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INTERVIEW
  • #THE COLLECTORS

永遠のモッズ少年・THE COLLECTORS 。加藤ひさしソロインタビューを公開!

text by 金光裕史

 これは23枚目にして、ザ・コレクターズのファースト・アルバムである。矛盾しているようだが、そんな印象すら受ける。それほど『YOUNG MAN ROCK』はみずみずしい作品となった。1曲目の「クライム サスペンス」が一時期のプライマル・スクリーム的なアプローチでド肝を抜かれるが、全体を通して感じるのは、これまでのザ・コレクターズらしい楽曲が、よりビルドアップされた印象。30年を越えたバンドの歩みを、俯瞰しつつも素直に描いている。中でもラストの「振り返る夜」は、加藤ひさしが自分の拭えない孤独感を正直に描いた名曲だ。まさかここまで彼が自身をさらけだすとは思いもしなかった。ドキュメンタリー映画『THE COLLECTORS〜さらば青春の新宿JAM〜』で、過去と対峙したことも影響しているのだろう。ともあれここに来て、彼らが絶好調で、自身を更新しているのは確かなこと。彼らにはロックンロールのカッコよさも、モッズのクールさも、バンドの人間臭さも、そのすべてがある。聴かない理由はどこにもない。

 ここでは加藤ひさしのソロインタビューを公開! 加藤ひさしはいつもその本音を隠している。感謝してても「ありがとう」なんてめったに言わない。楽しくてもそんな素振りを素直に見せない。同じように、寂しくても寂しいなんて言わない。でもこのニューアルバムには、そんな彼の心情がストレートに出ている。素直になれた58歳。ここまでの物語。

 

(これは『音楽と人』2018年12月号に掲載された記事です)


 

 

1月から続いたマンスリーライヴも終わりますね。

 

「昔の楽曲を掘り起こせたことが良かったね。ライヴをずっとやってると、定番の曲がどうしても多くなっちゃうじゃん? でもこのマンスリー企画は、12回もあって、その中の3分の2が被らないセットリストにしたから、否応なく過去の曲を聴くことになってさ。自分の作品を振り返るいいきっかけだったな。ちょうど映画の話も進んでる中、アルバムの作業も始まったんだけど、23枚目のアルバムだからアイディアなんてもはやないんだよ」

 

ははははは!

 

「本当にゼロからのスタート。すごくしんどいんだよ。ようやく、これでいこう!って曲ができたと思ったら、来月のクアトロでレアなこの曲をやろうって話になる。その曲を久々に聴き直してみると、昔はさほど重要だとも思ってなかった曲なのに、詞も曲もよくできてるんだ。それをひと通りおさらいして、新曲と照らし合わせてみると、このレベルまで行ってねえと思えちゃって。ボツにしたり、ブラッシュアップしたり、書き直したり。時には、昔のほうが才能あったのかな……と悩み。余計、苦しくなっちゃうんだよね」

 

前作『Roll Up The Collectors』のアプローチとはかなり違いますね。振り返る要素が多いというか。

 

「全然違うよ。前回は武道館もあったし、メンバーが脱退して、coziが入って。混沌とした中でのバンドのプライドもあったからね。背負うものが重かったんだよな」

 

それから比べると、わかりやすいテーマがないというか。

 

「だから大変だった。そうやって苦しんで曲作ってるのに、ライヴのために振り返ってみた昔の曲が、俺を虐めるんだよ(笑)。『SUPERSONIC SUNRISE』に入ってる〈A WAY OF LIFE〉 なんて、ほとんどライヴでやったことないんだけど、すごく凝ってて、ビートが効いてて、めっちゃコレクターズらしくてさ。アルバムにこういう曲がないじゃん!と思って、最初から書き始めたり」

 

だから逆にコレクターズらしい曲が詰まってるんですね。1曲目を除いては。

 

「そうなんだよ。10曲レコーディングすることになって、まず曲を先に作ったんだけど、いまひとつ刺激が足りないなと思ったんだよね。ちょうどその頃、プライマル・スクリームの『スクリーマデリカ』やジーザス・ジョーンズを改めて聴いてる時期だったから、このビートを今やったら面白いんじゃないか、と思って。それで1曲目の〈クライムサスペンス〉ができたんだよ」

 

衝撃でした。

 

「だろぉ(笑)。1曲目にこの曲がきたら、みんなザワつくと思ってさ。他の曲がコレクターズ好きなら絶対満足する曲だから、ここで遊んでみたんだよ」

 

ちょうど、過去と現在を照らし合わせる時期なんですかね。

 

「そうだね。バンドも生きてるじゃない? 映画ができて、この31年を否応なくまとめなくちゃなんなくなったら、やたらそういうところに目がいくよね。昔はこうだった、あの時の情熱はこうだった、今ってどうなの?って」

 

映画はまさにそうでしたね。昔、新宿JAMでやったライヴ映像を観る。あの時と同じ服、同じ会場でライヴをやることに決める。黒のモッズスーツを奈良のモッズショップまで仕立てに行く……。

 

「今の俺のステージ衣装は、あの頃とは違って、派手じゃなきゃダメって感じなのに、黒のスーツを着る。そうするとあの頃を思い出すんだよ。やっぱりシンプルなモッズ・ファッションってカッコいいな、こういう格好してたな、って。確かにそうやって向き合う瞬間がとても多かった」

 

昔こうだったなって感覚や、あの時のいろんな気持ちに、強く影響されたアルバムなんでしょうね。

 

「そうだね」

 

強がって歩き出すけど、何度も振り返る。誰か来るかなと思っても、誰も来ない。いつもそんな気持ちなんだよ

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