご飯食べた時に仰ってました」
じゃあ逆に言うと今までのミヤくんはカッコ悪かったってことだが(笑)。
千秋「……僕らからそんなことは言えないです」
それはいいとして、今日はZeppで迎えたツアーファイナルを振り返ってもらいたく。皆さんにとってどんなライヴでしたか? じゃあMiyakoくんから。
Miyako(ギター)「ファイナルは……でも離れてたんで、それまでのツアーとファイナルの日程が。だからその間にみんなで過去曲のアレンジとか、俺はギターの新たな試みとか、そういうことをやったりしたこともあり、ツアーファイナルっていうよりもどっちかと言えばツアーとは別のライヴという感じでした。もともとそういうつもりでやったわけでもないですけど」
SORA「俺個人としてZeppは悔しい結果になってしまったというか。俺、今までドラマーとして自分を縛っていたものがあったんですけど、それを取っ払ったら今度は自分の殻に閉じこもっちゃったんですよ。それをあの日ライヴが終わったあと、すごい感じてしまって。そのことをSacchanとも終わってから話をしたり」
そうだったの?
Sacchan「そうですね。ファイナルは僕の中ではもはや次のツアーの初日っていう感じでしたね」
なぜそういうものになったんでしょうか。
Sacchan「地方のラストからZeppまで2ヵ月ぐらい空いてたんですけど、その間に僕らがいろんなものに呪われてて」
バンドが?
Sacchan「バンドというよりも……楽器隊って言ったほうがいいですかね」
千秋くん以外。
Sacchan「うん。で、それは決してマイナスなことではなくて、いい呪われ方をしたというか……わざとわかりにくく話してますけど(笑)」
わかりやすくお願いします(笑)。
Sacchan「地方のツアーが終わってあとはZeppのファイナルだけになった時、僕らが次に行くべき方向みたいなものが見えてきたのもあり、いろんなアイディアが出てきちゃったんですよ、Zeppに向けての。細かく言ったらアレンジだの機材だのっていう部分で呪われにかかりに行ったというか」
で、ファイナルというよりも初日っぽい感じがしたと。ところで千秋くんはどうなの?
千秋「もちろん反省点は細かいところでいくつもありますけど、バンド4人であのアルバムを表現するライヴにはならなかったっていうことですかね」
どういう意味?
千秋「僕、音楽の取り組み方が『TODAY』によってすごい変わったんですよ。で、そのツアーをやって次のステップに行くためには、このアルバムをちゃんと4人で表現できないとダメだと思ってて。でもファイナルではそれができなかったと思ってて。たぶんそれは僕とメンバーの考えにズレがあったというか、そのことが顕著に表れたライヴで」
前にも似たような話を聞いたことがあるような……。
千秋「いや、今回は本格的にズレが出たんですよ。でも、今はズレを否定することはZeppが終わった次の日から受け入れることにしたんですけど、その日は散々メンバーを否定しました」