UKFCに関しては、何か特別なものを乗せるという気持ちとしてはすごくある(金井)
テレフォンズは今年結成20周年、BIGMAMAは来年CDデビュー20周年になりますね。各々いろんな変遷を経ていますが、〈バンドを続けていくこと〉に関して、それぞれどう感じているかも聞いてみたいです。
石毛「変な意味じゃなく、テレフォンズに関しては、ノブ(岡本伸明/シンセサイザー)と誠治くん(松本誠治/ドラム)がいて、自分含めみんなテレフォンズが好きだから続けてるっていうのが大きいかな。けど、さっき金井が言っていた通り、どれだけカッコよく続けられるかっていうのはひとつのテーマにあるし、変化を恐れずやっていこう、みたいな気持ちが今は強い気がしますね」
金井くんはどうですか。
金井「ここまでやってきた中で、自分だけのものじゃないっていうこともすごく自覚していて」
BIGMAMAというものが。
金井「うん。やっぱ自分は、いろんなことをやりたがるんですよ。好きなものも多いし。でも、その真ん中にはつねにBIGMAMAというバンドがあるということを決して忘れてはいけないなというか。これをキチンとやり遂げることが優先順位の一番上。その上で、いろんなことに自分が挑戦できる、というふうに思っていて。メンバー5人は運命共同体だし、BIGMAMAという船に乗ってどこに行くか考えた時、俺だけが別の方向を向いていたらダメじゃないですか。だから、どれだけ自分たちが心をひとつにして、向かう方向を定めて、エネルギーを出すことができるか。自分としては、どこに出しても恥ずかしくない船にはなっていると思うし、仮に誰が乗り込んで来ても、困難な状況があったとしても、前に進んで行けるって今は思ってる。ただ油断すると床に穴が空くかもしれないから慢心だけはしないようにしたいなとは思ってますね」

ちなみに今年出るメンツで気になる人はいますか?
金井「LAYRUS LOOPですかね」
金井くんがプロデュースしてる3ピースバンドですね。タイムテーブルでは、BIGMAMAのあとにフィーチャーステージ(サブステージ)に出ますね。
金井「今自分が、BIGMAMAと同じように真剣に向き合って、アルバムを作ったり、どういうライヴをしたらもっとカッコよくなるかな、素敵になるかなって考えてるバンドで。今回、この並びで観てもらう時に、どんなバトンを自分が渡せるかなっていう気持ちもありますよね」
石毛くんはどうですか?
石毛「俺はもうBIGMAMA一択です。フルベットです!」
金井「ありがとうございます。もう焼野原にしてやりますよ(笑)」
石毛「え、そんなバンドだったっけ?(笑)」
あはははは。
石毛「BIGMAMAのライヴを観るのはちょっとご無沙汰しちゃってるんですけど。ノブがこないだ〈VIVA LA ROCK 2025〉でBIGMAMAを観たらしく、『めちゃくちゃよかった』って言ってたんで、すごい楽しみですね」
では最後に、それぞれ今年のUKFCに臨むにあたって、現時点でどんなことを感じているか教えてください。
石毛「今回、初年度の5バンドが揃うというのもあって、久しぶりにライヴハウスに来る人もいると思うので、そういう人たちに〈やっぱりライヴっていいな〉って思ってもらえるライヴをしたいですね。あと、涼平(長島涼平/ベース)が抜けてからのテレフォンズのライヴを初めて観る共演者も多いと思うので、みんなに〈今のテレフォンズもカッコいいな〉って思わせるライヴができたらいいですね」
金井「僕はもう焼野原にして帰るだけですよ」
はい(笑)。
金井「やっぱ長いこと同じ会社で青春を共にして来た人たちと、久々に一緒の時間を過ごすことになるから、そういうのもすべて想像した上でステージには立ちたいと思っていて。普段は、自分がセットリストを作ってメンバーに持っていって『どう?』って聞くことが多いんですけど、UKFCに関しては、他のメンバーに『今何考えてる?』って聞くところから始めようかなと思っていて。そういうことって自分の中ではあんまりないことなんですけど」

今回のUKFCのセトリに関しては、他のメンバーの意見も取り入れたものになりそうだと。
金井「それぐらいUKFCに関しては、何か特別なものを乗せるという気持ちとしてはすごくある。改めてUKプロジェクトであったり、UKFCに教わったことを自分たちなりの形で提示したいなっていうか。その上で、いい曲書いてステージ上でいい演奏をして、いい歌を唄う。ミュージシャンなんてそれでよくない?と思ってるので、それをちゃんと提示できたらいいなと」
それぞれどんなセトリ、どんなライヴを見せてくれるのか楽しみです!
石毛「このメンツが集まるフェスやイベントは、そうそうないと思うし、これまでのUKFCを知ってる人はもちろん、メンツだけ見て面白そうじゃんって思った人も気軽に遊びに来てほしいなって思います」
金井「たぶんこのラインナップが揃うのって、この先5年、10年はないと思うんですよね。僕らもそうだけど、UKから出たバンドもいて。15周年という特別なタイミングだからこそ呼んでもらったと思ってるし、恩返したいから今回参加させてもらうわけで。だから次に僕らが呼ばれるまでは、それなりの時間があると思うんです」
また来年も出ます、とかなったら独立した意味もないですし。
金井「そうそう。だから、たぶん距離感としては、たまに邂逅するっていうのが正しいと思うんですよ。じゃなかったら、離れた意味はなんですか?っていうことにもなるんで。なので、今回を見逃すと、少なくとも5年はないぞ、見逃すなよ、というのは言っておこうかな(笑)」
文=平林道子
撮影=森川英里

〈UKFC on the Road 2025‐15th ANNIVERSARY‐〉
会場:Zepp Haneda (TOKYO) ※2ステージ制
2025年8月9日(土) open 12:00 / start 13:00 ※SOLD OUT
出演:Age Factory / ART-SCHOOL / the dadadadys / Helsinki Lambda Club/ the myeahns / syrup16g / からあげ弁当 / 椿屋四重奏2025 / ペルシカリア
2025年8月10日(日) open 12:00 / start 12:30
出演:[Alexandros] / Are Square / BIGMAMA / LAYRUS LOOP / The Novembers / POLYSICS / the telephones / TOTALFAT / the shes gone/ WurtS / 銀杏BOYZ(弾き語り) / ライティライト
*銀杏BOYZは峯田和伸、加藤綾太の2人編成での出演になります。
Ticket 前売 6,600円(Drink代別)
学割 ※当日1,000円キャッシュバックあり
一般発売(8/10の公演のみ) http://eplus.jp/ukfc/