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INTERVIEW
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lynch.結成20周年の節目に語るVo.葉月の歩み。何者でもなかった青年がlynch.のフロントマンになるまで

text by 樋口靖幸

結成20周年を記念してのリリース第1弾『GREEDY DEAD SOULS / UNDERNEATH THE SKIN』は、インディーズ時代の楽曲の再録&新曲付きのCD3枚に、Blu-rayをコンパイルした計4枚組のファンアイテム。彼らとの付き合いはメジャー以降ゆえ、当然ながら結成当初のエピソードは聞いたことがなく、これはチャンス!と葉月(ヴォーカル)の取り調べを行うことに。lynch.はギターの玲央が葉月と晁直(ドラム)に声をかけたところから始まったバンドだが、年長者であり地元で有名なバンドのリーダーだった玲央と彼の関係性が今とどう違うのか知りたかった。バンドのフロントマンであり、メインコンポーザーでもある葉月がバンドの世界観を創り出すのは当然だが、果たして当時はどんな感じだったのか。話を聞いたところ、想定していた以上に無邪気で世間知らずの男だったんで、さらに彼のことが好きになりました(笑)。

(これは音楽と人2025年5月号に掲載した記事です)



どうですか過去を振り返るインタビューは。


「どうっていうのは?」


今日の他の取材では結成当初のメンバーである玲央くんと晁直くんの3人で受けていると聞いてますけど。


「意外とスムーズですよ。当時はめちゃくちゃコミュニケーションをとってたんで、お互いいろいろ覚えてることがけっこう多くて」


今はコミュニケーション少ないのか?ってツッコみたくなる発言ですが(笑)。


「ははははは」


それは置いといて、例によって葉月くんの過去を掘り起こしていきます。まず、20年前はどんな若者でしたか。


「もがき苦しんでましたね」


その時点ではバンド歴は何年くらい?


「初めてライヴハウスのステージ――名古屋のミュージックファームに立ったのが16か17ぐらいだったけど、バンドはもっと前からやってて。それこそ13歳とか」


キャリアは長いと。


「学校の友達とコピーバンドを組んで、近所の市民ホールみたいなところを借りてライヴしてました」


当時からバンドで食っていきたいと思ってた?


「たぶん思ってました。中1の時に黒夢で唄ってる清春さんを見て、〈俺もいつか清春さんみたいなヴォーカリストになるんだ〉って。見た目も着飾って激しいライヴをするヴォーカリストになろうと思ってました」


ミュージックファームに立った時のバンドは?


「僕より歳上の人たちがやってるバンドで、あとから僕が入ったんですよ。『ヴォーカルを変えたいからやってくれない?』って声をかけられて。だから僕が入った時には、けっこう認知されてたバンドでした」


すでに人気があったバンドに入ったわけですね。


「チケットのノルマが30枚だったんですけど、それは毎回売り切るぐらいでしたね」


10代の頃にそんなバンドをやっていたとは。


「いい感じでしたよ。で、バンドの人にチケット予約用の携帯を持たされて、僕が電話をとって予約受けてました。電話番号と名前をメモしながら」


その時から曲は書いてたんですか?


「歌詞だけでした。曲は弦楽器隊が作ってたんで。でもそのバンドは1年くらいで解散して、18くらいからベリィっていうバンドが始まるんですけど、その時は曲を作れるメンバーがいなくなっちゃったんで、『じゃあ俺が作るか』みたいな」


作りたい、じゃなくて?


「最初は必要に迫られてって感じでした。曲がないと始まらないので」


初めて作った曲のタイトルを教えてください。


「えーと〈デッドリードライヴ〉です」


濁点が多いな(笑)。


「意味はよくわかんないけど、なんか強そうじゃないですか(笑)。lynch.の曲でもありそうだし。で、そのバンドはけっこう自分的に充実していたというか、僕が曲作りの楽しさに目覚めたバンドでしたね。〈自分でやればやりたいことを自由に表現できるんだ〉って。誰かに作ってもらうよりいいじゃんって思いました」


そのバンドの動員は?


