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革命を標榜するロックバンド自爆。渋谷クアトロで宣言したロックンロールを取り戻す戦い

text by 金光裕史
2026年1月17日


【LIVE REPORT】
自爆〈自爆宣言〉
2025.12.17 at 渋谷クラブクアトロ




最近のライヴでは見ない、異様な光景だった。いや、異様というか、そもそもこれがロックバンドにとっては日常だったのかもしれない。


12月17日渋谷クラブクアトロで開催された〈自爆宣言〉。社会主義運動の出発点となった〈共産党宣言〉を模したかのようなタイトルのライヴは、ここから何かを始めようというバンドの強い意思を感じさせるものであり、彼らの根本にある思想を形にしたものでもあった。


11月26日にファーストアルバム『大衆に告ぐ』をリリースしたばかりだったが、700人が集まり、チケットは売り切れ。師走の平日、一部で注目はされているものの、10日前は200人キャパのライヴハウスでスリーマンしてたバンドのライヴに、ここまで観客が集まったことに驚かされる。ロビーでは物販の他に〈闇市〉と称し、写真やアートの展示などが行われている。その内容もちょっと思想強めで濃いものが多い。


会場に足を踏み入れると、さらに強烈な空間が待っていた。普通、ステージ後方には、バンド名やイベント名が描かれたバックドロップが飾られるものだが、そこに〈音楽独占資本の見るも醜悪な延命策―邦ロック粉砕ロックンロールを奪還せよ〉とゲバ字で書かれたメッセージのタテカン。途中、アジテートするように拡声器でツアー告知。会場のフロアには、物販で売っている自爆の象徴、ヘルメットを装着したファンがあちこちに見られる。まるで60年代の大学紛争の現場。この風景だけで〈自爆宣言〉は成功したようなものだった。


この自爆というバンド。〈革命〉を標榜し、そのバンドイメージはかなり政治的に映る。メンバーはまだ20代半ばで、生きた時代はまったく違うものの、当時の政治、共産主義、学生運動などに強く影響されており、決してそれはファッションではない。しかしそれに全身全霊で傾倒しているわけではなく、当時の若者たちが持っていた、その何かを変えようとする熱量のようなものに興味を持ち、憧れ、それを今の時代に蘇らせようとしている。政治的な活動と音楽をリンクさせようとしているのではなく、あくまで現在のロックバンドのあり方や、シーンへの憤りみたいなものが根幹にあり、それを変えたいという思いが様々な感情とくっついて、変異株のように生まれてきたのが彼らなのだ。この日集まった700人近いファンもそうだ。このクソつまんない日常を変えたい、という象徴としての〈革命〉であり自爆である。みんな、政治も生活もロックにも、ワクワクできなくて嫌気が差し、飽き飽きしているのだ。


いつもは登場SEとして流れる頭脳警察の「最終司令、自爆せよ」を、この日はバンドで演奏してライヴはスタート。〈おまえが明日に生きたいのなら 引き金引くのさいますぐに〉というこの曲のフレーズこそが、彼らのメッセージだろう。続いて「ロックンロールを始めよう」になだれ込む。演奏はとにかく荒削り。決してうまくはない。しかしそんな演奏力など飛び越えてやってくるのは、この状況を変えるんだよ、という強い意思である。〈革命〉をテーマにした曲もあることはあるが、その楽曲のほとんどは、好きな女の子が誰かとセックスしていることを想像して気が狂いそうになった気持ちや、ロックンロールを最初に聴いた時の衝撃、そしてこびりついて忘れられない過去の思い出である。うまくいかないこと、なんだかもやもやする気持ち、時代の嫌な空気、そんな誰もの心の中にあるものを、彼らの曲は、未来は変えなきゃ意味がない、と背中を押す。この日もカヴァーしていたミッシェル・ガン・エレファント「ミッドナイト・クラクション・ベイビー」、Theピーズ「とどめをハデにくれ」といった曲は、彼らの背中を押してくれた、そんな曲でもあるのだろう。


ライヴは2部構成。1部はロックンロール色が強く、2部はまだ音源化されていない曲も含め、ちょっとコアな楽曲が目立つ。しかしそんな中で胸を打つのは「涙とリビドー」や本編ラストの「ワンルーム」のような、〈革命〉や〈粉砕〉〈奪還〉とは関係ない、ただただササキ(ヴォーカル&ギター)の生々しい心の痛みや切なさがにじんだ曲たちである。このような楽曲が、自爆を単に異形なパンクバンドとしてではなく、幅広い可能性を持つロックバンドとして認識させる。


まだまだ彼らの全貌は見えてこない。第1部と第2部の間には、2026年2月から4月にかけて全国ツアー〈大衆に告ぐ〉を開催することも発表された。ロックンロールを取り戻す戦いはこれからも続いていくが、この日の宣言が、ロックという言葉に自信や勇気を与えてくれたのは間違いない。時代も、ロックも、まだまだ捨てたもんじゃない。


文=金光裕史
写真=福政良治



【SET LIST】
第一部

  1. 最終指令"自爆せよ"/頭脳警察(cover)
  2. ロックンロールを始めよう
  3. あの子とセックスした奴全員殺す
  4. 君はロックしか聴けない
  5. 邦ロック
  6. ミッドナイトクラクションベイビー/THEE MICHELLE GUN ELEPHANT(cover)
  7. トドメをハデにくれ/The ピーズ(cover)
  8. ロックンロール・アディクト
  9. ケロイドの唄
  10. かかってこいよ
  11. 未来はない
  12. 国歌

第二部

  1. 赤軍に勝るものなし(surf arrange)
  2. 君の性欲を認めない
  3. 家内奴隷
  4. お前の犬
  5. お局にピザを送ろう
  6. クソニート
  7. お前は死んだ
  8. 涙とリビドー
  9. 総員玉砕
  10. 天誅
  11. 入信/ゆうやけしはす
  12. ワンルーム

ENCORE

  1. あの子とセックスした奴全員殺す
  2. 邦ロック




〈自爆 TOUR「大衆に告ぐ」〉
2/11(水祝) 新松戸 FIREBIRD
2/23(月祝) 福岡 KIETH FLACK
3/8(日) 仙台 FLYING SON
3/27(金) 心斎橋 Live House Pangea
3/28(土) 名古屋 HUCK FINN
4/8(水) 下北沢 CLUB Que
4/19(日) 下北沢 BASEMENTBAR
※ゲストバンド有り



自爆 オフィシャルサイト

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