5月26日にニューアルバム『新しい果実』をリリースするGRAPEVINE。彼らが表紙を飾る『音楽と人』6月号では、メンバーそれぞれへの個人インタビュー、田中和将が語るアルバム楽曲キーワードインタビュー、さらにGRAPEVINE愛の深いさまざまなジャンルの方に話を聞いた〈僕の、私のGRAPEVINE、この1曲〉など、盛りだくさんの内容で特集しています。
WEBでは、アルバムリリースまでの間、2015年2月号に掲載した〈僕の私の「GRAPEVINE、この一曲」〉の一部を数日にわたって特別公開してきたこちらの企画も本日で最後。ラストは、小高芳太朗(LUNKHEAD)、光村龍哉です。
(以下、音楽と人2015年2月号に掲載された記事です)
小高芳太朗(LUNKHEAD)
「スロウ」
(SINGLE、ALBUM『Lifetime』収録/1999.05.19)
思い出深いのは「スロウ」ですね。センター試験受けに新居浜から松山に行ったんですけど、泊まったホテルのテレビでPVが流れてたんですよ。歌詞の聴き取れなさと、イントロの不穏な変なコードにしびれたんです。その後、出てるCD全部買って、大学入ってから必死で耳コピしました。サークルでもコピーしたり。
魅力はいくつもあるんですけど、やっぱり曲のよさですよね。メロディとコード感。わかりやすくない、難しいコードでややこしい! でもそこに感情が乗って、風景がより繊細になるっていうか、自分の中の想像、妄想が高まるんですよ。ただ雨が降るじゃなくて、シトシト降ってるのか、ザーザー降りなのか、そういうところまで表現してる感じがします。
田中さんとは、セカイイチの(岩崎)慧のイベントで一緒になって、呑んだんですけど、けっこうこの人、俺と似てるな、って思いました。卑屈なところとか(笑)。それにこの人、絶対〈勝った〉って思えない人なんだなって。悔しさとか不甲斐ないとこばかり見えて、そういうのしか自分のエネルギーにできないんだろうな、って。俺もそうだから、それはよくわかりました。人間臭いんだなって思いましたね。「俺らのことを聴かんやつらが悪いんや」って、ずっと言ってましたし。
これ褒め言葉で言うんですけど、あまり賢いやり方をしないバンドだと思うんですよね。でもだからこそ、信頼されるし、ファンとの距離がすごい近い気がする。好きな人ってずっと好きじゃないですか。中毒性があるし。そう、だから僕ら、東京でランクヘッド始めた時、グレイプバインになりたいって思ったんですよ。
【LUNKHEAD INFORMATION】
LUNKHEAD 以心前進東名阪シリーズ ※終了分は割愛
5月29日(土)〜DAY6 名古屋編〜 大須 ell.FITS ALL OP 17:00 / ST 17:30
6月20日(日)〜DAY7 東京編〜 渋谷 eggman OP 11:00 / ST 11:30
6月27日(日)〜DAY8 大阪編 南堀江 knave OP 17:00 / ST 17:30
7月24日(土)合田悟生誕41周年記念祭~五輪のGは合田のG!夏のGDABASS祭!~ 渋谷 eggman OP 11:00 / ST 11:30
※全公演ワンマンとなります。
※全公演ツイキャスプレミア配信にて有料配信を行います。
https://lunkhead.site/
光村龍哉
「Colors」
(ALBUM『another sky』/2002.11.20)
GRAPEVINEを知ったのは、中学3年生くらいでしたね。「光について」を聴いて、あの何とも言えないセンチメンタル感にヤラれました。
その後、僕らがデビューして、一緒にツアーを廻ったことがあるんです。その頃のバインは楽屋で麻雀をやってたんですけど、ちょうど僕らもハマってて。そしたらドラムの対馬くん(註:NICO Touches the Walls/対馬祥太郎)が、初対面なのに「俺らも混ぜてください!」ってズカズカ入り込んでいったのが知り合ったきっかけです。あの時のツアーで「Everyman, everywhere」を唄う田中さんを観て、僕のヴォーカリストとしてのたたずまいやとらえ方は180度変わりました。
その後はよく呑みに連れていってもらいました。昔、打ち上げがあると、必ず店から連絡が来るんですね。その頃まだ実家に住んでたから「もう終電ないですよ」って言ったら「いいから行けるとこまで行って、そっからタクシー乗って来い」と(笑)。で、なけなしのお金でタクシー代払って、店についたら、田中さん、僕のタクシー代をカンパお願いしてて(笑)。それが3、4回あったんですけど、いまだにそのお金をどう返せばいいのかわからない。その代わり、最近呑みに行っても、必ず最後までいるようにしてます。途中で帰ると田中さん、妙に寂しがるんで(笑)。
バインの音楽であえて1曲挙げるなら、田中さんとやりたいってお願いして、ずっと断られ続けてる「Colors」かな。詞の世界とバインのメロディのメランコリックさがこの曲には、すべて集約されてる気がして。嫌がられるけど、いつか必ず一緒にやりたいです(笑)。
GRAPEVINEが表紙を飾る、音楽と人6月号が発売中!
はっとり(マカロニえんぴつ)、INORAN(LUNA SEA)、嶋佐和也(ニューヨーク)などが語る〈僕の、私のGRAPEVINE、この1曲〉を掲載。ぜひチェックを!
GRAPEVINE オフィシャルサイト https://www.grapevineonline.jp/