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渡辺翔太主演映画『事故物件ゾク 恐い間取り』。中田秀夫監督が語る“純正ホラー”の撮影秘話

text by QLAP!

Snow Manの渡辺翔太くん主演の映画『事故物件ゾク 恐い間取り』は、松原タニシさん原作×中田秀夫監督の『事故物件』シリーズ最新作! “事故物件住みますタレント”の桑田ヤヒロ(渡辺)が、テレビ番組やSNSのためのネタ欲しさにさまざまな事故物件を転々とし、事故物件に隠された“謎”に迫るホラームービーだ。見どころや撮影秘話を中田監督に伺いました。

                (これはQLAP!2025年7月号に掲載された記事です)


本作は大ヒット邦画ホラーシリーズの最新作。制作のきっかけや、前作との違いを教えてください。


松原タニシさんのベストセラー・ノンフィクションを原作に、5年前に公開した映画『事故物件 恐い間取り』が想像を超える大ヒットとなったので、続編を作りたいという話は早くから出ていたんです。主人公の設定は芸人からタレントにスライドしましたが、彼が売れるためにいわくつきの物件に住み、そこでの心霊現象を動画に録る、という物語の軸は前作と同じ。そこにプラスして恋愛や周りの人たちとの関係など、ホラー部分以外の人間ドラマの要素も色濃く描いています。


一番前作と違うところを挙げるのであれば、僕の意識としては、演出面でホラー要素を強くしたところですかね。言うならば前作は“ホラーポップ”。ファンタジーな演出、笑える部分が多いという声もいただいたのですが、それは確信犯的に狙っていたところでもありました。


そんな前作とは異なり、今作は“原点回帰”。笑いの要素はほぼ封印していて、とにかく観てくださった方に“怖い”と言ってもらえる作品を目指し、自分の原点である映画『女優霊』や『リング』を思い起こしながら撮影をしました。“純正ホラー”と言える作品になったと思います。



主人公のヤヒロを演じた渡辺くんとは、どのように役を作り上げていったのでしょう? 役者の卵・春原花鈴役の畑 芽育さん、ヤヒロが所属する芸能会社の社長・藤吉 清役の吉田鋼太郎さんの印象も教えてください。


渡辺くんは映画単独初主演ということもあり、映像的な声の出し方からお芝居まで、クランクイン前の2カ月間、何十時間ものリハーサルをしてもらいました。努力と才能で役をつかみ取ってから撮影現場に入ると、すっかりヤヒロの顔になっていましたね。


驚いたのは、初日から経験豊富な吉田さんとのシーンだったので芝居のトーンの差がついてしまうかな?と思っていたのですが、全然そんなことはなくて。渡辺くんがしっかり力強い芝居をしてくれて、長回しでそのまま1カットでいけると思い、カット割りを減らしたほど。彼の持つアスリート的な集中力と、トップアイドルとしてたくさんのカメラに見つめられてきた経験がものを言っているなと。


吉田さんも柔軟な方で、「もう少しだけ笑ってください」など僕の細かいニュアンスにも的確に応えてくださいました。ヒロインの畑さんも非常にお芝居が上手。抜群のタイミングで涙を流してくれるんです。本当に素晴らしいので「悲しいことを思い出して泣いているの?」と聞いてみたら、「役で泣いています」と言い切っていて、心の中で拍手をしましたね。



劇中には、必ず憑りつかれる部屋、いわくつきの古い旅館、降霊するシェアハウス……と、恐怖の物件が多数登場。物件選びやセットの制作裏話はありますか?

今作も松原タニシさんに『こんな物件はどうです?』といろいろアイデアをいただきながら、スタッフで話し合って、4軒の物件を選びました。リアリティーを大切にしたかったので、3軒目のシェアハウス以外はほぼロケ。実際の家で撮影しています。

3軒目では、ヤヒロがルームメートと降霊術を行うのですが、そこではマルチアングルを使用したり、大掛かりな仕掛けが必要だったので、物理的にセット以外での撮影が難しかったんです。広いリビングのあるシェアハウスであれば可能だったかもしれないんですけど、そうすると駆け出しのタレントが住むという設定には合わなくなってしまうので。家賃16,000円で違和感のない、今風の学生寮っぽさをイメージしてセットを作ってもらいました。


結構オシャレな雰囲気ですし、小物など細かい部分までこだわっているので、渡辺くんをはじめキャスト陣も興味津々の様子でしたね。シェアハウスの楽しい雰囲気の中、恐ろしいことが起こる。そのギャップも感じてもらえたらと思います。


演出部分では、監督こだわりの仕掛けもあるのでしょうか?


こだわりはやはり、90年代のジャパニーズホラーのテイストを思い起こしながら撮影をしたという点ですね。例えば1軒目のクライマックスは『リング』を、2軒目は『女優霊』を感じさせる局面がたくさん出てきます。最初からそこを目指していたわけではなく、物件ごとのホラー表現の力点をどう見せるか考えていくうちに自然と結びつきました。映画を観たら『あぁ、ここね!』ってわかってもらえるんじゃないかな。


僕自身も撮影していてすごく楽しかったんですよ。『リング』で貞子が出てくるシーンで、貞子の目を一瞬見せる演出だったり、おもしろいと思えるホラー表現って、振り返ってみると集中しながらもどこか笑いながら撮影を楽しんでいる自分がいたんですよね。今作の撮影中もその感覚に近いモノがあって。とあるシーンでは『もっと扇風機で風を起こしてくれ!』って、すごくおもしろがっていましたね。なんだかんだ僕はホラーが好きなんだなと、今作で再認識しました。


渡辺くんはホラー映画初挑戦。現場ではどのような様子でしたか?


渡辺くんはカジュアルな冗談にも乗ってくれたりと、とても自然体な方でした。ただ、核になるシーンの前はしっり緊張感を持ってくれてて。ホラーの現場ってオフタイムで過度に盛り上がり過ぎてしまうと“いざここから怖がるぞ”という撮影のときに緊張感が抜けてしまうことがあるんです。長い芸能生活で培った嗅覚で自然と見極めてくれて、僕としてもありがたかったです。おかげでいい緊張感が保てました。


文=鳥取えり



中田秀夫監督
なかた・ひでお/1961年7月19日生まれ、岡山県出身。1992年にドラマ『本当にあった怖い話』で監督デビュー。映画『リング』シリーズ、『スマホを落としただけなのに』シリーズなど、多数のヒット作を手掛けている。近年の作品は、映画『禁じられた遊び』『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』、『連続ドラマW 正体』など。



『事故物件ゾク 恐い間取り』
(松竹配給/7月25日より全国ロードショー)
出演:渡辺翔太、畑 芽育、吉田鋼太郎 ほか
©2025「事故物件ゾク 恐い間取り」製作委員会

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