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INTERVIEW
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BRAHMAN、久々のライヴハウスツアーを終えて。そして復興支援、バンドマン人生への思い

text by 金光裕史

このTOSHI‐LOWへのインタビューは、当初、バンドがまだ訪れたことのない場所を中心に廻るツアー〈Hands and Feet〉を8年ぶりに行ったことについての手応えと、密なライヴハウスでの日常が戻ってきて思うことは何か、そんなテーマで話を聞こうと、ツアー開始直後からオファーしていたものだ。しかし昨年末の身近なバンドマンの訃報、さらには年明け早々に北陸を襲った地震。これらは彼にとって別次元の話ではなく、生と死、を常にテーマとしてきたBRAHMANというバンドにとって、すべて繋がっている。歳を重ね、わかっているつもりだったそのテーマが、よりリアルに迫ってくる。それを実感した今、彼が考えていることは何か。急遽決めた金沢でのライヴ直前。震災のこと、ツアーのこと、そしてチバユウスケのこと。話は多方面に渡った。しかしその根っこにあるのはすべて同じ。どう生きるか、という自分への問いかけである。




(これは『音楽と人』2024年3月号に掲載された記事です)



奇しくも今日(註:取材当日)は阪神大震災から29年目になる日ですが。


「そうだね。1月17日」


先週、震災が起きた北陸にも行ってきたんですよね。


「うん。行っちゃいけないっていうのは、行けって合図だと思ってるから(笑)。でもそれなりの経験と勘もあるので、迷惑にならないやり方はわかってるしさ。行くな行くなって大騒ぎだったけど、そんなわけないだろと思って。それで行ってみたら、やっぱり困ってる人がいっぱいいて」


SNSが日常になったからかもしれませんが、自分があたかも経験したかのように、行かないことが正しいと思う人が増えたよね。


「そうやって上からの情報に右倣えになっちゃってね。どうなってんだ!って騒ぐような人がいないと、何も動かないんだよ。東日本大震災の時は、1週間経ったらもうちょっと動いてたよ。工事の人が懸命に作業して道路を復旧させたり、いろんな人たちが炊き出しに入ったり。北陸はそういうのがまだ全然できてなかった。なのに被災地じゃないみんなも縮こまって、自分がやらない言い訳を必死に探してる感じ。それがめちゃくちゃ気持ち悪かったな」


TOSHI-LOWの行動原理は、正義感よりも、世間が同調するムードが好きじゃない、ってところから来てるからね。


「やるなって言われた中でどうやれるかを考えるようにしてる。たぶんそこに何か理由があるんだろうな、って思うから」


そしてさっそく来週には、金沢でライヴをやるんですよね(註:1月22日/金沢vanvanV4)。


「そう。現地で決めてきた。被災してる若い子たちがいるけど、彼ら彼女らが動ける現場を作ることがまず大事なんだってことは、経験して知ってたからね。だからボランティアの現場を作って、その子たちができることを伝えていこうと思ってるんだけど、ライヴがそのきっかけになればいいなって。俺たちは、ボランティアのプロじゃないし、やっぱり一番最初は得意なことやったほうがいいじゃん」


だからまずはライヴをやると。改めて聞きますけど、現場を作るっていうのはどういうことをやるんですか?


「困ってる人のところに行って片づけをするとか、畑にある瓦礫を取り除くとか、いろいろあるよ。なんか知らないけど、妙な区切りがあってさ。家は片付けるけど、畑は放置とか、ボランティアでも行政主導だと変なルールがいろいろあって。おばあちゃんの一人暮らしでも、それから外れちゃってるからボランティアを頼めないとか、人手がなくて畑が荒れ放題のままとか、そういう家が必ずあんのさ」


行政とかの支援から外れてしまってるところへの支援を幡ヶ谷再生大学(註:TOSHI-LOWが代表を務める復興支援NPO)ではやってきていて。


「しかもどの場所でも、時間が経つと注目されなくなるし、寄付も集まらなくなってくる。だから長い目でやっていくことが必要なのよ。そういうノウハウを地元の奴らに伝えて、それを周りの若いやつらにさらに伝えていく。その土台を作るってこと」


