ニトロデイのヴォーカル&ギター小室ぺいが、自身が気になったものを独自の視点で調査&分析し、文章に綴っていくWEB連載。第二回は、14年目過ごしてきた〈学校〉について。
#2 「学校」
僕は学生だ。そして気付けばそれも14年目だ。人生の半分以上を学校に通いながら過ごしている。正直今まで学校の話ってあまりしてこなかったからいい機会だなと思って書いてみようと思う。よく自分の周りの、特に音楽をやってる人はロックを勘違いして「学校なんてクソだ、あんなとこ行くもんじゃねえ」とか言ってることが多い。でも自分はそうは思わない、思ってたとしたらこれまでの生活がもったいない。確かに学校では沢山のやなことがあったからその当時は僕だって学校に行く意味なんて持つ隙がなかった。こんなことを言えるようになったのは今になってやっと少しは落ち着いて自分の過去や現在、未来について客観的に見る余裕ができたからこそかもしれない。そう、要はタイミング。
学校で学べたこと。まず、国語はとてもいい教科だ。なんてったって教科書がいい。面白い文章がたっぷり読める。論説は超退屈だからそういう時はページをめくり、安部公房だ、梶井基次郎だ、俵万智だ。中学生の時はもっと本が大好きであの分厚い便覧を読み漁っていた。気になった本に全部印をつけ、帰りに図書館で借りて帰ったりする。返すのを忘れたりもする。『蹴りたい背中』は青春だった。今でもあの頃読んでいたやつを中古本屋で見かけるとつい欲しがってしまう。
それから宇宙のことも勉強した。星の煌めきにも理由があることを今は知ってる。月がずっと追っかけてくるのはいたずらっ子だからじゃない。あと昔の人は賢いのが過ぎて星座なんて作ってしまって馬鹿っぽくてすきだ。ちなみに僕は目が悪いから夜空を見上げても何も見えないけど見えてた頃を思い出したりする。
あと大事なことのひとつ、期限を守る。小学生の時は宿題をやった試しがない、提出物を出した記憶もない、それはそれはお馬鹿なやつだったんだけど長いこの学生生活で最近やっとその点ちゃんとできるようになった。とは言ってもまだまだでこの文章も締め切り当日に手をつけている。頑張れ、自分。
もうひとつ、人を殴っちゃいけない。これは言うまでもない。
最後に、学校で勉強した中で一番大きいのかもしれない、僕にとって勉強は役に立つ、が全てじゃないということ。論説とかに良く出てくる逆説っぽい言い方になっちゃった。あれあんま好きじゃないのに……。今まで僕は結構勉強してきた方だと信じてる。高校は入るのが難しめなところだったし。でもそこで良く思ったのは学校の勉強にみんな素直すぎなんじゃないかってことだった。勉強ができたとしよう。その人は多分将来いい仕事に就けて、お金がたくさんもらえて、いい暮らしができる。でもそれだけだよ。その錯覚にどんどん盲目的に飲み込まれていく人たちを目にして僕は自分の幸せを見つけたい、人の幸せを自分にあてがうことはない。って思った。高校で見た人たちは最初に出てきた「学校なんてクソだ」の連中と本質的には一緒じゃない? 僕は自分のものさしを大事にしたい。
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