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井上惇志(showmore)インタビュー。SIRUP、go!go!vanillasなどのサポートも務める彼の音楽との向き合い方

text by 竹内陽香

ジャズやヒップホップをルーツに、多彩な表情の楽曲を生み出しているshowmoreのキーボード兼プロデューサーであり、多くのアーティストのプロジェクトに参加し、プレイヤーとしても注目を集めている井上惇志。SIRUP、ZIN、go!go!vanillasなど、ジャンルを問わずさまざまなアーティストから愛されている彼に迫るべく取材をオファー。自身のバンド活動とサポート業の2本柱で、音楽と関わり合う井上だが、20代前半までは音楽を仕事にすることはまったく考えていなかったという。どのようにして音楽を生業にしてきのか、また音楽をやるうえで大切にしている思いについて語ってもらった。現実を見つめながらも、自分の意志を大事にしつつ、純粋な思いで音楽や人とコミットしてきた井上だからこそ、そのプレイは聴く人の耳と心を魅力するのだろう。



音楽を始めたきっかけは何だったんですか?


「高校の同級生にフリージャズが好きな子がいて、学校祭で演奏しようよ、みたいな話になったんです。それまで全然音楽に興味なかったので、『まったく弾けないけど大丈夫?』って聞いたら、『面白ければいいんだよ』って言われて(笑)。なので初めてやったバンドはわりとハチャメチャな感じでした」


どんなステージだったんですか?


「3人でピアノの連弾をしたんですけど、他の2人はもともとクラシックピアノをやっていて、すごく上手いんですよ。そんな中で僕が肘とか頭とかでバーン!ってめちゃめちゃに弾いたら、それがウケちゃって(笑)」


経験がないからこそ自由にできたというか。


「その友達の家に行って、山下洋輔さんが消防服を着てピアノを燃やしながら弾く、みたいな動画を見せられたんですよ。『これがカッコいいんだよ』『これでいいのか~』みたいな(笑)。他にもスガダイローさんとか板橋文夫さんとか、フリージャズ寄りのものに触れて、これなら俺にもできるかもって」


高校卒業後は北海道大学に進学して、ジャズ研究会に入られたんですよね。しっかり音楽をやってみたいと思っていたんでしょうか。


「ピアノを本格的にやり始めたのはそこからでしたけど、本当にサークル活動っていう感じでした。ただ、他に打ち込めるものや得意なものがなかったので、わりと入り浸ってたというか」


将来、音楽をやっていこうとか、音楽の業界で働いてみたい、という気持ちは?


「そういう気持ちもまったくなかったですね。ジャズへの興味や知識は増したけど、就職活動をする時は音楽業界は考えてなかったので、調べてもない。東京で就職した先も、外交船舶のオペレーションをする海運会社で、音楽は無関係のところでした。仕事しながらジャズのセッションに参加したりはしてたんですけど、あくまで趣味のひとつみたいな感じで、プロになろうっていうのは全然なかったです」


趣味で音楽をずっと続けていて、いつ頃からプロとしてやっていこうと思うようになっていったんですか?

「仕事を始めて3年半くらい経った頃ですね。ジャズだと、ある程度技術がないと食えないっていうイメージがずっとあったんですけど、知り合いのツテで箱庭の室内楽っていうバンドに加入して、渋谷WWWとか代官山UNITとかに出ることがあって。その時に、技術の上手い下手だけじゃないところで、音楽をちゃんと仕事にしているバンドの人たちがいるのを見て。ジャズピアニストとしては技術がないからプロになれないと思ってたけど、いろんな形で音楽を生業にすることができるんだなって、そこで気づいた感じでした。それにジャズの知識を持った自分がバンドをやるのは面白いんじゃないかと思うようにもなって」