「あんまりよくなかったですね。チケットが30枚売れたことがあんまりなかった。で、そのバンドが解散して次にやるのが、デスゲイズっていうバンドなんですけど」


名前だけ聞いたことがあります。


「僕と当時のベーシストが始めたバンドで、動員もベリィより全然よくて。確か50人ぐらい」


すごいじゃないですか。


「ボトムラインって名古屋ではかなりデカいライヴハウスのイベントに出たこともあります。あの時は感動したな」


それが20歳すぎぐらい?


「そうですね」


当時の夢は?


「24までに東京ドームに立ちたいって」


それ聞くの、これで何回目だろう?(笑)。


「LUNA SEAがそれぐらいの年齢で東京ドームをやったからっていうだけの理由なんですけどね。でも目標としてはずっとありました」


24歳でドームは無理だと思わなかった?


「目指してはいたけど……どこかで諦めてたかもしれないですね。あるいはどこか他人事みたいに思ってたかな。LUNA SEAみたいになりたいけど、この時代じゃ無理なのかな……みたいな。とにかく目の前のことにガムシャラな毎日だったと思います」


で、lynch.結成前夜が訪れます。


「半年ぐらいでデスゲイズを離れたタイミングで、玲央さんに声をかけてもらったんですよ。そこからlynch.が始まる」


もともと玲央くんと面識はあったんですか?


「ありました。最初にやってたバンドの時、一緒にいたメンバーがkein(玲央が当時リーダーをやっていたバンド。2000年に解散するも、2022年に活動再開)のローディーをやってたんですよ。しかも僕、普通にkeinがめっちゃ好きだったんで。音源も持ってたし、ビデオも何回も見たし。眞呼さん(kein/ヴォーカル)にも憧れてました」


じゃあ繋がりは昔からあったんだ。


「はい。で、これは玲央さんが話してないかもしれないけど、keinが解散したタイミングと、当時僕がやってたバンドの解散が同じタイミングだったんです。で、僕、玲央さんを誘ってるんですよ。『僕とやってくれませんか?』って」


怖いもの知らずだな。


「kein好きだったし、玲央さんも人気があるギタリストだったんで、『僕をヴォーカルとして使ってくれませんか?』みたいな。で、ファミレスで玲央さんと会って。その時に自分のバンドのライヴビデオを渡したり、音源も渡したり」


その時の玲央くんの印象は?


「すごい丁寧でいい人だなって。で、後日『どうですか?』って僕から連絡したら『ちょっと違うかな……』みたいな(笑)」


それは初耳です。


「で、玲央さんとやるのは諦めて、ベリィっていうバンドが始まるんですけど」


そんな前から接点があったんですね。


「そうですね。で、ベリィを始めてから自分で曲を作るようになったじゃないですか。そしたら玲央さん、ベリィの音源を聴いてすごい後悔したらしく。『あの時の彼がこんな音楽やってるの?』って」


曲を評価してもらえたと。


「当時から僕、ニューメタルの影響は存分に受けてて。ちなみに僕、ヴィジュアル系の誰よりも早くギターのチューニングを落として曲を書いてた人間だと言い続けてるんですけど」


ははははは。


「でも人気がないから認知されてなくて。当時から激しい音楽とヴィジュアルロックを合わせたら絶対カッコいいと思ってたんですよ。それをベリィでやってて、その音源に玲央さんが反応したんですよ」


で、再会を果たすわけですね。


「そうです。すごい僕の曲を評価してくれました。『ぜひ一緒にやってほしい』って言われたのは覚えてます」


そう言われてどうでしたか。


「ヤッター!って思いました(笑)。これでやっと売れるぞって」


無邪気だ(笑)。


「あと、一緒にやらせてもらう条件として、『曲と詞を僕にやらせてくれるなら』っていうのは言いました」

玲央さんがいなかったら、僕は今ここまでやれてないと思う。lynch.を20年やれてることに対する恩義、それはずっと変わらないかな

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