やっぱりナマケモノだと思うよなあ(チバ)
それで就職捨てちゃう奴もしょうがないけども、キュウどうなの、チバ・マジックの秘密は。
クハラ「でも結局、俺は1回就職しちゃったからねえ(笑)。だからチバ・マジックを体験したのは、ミッシェル入団時だね。俺が『今どの辺の小屋で演ってるんですか?』つったら、『ジャムとか20000(V)でもうキャーキャー』つって」
チバ「んな事言ってないよお!(苦笑)」
クハラ「言ってたんだって――『キャーキャー』はちょっと一言でわかりや易く言ったんだけど」
わはははは。
クハラ「『結構人気あるよ』ぐらいな事は言ってたよね」
チバ「『人気ある』つったか俺?」
クハラ「『結構客入ってるよ』みたいな」
チバ「うっそお」
クハラ「言ってたよ、初めて俺がミッシェルを観た時に」
ああ、その時に誘われたんだ?
クハラ「いや、俺が『入れてくれ』って」
あははははは。
チバ「なんか酔っ払ってたよ、おまえ。大抵そういう決断する時って、いっつも酔っ払ってるもん(笑)」
クハラ「ドラム居たんだけど、そいつ辞めさせて俺が入って(笑)」
ミッシェルの場合、皆勢いで入ったりしてるわりには、結局最後までしぶとく存続してるんだよなあ。
チバ「ああ……何でだろうねえ」
クハラ「アベフトシはでかいねえ」
チバ「うん。身体もでかいけど影響力もでかい(笑)」

