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THE YELLOW MONKEYの本編がスタート。衝撃の新曲と終えたばかりのツアーを語る

text by 青木優

ものすごい衝撃曲である。THE YELLOW MONKEYのニューシングル「CAT CITY」。サウンドにはこのバンドらしいハードなロック感があるわけだが、そこで唄われているのが〈ネコニャンパリ〉、〈しなやかな腰つきと/モフモフがたまらない〉、そして〈ネ申(ねもうす)〉と、もうネコにまみれたキラーフレーズだらけなのだ。

そもそもこの歌はテレビアニメ『ニャイト・オブ・ザ・リビングキャット』のオープニングテーマ。つまりタイアップに向けて作られたもので、そのストーリーに合わせて書かれたことも理解できる。しかし、だとしても、それがここまで行ききった形となって出てくるとはまったく予想していなかった。作詞は吉井和哉(ヴォーカル)、作曲はエマ(菊地英昭/ギター)で、曲の制作自体は昨年のアルバム『Sparkle X』の時期から進められていたとのこと。つまりあの作品のポップで開放的なトーンが、ここでさらに進化を遂げたというわけだ。

今回は4人に、このとんでもない新曲のことに加え、昨年秋からの全国ツアー〈Sparkleの惑星X〉のこと、そして懸念されていた吉井の喉のことについて、突っ込んで聞いた。さらにはこのところ続いているBUCK-TICKやB’z、それにLUNA SEAといったバンドたちとの共鳴についても。その中で触れられた〈時間〉〈タイミング〉ということ……。おかげで、時にシリアスな空気もありながら、全体としては笑い混じりの雰囲気の取材に。そこで彼らのなごやかな、お互いを思い合うやり取りもあって、バンドの現在の姿を映し出すようなインタビューになったと思う。

THE YELLOW MONKEYは生きている。この時を、この時間を、今もたくましく、明るく、生き続けている。



まず全国ツアーの〈Sparkleの惑星X〉が、ひとまず終わりまして。


吉井和哉「はい、ひとまずファイナルをね。エマさん、どうですか?」


エマ「うん、昔の自分たちと今の自分たちと向き合いながら、ずっと何ヵ月も過ごせる感じがしてましたね。自分のミュージシャンとしての立ち位置とか考え方を、今と過去とで照らし合わせながらやってきたら、またひとつ上の自分になれたかなというのは、すごくあって。もちろんライヴも楽しかったし、ミュージシャンとしても充実した感じはありました」


アニー(菊地英二/ドラム)「そうですね。昔の作品を振り返ることができて、アルバム毎の特性をすごく見直すこともできたし、それと今のイエローモンキーとの親和性ですよね。意外に、こんなに共通点があったんだな、というね。歌詞の部分なんか、特にそうでしたし。それに『jaguar』の曲は、バンド全体が一瞬にして『jaguar』になる瞬間があった。『jaguar』の時のテンションになるというかね。ドラムもハードロック・テイストだし。それにエマが言ったように〈自分ってこんなにちゃんと歩いてきたんだな〉っていうのを今までのライヴよりも、より確認できたかなと思います」


ヒーセ(廣瀬洋一/ベース)「過去のアルバムと『Sparkle X』をコラボさせたところがすごくよかったんじゃないかなと思うんです。各アルバムの味もちゃんと出せたと思うし。いろいろなバリエーションをやって、一貫してない部分も当然あったりしながら、統一感はちゃんとあるし。楽しみ方がそれぞれあって、よかったと思いますね」


はい、僕もそう感じました。吉井さんはどうでしょう?


吉井「そうですね。ファイナルに向かって、頭にすごくよく浮かんだのが〈時間〉……時間って、すごい不思議だなと思うようになって。こういう話はアニーが得意だと思うけど、時間って物理的に必ず平等というか、正確じゃないですか。だけど感じ方によって、たとえばすごい長い1年もあれば短い1年もあったり、長い1分もあれば短い1分もあったり、まさにタイム感が変わるというか。だから昔の楽曲を唄ってるんだけど、その次に最新曲唄ってて、あれ? 今どこ唄ってんだっけ?みたいな。だから〈先にあるのは未来じゃなくて過去なんじゃないか〉とか、そういうヘンな感覚に、ちょっとなって。もともと設定されていた過去に向かって未来を進んでる、みたいな。そういう不思議な体験をしてるような感じがあったんです」


へえー! そうだったんですか。


吉井「だからそれって、強引ですけど、〈人生の7割は予告編で/残りの命 数えた時に本編が始まる〉(「ホテルニュートリノ」の歌詞)っていうのは、ちょっと自分の中ではつながってるというか、共通してるところで。ツアー中にはMCで目に見えないもののことをよく言ったと思うんですけど……魂のこと、神様のこと、願い、祈りのこととか。そういうのは目に見えないんだけど、もしかしたら数値として、単位として表せる何かが現れるんじゃないか、という話も聞きますけどね。だから最近、時間の不思議さも感じていて」


アニー「すごい、哲学行ってるね(笑)。でも物理的にはそうなのよ」


吉井「そう言ってますか? 頭のいい人たちが(笑)」


アニー「時間は、最初から最後まで歴史が決まっていて。実は行き来できているんだけど、人間の記憶がそれまでしかないから、過去しか認識できないっていうことなんですよ」


さすがは物理学者になりたかったアニーさんですね……時間を行き来できる? だけど過去しか認識できないと。


アニー「うん。だから未来にも行けて、現在の先まで行ってるんだけど、(過去に)戻ると、未来に行ってた記憶がなくなるんですよ。物理的に、そういう可能性があると言われてるんですよ」


