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KEYTALKデビュー5周年ライヴ――10年、20年先さえも見えた夜

text by 宇佐美裕世

【Live Report】

KEYTALK〈KEYTALK Major Début 5th Anniversary Special Live〜そこらのギターかき鳴らして歌い出して5年目の真実〜〉
2018年11月20日at 恵比寿LIQUIDROOM

 


 

この世に永遠なんてないのかもしれない。平凡な日常も、明日には壊れてしまうかもしれない。いつからか、頭の片隅にはそんな不安が居座るようになった。だが、KEYTALKを見ていると、この4人だけはいつまでも変わらないのだろうと不思議と思えてくる。

KEYTALKがメジャーデビュー5周年を記念したライヴ〈KEYTALK Major Début 5th Anniversary Special Live〜そこらのギターかき鳴らして歌い出して5年目の真実〜〉を、11月19日、20日の2日間にわたり開催した。会場は恵比寿LIQUIDROOM。ここは、5年前のメジャーデビュー直前にもライヴを行った特別な場所である。思い入れのある会場で、しかも5周年という節目での開催――気持ちが昂らないわけがない。なお、2日間のうち1日目は事務所の後輩・Benthamを招いたツーマンライヴだったが、2日目のこの日はワンマンライヴが開催された。

開演時間である19:00。隙間なんて一切見当たらないほどみっちりと人で埋め尽くされた会場は、その時点でとにかく熱い。ひっきりなしにメンバーの名を呼ぶ声が響き渡り、待ちに待ったライヴへの期待に満ち満ちている。そして、KEYTALKのライヴではお決まりのSE「物販」が流れると、小野武正(ギター&コーラス&MC)、八木優樹(ドラム&コーラス)、寺中友将(ヴォーカル&ギター)、首藤義勝(ヴォーカル&ベース)が登場。ファンの大歓声をつんざくように義勝が「忘れられない夜にしよう!」と叫ぶと、「UNITY」で勢いよく火蓋を切った。身体全体を使って音を鳴らしているかのような全身全霊のプレイに反して、4人の表情はどこか穏やかな笑顔。バンドにとってゆかりの深い会場、そして開演前のファンの歓声によって、メンバーの気持ちも程よくほぐれていたようだ。とにかく、初っ端から楽しそうな4人の姿が印象的だった。

 

 

3曲目の「fiction escape」を聴いた時、私はあることを思い出していた。それは、YouTubeにアップされている「fiction escape」のMV撮影の裏側を収めた映像である。KEYTALKはインディーズ時代からYouTubeに動画をアップし、MV撮影の裏側や移動中の姿など、表に出さないなんてとても勿体ないとでもいうように、爆笑必至の「バンドの裏側」を発信し続けてきた。ちなみに、同曲のMV撮影では、当時ハマっていたと思わしきゲームについて語り合う彼らの姿があった。ビデオカメラを回す事務所の社長・古閑氏に対して、義勝が「最近のゲームは課金しないと強くなれないんです。だから古閑さん、売れましょう! と、言い続けて早……」と冗談交じりに話す場面があったが、今ではそんなやりとりさえも微笑ましく思えてしまうほど、バンドは右肩上がりに驀進中である。きっと、この4人なら今日という日を誇りにもっと広い世界へ進んでゆく。

その思いを確信に変えたのは、アンコールの1曲目に披露された初期曲「スポットライト」だ。正直、この曲が聴けたことが一番嬉しかった。というのも、個人的にこの曲を聴きたくなることが時々あったのだが、その都度、曲中の主人公にKEYTALKを重ね合わせてきた。〈ひっきりなしに飛び交う/スポットライトを浴びるのさ/勘違いだって場違いだって 言われてもいいじゃない〉。この歌詞は、今まさに現実になっているのだ。そして、この日スポットライトが照らしていたのは、冒頭で述べたように楽しそうな4人の姿だった。会場を見渡すその笑顔は、インディーズの頃の、あのMV撮影をしていた頃と、何ら変わっていない。

 

 

5年という月日の中で、我々には計り知れないような、悲しいことも悔しいこともあったはずだ。「音楽を通じて誰かを楽しませたい」ただそれだけなのに、自分たちのやり方を否定されたことが沢山あったのかもしれない。それでも、KEYTALKのライヴはいつ観ても、4人ともなんか楽しそうだ。とにかくよく笑っている。そして、その笑顔が嘘くさくないのだ。心の底から笑ってる。「今が最高に楽しい!」という心情ダダ漏れな状態で、コロコロ表情を変えながら、がむしゃらに楽器を掻き鳴らしたり唄う姿が印象的だ。また、客席を見渡す時はもちろんだが、メンバー同士で目を合わせて笑い合ってる場面もよく見かける。それはたぶん、4人が本当に音楽を好きだから。それに、いろんな偶然が重なってKEYTALKは誕生したが、彼ら自身もこの4人で音を鳴らせることが嬉しいからこそだ。きっと、いや絶対、音楽を好きでいる限り、この4人はブレずに自分たちの歩幅で進み続ける。5周年を迎えたこの日だって、一つの通過点に過ぎない。メンバーもそう思っているはずだ。10年後、20年後の11月20日、今よりもさらに多くの観客の前で、スポットライトを浴びながら楽しそうに演奏している4人が容易に想像できる。そんなふうに、まだ見ぬバンドの未来を勝手に描いて妙にワクワクしたライヴだった。

 

文=宇佐美裕世
写真=後藤壮太郎

Set list (11月20日)

01 UNITY
02 アゲイン
03 fiction escape
04 桜花爛漫
05 Love me
06 トラベリング
07 コースター
08 sympathy
09 S.H.S.S.
10 YGB
11 OSAKA SUNTAN
12 はじまりの扉
13 YURAMEKI SUMMER
14 PASSION
15 茜色
16 おはようトゥエンティ
17 MONSTER DANCE
18 MATSURI BAYASHI
19 太陽系リフレイン
20 MABOROSHI SUMMER
21 アワーワールド

encore
01 スポットライト
02 Summer Venus

 

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