本当にアベの加入がミッシェルの命運を決定したみたいね。いつもその話になるけども。
チバ「いやあ、何か開けたよ! もう突き抜けたね、バンドが」
そんなにアベ加入前、加入後でバンドは違うんですか。
チバ「前のギターを悪く言うつもりは無いんだけどさあ、『せーのでドン』と音を出す感覚がやっぱり足りなかったんだと思うんだよね。その感覚が三人(←チバ+ウエノ+クハラ時代)になった時に凄え取り戻した感じがあったから『これだ!』と思ってたんだけど、俺ギターとヴォーカル両方は出来ねえから『これはヤベえ』つって。でもよく居たよなあ、あんなギターが。しかも暇で(笑)」
クハラ「『しかも暇』(笑)」
チバ「アベ君入ってもその『せーの』の感覚が、そのままあったからね」
まさに視界が開けたと。
クハラ「尋常じゃなかったよね」
チバ「何か呑み屋の話みたいだなあ、今日(照笑)」
クハラ「だって前のギターの時って、チバが教えてたんだよギターを(笑)」
チバ「もう『とにかくこう弾いてくれ』と全部言ってたから。ソロも俺が作って」
クハラ「本当もう全てのイニシアチブはチバにあったからねえ」
チバ「だからアベ君入って、もう『このまま演っていたいな』っつー感覚はあったねえ」
クハラ「でその年の暮れには今のマネージャーと逢ってるしねえ」
アベは「あげちん」なんだねえ。
チバ「バンドにとってはねえ、うん。あんだけ天然の人居ないからねえ」
まさに拾いもん、と。
チバ「拾いもんだねえ(笑)」
でもマイペースだったんだよな、チバはさ。
チバ「俺別にどうでもよかったからねえ。まあ……演ってりゃ何かあるだろうと思って。ライヴ演って、それなりに面白くて……打ち上げで呑めりゃいいやっつー」
(失笑)それは現在の姿と寸分違わず同じじゃん。
チバ「全然変わんないですね(笑)」
キュウはその「何かあるだろう」チバに付き合ってきたわけだ。
クハラ「それは俺なりにも『何かあるだろう』っつーのはあるから、北見から戻って来たわけで。デビューもまだ決まってないのに」
キュウなりの「何かあるだろう」感は、どんなだったの。
クハラ「バンドもそうなんですけど、自分も今までダラダラ生きてきていろいろ選択してきたんですけど、『ほぼ間違い無いな』と思ったんですよ、振り返ると」
チバ「くかかかかか」
クハラ「だからバンドを選んで間違ってないと。何かあるだろう、と――その『何か』を訊かれてるのに答えになってない(笑)」
(笑)その過去間違ってなかった人生の選択肢って、例えばどんな。
クハラ「部活に入って良かった(笑)とか、北海道じゃなくて東京で浪人して良かったとか。で市役所辞めて再びバンドに戻る時にその今までを全部振り返って、『ああ、今まで上手くいってきたから間違い無え』と思って(笑)」
おまえは人生と部活が同じレベルなのか(笑)。
クハラ「『間違い無いっしょ!』みたいな」
チバ「くはははは」
全員楽観的なのって、いいな(諦笑)。
チバ「楽観的は楽観的だろうね。つーかね、やっぱりナマケモノだと思うよなあ」
出た、十八番(笑)。
チバ「うん、まあ俺はね」
クハラ「ナマケモノってさあ、ぼーっとじーっとしててさあ、何にもしないわけでしょ? 俺、チョロチョロ動くんだけどさあ、何もしてないんだよ実は(苦笑)」
チバ「ぶははははは!」
クハラ「忙しぃーく動いてるんだけど結局何にも積み上げてないから(苦笑)、ある意味動いてなきゃ俺もナマケモノなのかもしれないね」
種類は違っても同じナマケモノ科。
クハラ「『おまえ汗かいてるけど何もしてねえじゃん』みたいな(笑)。クラスに一人居るじゃん、眼鏡かけて普通の学生服着て凄く利口そうなんだけど、でも俺より成績悪い奴とかさあ(笑)」
あはははは。中身が追いつかない奴ね。
クハラ「そうそうそうそうそう(笑)」
昔ながらのバンド・ストーリーだとさ、新参者なんだけど個性的で優秀なアベってコンドルのジョーみたいだったりすると、美しいわけじゃん。チバと反目しながらもバンドを上げていく……でも全然違うんだよなアベも(笑)。
チバ「俺達ってね……バンドのノリと個人的な意識の差がたぶんどんどんどんどん無くなってて」
そう、個人じゃないもんなあこのバンドは。
チバ「そうなんだよね、うん」
クハラ「俺は間違ってなかったと。『ツイてるねノッてるね』だから。呑み放題だから人生は(笑)」
(無視)結局、売れても「もっとこんな事が出来る」ぐらいだろ、チバは。
チバ「『次もレコード作れるかな』って感じだよねえ。うん。だけどその『万』の単位っつーのが想像つかなくて俺。おかしいよ、俺達が売れちゃ(←真顔)」
文=市川哲史
撮影=猪田浩明
3rd ALBUM(LP)
『Chicken Zombies』
2025.06.01 RELEASE

・LP2枚組 180g重量盤
COJA-9531~2 ¥6,050(税込)
https://lit.link/chickenzombies
【SIDE A】
01.ロシアン・ハスキー
02.HI!CHINA!
03.マングース
04.ゲット・アップ・ルーシー(Album Version)
【SIDE B】
01.バードメン
02.ブギー
03.I've never been you(Jesus Time)
【SIDE C】
01.COW 5
02.カルチャー(Album Version)
03.サニー・サイド・リバー
【SIDE D】
01.ブロンズ・マスター
02.ロマンチック(Broiler Dinner Version)
03.I've never been you(King Time)
アナログ購入者特典 詳細:https://www.thee30th.com/news/159
アナログ購入者特典 応募フォーム:https://columbia.jp/thee30th/analogapply/

・リマスター及びハイレゾ配信
https://lnk.to/chickenzombies
01.ロシアン・ハスキー
02.HI!CHINA!
03.マングース
04.ゲット・アップ・ルーシー(Album Version)
05.バードメン
06.ブギー
07.I've never been you(Jesus Time)
08.COW 5
09.カルチャー(Album Version)
10.サニー・サイド・リバー
11.ブロンズ・マスター
12.ロマンチック(Broiler Dinner Version)
13.I've never been you(King Time)