なるほど。そういう現場を作る時に、BRAHMANがいつも通りのライヴをできるようになっていてよかったです。


「そうだね。〈やれる?〉〈よしやろう、じゃあ来週!〉ってできるバンドだからね」


しかも〈Hands and Feet〉のツアーをちょうど終えたタイミングで。僕も横浜でのライヴを観ましたけど。


「すごかったよね。ステージ上も過呼吸状態で、空気薄すぎた。2曲ぐらいで〈今日やべえな〉って思った(笑)」

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あれほど密なライヴハウスも久々で。コロナ禍の真っ最中、密な状態がダメなのなら、こういうスタイルのライヴはやらないと決めて、ホールでのライヴを展開して。それ以降、フェスやイベントには出ても、ライヴハウスでの公演は数えるほどになってたわけじゃない。


「ホールとか映像使ってのライヴは、ある程度やり切ったと思ってて。その次に何をやりたいかって言ったら、ライヴの環境も戻ってきたし、単純に行ったことない、まだ誰も手をつけてないライヴハウスに行ってみたいって思ったんだよね。〈Hands and Feet〉は、もともとそういうテーマでやってきたツアーだったしね。今回も指宿とかすごかったよ」


どんなハコ?


「みんな1回、グーグルマップで見たほうがいい(笑)。指宿LIVE IN CHAINS。何もない峠に、唐揚げ屋がついでにライヴハウス作っちゃった、みたいなハコだから」


原点ですね。


「でも、〈ようやく、ここに戻ってきた〉みたいな感覚ではないんだよね。昔みたいにライヴハウスで爆発させようっていうんじゃなくて、それこそホールで映像入れて丁寧に演奏したことや、OAUの活動も含めて、この10年くらいでやってきたことをライヴハウスに詰めこんで、全力でやってるっていうかさ」


確かに唄い方とか演奏とか、全然違いましたね。


「そうなのよ。めちゃくちゃなものをすごく丁寧に作ってる。二郎系のラーメンを一生懸命キレイに作ったみたいな(笑)」


でも結局は、野菜てんこ盛りのラーメンではあると(笑)。


「そうそう。下にいっぱいこぼれてる(笑)。でも昔とは違うんだよ。それはやっぱ経験や重ねてきたものがあるからでさ」


20年前と同じような感覚じゃできないもんな。


「最後マイク叩きつけて終わるみたいなのも好きだけど、その感覚って、もう何年も前から変わってきてるんだよ。どっちかって言うと、最後はちゃんと丁寧に置きたいって感覚もあんの。でも同時に、最後すべてをドンガラガッシャンってひっくり返しちゃう、ハードコア・ドリフみたいなのも好きだから(笑)」


はははは、ハードコア・ドリフ!


「それを共存させたいんだよね。そのためには、丁寧にやるところはしっかりやんないと、自分たちの中で成り立たない。ただのドンガラガッシャンだと、若い頃、下手くそで思い通りにいかなくてキレてるのと同じでしょ。今はそれがないんだよね」


ドリフターズも緻密に計算して、セットをドンガラガッシャンしてたって言いますからね。


「同じよ。コロナ禍で曲を見直してみたら、適当に曲作ってたわけじゃなかったなって気づいて、それを意識して丁寧に演奏してる。でもそこまで緻密にやったつもりでも、はみでちゃう部分がある。そこが面白いよね」


2年前の中野サンプラザでも、あんな構築されたライヴだったのに、最後は壁に穴開けちゃう人ですからね。


「あれで老巧化してるのがわかって、取り壊しになったんだよ、きっと(笑)」


あはははは! しかし横浜、客の熱量もすごかった。


「すごいよね。でも、その熱に感化されて、今までみたいに自分がフロアに飛び込んでいくとか、そういうことでもないんだよね。そうすることもたまにあるかもだけど、むしろ、その熱の中でちゃんと唄いたいというか」

できれば終わりを決めたい。自然になくなっちゃったとか、永遠にやりますって言葉で逃げずに、ちゃんと完結させたいね

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