NITRODAYのヴォーカル&ギター小室ぺいが、自身が気になったものを独自の視点で調査&分析し、文章に綴っていくWEB連載。第三回は、自身の嫌なところと新しい決意について。そして、5月末日からバンド名の表記が、ニトロデイからNITRODAYへ。これも未来へ向けた準備だそうです!
#3 「 声・話す 」
僕はとてもボソボソと喋ってしまう癖がある。特に知らない人と話す時や、緊張してる時とかね。昔出てたラジオとか聴いてみても自分で自分の声が聞き取れなかった。で、それはたぶん高校生の時あまりに人と喋らなさすぎたからだと思うんだ。あの何年間かが変に身体に馴染んじゃってる。
最近はそれがすごい嫌だ。例えば、もう「えっ」って聞き返されたり、「歌ってる時は声出てるのにね」って言われるのには正直飽き飽きしてる(自分のせいだけど)。いや、でも歌ってる時は違うんだよ気持ちの面でも、やっぱり自分の声なんか精一杯ちぎり出さないと全部かっ消えてしまうバンドセットの中だからこそ安心してそこに歌を乗せられるんだ。みんなも服着てないと街を出歩けないと思うけど僕にとってはそんなイメージでバンドってものがある。でもこれも今日までの話、言い訳はおしまい。
これはたぶんみんな知ってることだと思うけど言葉が持つ表情は声の出し方で半分は決まっちゃう。今までは別にそれでよかった。だってそもそも大して話したいことなんかなかったし。だからあんまりハキハキと喋る必要がなかった。けどそれも最近変わったんだ。実はこのところ、真剣に音楽に対して頑張ろうと向かってみたら物の見え方が全然違ってきた。ここに書くんじゃ長くなるからまた別の機会、それか自分たちの曲の中でそれを表現したいなと思うけど、大ざっぱにまとめると自分の気持ち、夢、みんなのことについて言いたいことが沢山見つかった。これも面白いことだと思うよ。2年前の僕はたしかインタビューとかでも「自分は音楽をやる上で何も伝えたいことはない。ただただ自分のためだけにやってる」って言ってた。変わったね、別にその時適当に音楽をやってたって訳じゃ決してないんだけど、ここまで来ると何か一周回ったよ。まあ要はこのボソボソの喋り方をどうにか直さなければ本当に伝えたいことがみんなに聞き取ってもらえないっていうすごい残念な事態を招いてしまう。
そして、これは話し方ってよりはその内容について。最近わかったことがひとつあって、僕は曖昧な単語の響きや回りくどい言い回し、奇をてらった喩え、どれもすきじゃない。あと小説とか映画でよくあると思うんだけど、ぼんやりしたやり方でやって結局は言いたいことを言い切らず受け手の気持ちに任せるよってやつ。やだ! その上から目線がキライ! 僕は、自分の表現の中ではもっと精密ではっきりとした物言いがしたい。自分の発する言葉にハッスルしつつも確固たる信念と責任をしっかりと常に持っていたい。これも広い意味でははっきりと話すということだと思う。
だから今日、これを書いている今……初夏の夜明けごろだけど決めたよ、〈目標:いつも腹から声を出す〉。これで全部良くなっていく気がする。ちょうど鳥も大っきく鳴き始めたし。
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