吉井「ありがとうございます。じゃあ俺、ヘンなこと言ってなかった?」


アニー「いや、すごいなぁと思ったよ。実はすごい物理学者がたどり着くとこに行ってたっていう(笑)」


吉井「いやいや、そんなことはないけど(笑)。ただ、簡単に〈時間〉と言って済ましてるけど、すごく重要じゃない?みたいな。それこそフェスの時に、桑田さんが僕の喉のことを『時間薬っていうのがあるよ』と言ってくださったことがあって(註:昨秋、フェスの楽屋エリアで、サザンオールスターズの桑田佳祐とのやり取りがあった)。要は時間が経つことによって癒される、治癒することもあるし、心のキズも治るかもしれないし。時間が全部、いろいろまとめてくれるというか。うまく(笑)。うちの事務所もTYMS(タイムス)って言いますし」


アニー「あ、ほんとだ」


吉井「時間ってすごくキーワードな気が、ちょっとしていて。だから付け加えると、自分が喉の病気になったのも、もともと設定されてた、自分の使命だったかもしれないし。ほんと、ツアーしながらリハビリしてましたけど。若い時は夢にも思わなかったけど」


リハビリって、ツアーしながらできたものなんですか?


吉井「いやぁ~!(苦笑)……結果ね。なんとかツアーが終わったんで。(お客さんには)失礼な話だけどね。まあ幸い、僕は軽度だったから、なんとかしゃべれたし、なんとなく手応えもあったので遂行したわけだし。最初から〈こりゃムリだわ〉だったらスタッフが止めてたと思うし。で、そこにメンバー、スタッフ、ファン……オーディエンスの人にも付き合っていただいて」


アニー「あとはロビンの精神力だと思いますよ。それがなければ成立しないし。すごいナイーヴで後ろ向きな人だったら、たぶんできてないと思うし」

吉井「いやいや、ナイーヴで後ろ向きですよ? 吉井和哉といえば、ナイーヴで後ろ向きですよね(笑)」


アニー「いや、ナイーヴだけど、後ろ向きではないと思うよ(笑)」


吉井「そう? 後ろ向いて、前に歩いてる人みたいな? さっきの話と一緒だな(笑)」


ヒーセ「わはははは!」


エマ「『進撃』もそうだよ」


吉井「え? 『進撃の巨人』も? またアニメ好きな人が(笑)」


ヒーセさんは、吉井さんの声に関しては、ツアー中どんなふうに感じてました?


ヒーセ「うん、そうですね。(去年の初夏から)ドームもあって、夏のフェスとかもあって……後戻りはしてないなというか、ひどくなっていってる方向ではないというのはずっと感じていたので。まあ、やっぱり一筋縄じゃいかないとこもあって、声がツラそうだったりするのも見てきましたけど。でも結果、途中からちょっと楽観視するようになっていったかな(笑)。〈うん、大丈夫じゃん〉っていう。だから意外とそこまで気にしてなかったとこもあるのかもしんない(笑)」


ヒーセさんはメンバー紹介の時に、吉井さんのことを武道館では「戦い続けています」とか、Kアリーナでは「ストロングマン」「完全復活」とか、すごくエールを送ってましたよね。


ヒーセ「あぁ、まあまあまあ。そう……なんてメンバー紹介していいか、意外と悩んだんですけど」


吉井「オロナミンC!って言ってる時もあったよね? オロナミン吉井、みたいな」


アニー「元気ハツラツ?(笑)」


ヒーセ「そうそう、最初はね(笑)。ただ、武道館の時は区切りというか、BLOCK.1の終わりというのもあったし、何よりメンタルが強い人なんだというのを伝えたかった。最終的(NHKホールやKアリーナの時)には、もうほんとになんの心配もなく声出るようになってきたっていうのもあって、『完全復活』っていうふうに言ったんですけども。難しいですよね、ああいう時にどう言うかは。いろいろ考えたけども」


こちらとしては胸が熱くなる瞬間でした。エマさんはどうですか?


エマ「いや、最初は……(去年の)アルバムのレコーディング中とか、すごく心配だったんだけど。それが東京ドームで、すごく声が出てて。あの時、本人としてはそんな完璧じゃないとは思ってると思うんです。でも、さっきロビンもちょっと言ってたけど、オーディエンスの力とかがあってね。で、あの時にMCでオーディエンスに向かって『みんながいればできると思った』と言ってたんですけど、やっぱそういうことあんのかな、とか考えてました。それにロビンの場合は、たとえば最初の3、4曲(の声)がカスカスになっても、そのあと出てくるようになる、みたいなね。だから一緒に行動してたら、ヒーセが言うように、ちょっと不安がなくなってきて」


吉井「あはははは。仮病じゃないかと?(笑)」


エマ「仮病じゃないんだけど(笑)、なんで出るようになるんだろうな?って不思議だった。でもライヴ前に吸入したり、すごい努力してるからね。身体に負担をかけてるところはもちろんあるから、過度に期待ばっかりは持たないようにしてますけど。でも不安が薄らいでたのはありますね。一緒にやっていく上で」


そうでしたか?


アニー「いやいや、(不安が)まったくないと言ったら、ウソになりますけど。でも声がどんどん出てくるのは、よくわかったんですよ。だったらこっちがヘンに心配してもしょうがないし、僕らにできること……やっぱ願うこととか祈ること、あとはできるだけ唄いやすいような演奏をしてあげたいなと、より思うようにはなりました。だから途中ちょっと俺、丁寧だったと思うんだけど(笑)。最近暴れてるのは、不安がなくなったからだと思うんですよね」

このタイミングでこういう曲が出せることが、まさに今のイエローモンキーを象徴してるんじゃないかな

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