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INTERVIEW
  • #百々和宏

百々和宏と69ersによる初の音源が完成。誰かの不在を感じさせる名曲が誕生したその裏側

text by 金光裕史

2023年の9月から、百々和宏は有江嘉典(VOLA&THE ORIENTAL MACHINE)とクハラカズユキ(The Birthday、うつみようこ&YOKOLOCO BAND、M.J.Q、OHIO101)の2人とツアーを共にし、百々和宏と69ers(シックスナイナーズ)として活動を始めている。それは知っていた。しかし百々ソロが発展したこのスタイルは基本、呑みながらゆるゆるとお客さんと楽しみ、時に泥酔。それが嫌いなわけじゃないが、いいメンバー揃ってんだからちゃんとやりなさいよ、とずっと思っていた。そしてこの2年はいろんなことがあり……2月のある日、ふと百々からショートメール。添付されてたのは新曲「ロックンロールハート(オーバー&オーバーアゲイン)」。3人による初の音源。聴いて、すぐ取材(という名の呑み)を決めた。自分の心から何かが抜け落ちた、その感傷がメロディと歌詞になった名曲である。その曲を引っ提げ、百々和宏と69ersは現在ツアー中。

(これは音楽と人2025年4月号に掲載された記事を一部改編したものです)



そもそもこの3人がバンドを組むきっかけは?


「バンド、って言っていいのかどうかまだわからんけど、始まりは、有江くんとふたりでツアー廻ろっかって話をしてた頃、チバさん(チバユウスケ)が病気になって、バースディのツアーが全部白紙になったの。で、たまたまその時期に、キュウちゃん(クハラカズユキ)とサシ飲みしてたら、ツアーが白紙になって暇でしょうがない、と嘆くから、じゃあこの話に乗っかる?って話したことからかな」


そしたら?


「『私でいいんですか?』って。先輩なのに(笑)。で、やることになったんだけど、それまでの俺のソロって、各会場でお客さんと呑んで、ゆるゆる楽しいひと時を過ごしましょう、ってノリが強いっちゃ強かったのよ。そこにキュウちゃんが加わって、ちょっと俺の中で意識が変わって」


先日のライヴもあなた、かなり泥酔モードでしたからね。


「あれが通常営業(笑)。だからもうちょっとちゃんとやろうと薄々考えていて、その第1歩として音源は作るつもりだったの。でも、百々和宏と69ersって名前でやってるから、ソロのイメージが強いし、それで音源出すのもなんとなく申し訳ない。同時にキュウちゃんは、バースディどうすんの?ってタイミングでもあるから、これをバンドとして打ち出すのも、それはそれで気を遣う。一昨年まではウエノさん(ウエノコウジ)ともやってたし、いい歳して、新バンド結成!ってガラでもないしね(笑)」


あんま本気感出すのも小っ恥ずかしい、と。


「そうね。で、音源出すって話には有江くんもキュウちゃんも乗ってきたの。やっぱバンドの熱量がライヴやるたびに上がってきてたから、2人も今のうちに録りたかったんだろうね」


その音源、2曲目、3曲目はなんとなくわかるんですよ。百々ソロのノリというか、ライヴと酒を楽しんで、街から街への旅ガラスみたいな感じ。ただ、これだけだと取材してないと思う。それが1曲目の「ロックンロールハート(オーバー&オーバーアゲイン)」。この曲がヤバかった。


「このモチーフは去年の夏ぐらいからあったのね。これを曲にしたら良くなりそうだなとは思ってた。ただ、ちょっと引っかかったのは、キュウちゃんと一緒にこれを作るとなると、引きずり込むことになるというか……言い方が難しいんだけどさ」


サビのフレーズとか、チバのことを想起させちゃうしね。


「そうでしょ。でもそれがポンって出てきちゃった。あと、さっきも話に出たけど、百々ソロはこういうシリアスでグッと来る曲があまり合わないわけよ」


呑みながらグダグダやってるからね。


「基本、はその体だから。モーサムと真逆に振り切って、バッキバキでやらずに、ゆる~く呑みながら、ベラベラ喋るスタイル。ただキュウちゃんが入ると、めちゃくちゃ本気でドラム叩くからさ(笑)」


バランス取るの苦手だもんね。


「絶対にあの2人と形にしたらいい曲になる。ソロのスタイルも間違いなく変わる。でも、自分の中でなかなかゴーサインが出なくてさ。ずっと悶々としてた。だからあの曲のデモを有江くんとキュウちゃんに聴かせたのは、レコーディングに入る3日前ぐらい(笑)」


急すぎる。


「今回ボツにした曲が1曲あるんだけど、音源はそれを含めた3曲でいいやと思って、そのデモは2人に聴かせてあったの。でもレコーディングエンジニアに、この曲を聴かせてみたら、『絶対この曲は完成させましょう』って返事がきて」


背中を押してほしかったに違いない(笑)。


「それでもなかなか踏ん切りがつかず(笑)、意を決して2人にデモ聴かせたら『これ録ろうよ』って返ってきて、ようやく覚悟を決めたけど、ただ、歌詞が全然書けなかった。これは小手先じゃ駄目だから、素っ裸になって心の襞をさらけ出さないと、と思ったけど、とりあえずレコーディング初日に、ドラムとベースとギターだけ録ったの。でもまだ歌詞書けてないから、俺は家に帰って悩んでたのね。そしたらその夜、キュウちゃんから夜遅くLINEが届いて。ひとりで呑んでたらしいんだけど、そこに〈あの曲、絶対に完成させましょう〉って書いててさ。〈ネバーダイ匹敵の名曲にしたい所存〉とも。これが届いてスイッチ入ったかな」

開店休業状態ではあるけども、まだバンドが続いてるというだけで……よくない?

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