でも安定した仕事を辞めて音楽の道へ行くのは、けっこう勇気が入りそうですが。


「そうですね。だからすぐに決断はできなかったですけど、やっぱり音楽で関わる人がみんな楽しそうでイキイキしてて。まぁ3年くらいやってダメだったらまた戻ってくればいいから、一旦、音楽の世界に行ってみようって決断して。それで5年半勤めた会社を辞めました」


積み上げてきたものを一度手放してでも、音楽が持っている力のようなものに触れてみたかったと。


「キレイに言うとそんな感じですけど、実際はもうちょっと計算高かったですよ。大学も出てるし職歴もあるから、30前半くらいまでなら再就職もできるだろう、とかちゃんと考えてましたし。まずは自分のバンドを組んで、最初の1年半は認知してもらう期間にして、だんだんとサポートの枝も増やしていく。3年くらいで自分のバンドとサポート業の両輪で経済的な柱を作ろう、みたいな計画も立てて(笑)」


夢ばかり見ていたわけではないんですね。


「showmoreのヴォーカル(根津まなみ)をバンドに誘った時も、なかなか首を縦に振ってくれなかったんで、資料を作って提示したんですよ。こういうバンド運営で、集客はこれくらいで、これくらいのインカム(収入)があって、3年で恵比寿リキッドルームを目指してます、みたいな」


会社の営業みたいです(笑)。


「本当にそうです。当時はサラリーマンだったし、そういうやり方しか知らなかったんですよね(笑)。今ではそんな計画立ててもしょうがないって思うからやってないですけど、当時は不安だったし、自分のスキルに自信もなかったから、音楽的な商品価値をどうつけるかとか、どう売るかっていうのはすごい考えてましたね」


それで2015年11月にshowmoreを結成して、サポート業も請け負っていく2本柱の音楽活動になっていくんですね。


「サポートをやるにしてもすぐは声がかからないし、誰とでも仲よくできるオールマイティな人間じゃないから(笑)、自分のバンドをまず始めて、そこで自分の個性や嗜好をある程度提示しようと思ったんです。そこから興味を持って声かけてくれる人のサポートをやっていくほうが続けやすいかなと思って」


showmoreは2017年にリリースした「circus」が話題になりましたね。その頃には、自分の計画通りバンドが広がってきているのを実感できていたんでしょうか?


「いや、〈circus〉は、もう運がよかったというか(笑)。2016年から2017年の前半までは4人体制で活動していて、けっこう企画ライヴとかも出て手応えがしっかりあったんです。当時はレーベルに所属したい気持ちがあったので、いっぱいデモを送ったりもして。ただ、とあるレーベルから声がかかったけど、あまりいい扱いをされなくて、僕が『それだったら一緒にやりません!』って怒って白紙にしちゃって。そのくらいのタイミングでメンバーともうまくいかなくなって、ベースとドラムが抜けることになったんです。僕と根津の2人になって、リスタートで出したのが〈circus〉だったんですけど」


むしろ思うようにいってない時期だったんですね。


「いい曲ができたとは思ってたんですけど、たまたま時代の流れにハマって、思ったよりバズってくれた(笑)。マジで運ですね。でもあれをきっかけに、ちょっとずつ今の体制に繋がっていったところはあったと思います」


showmoreは今インディペンデントで活動されてますよね。2人になってからはレーベルと組んで、みたいなことは考えなかったんでしょうか。


「いや、考えてはいたけど、あんまりいいご縁がなくて。もう年齢も年齢だったし、それぐらいになってくると、自分たちでいろいろやれるようになってきてたので、大きい会社と組んでやるより、信頼できる人を見つけて必要な部分だけ手伝ってもらうほうがいいよねってなっていきました」


あまりいい扱いをされなかった経験があると、慎重にもなりますよね。


「そうですね。お金のことを考えても、こじんまりとやってたほうが生活していける、みたいなのもあって」

僕みたいな人間は、良く言えば個性的だし、悪く言えば使いづらい。だから一発でクビになるか、一生使ってもらうかのどっちか(笑)

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