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INTERVIEW
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RYUICHI(LUNA SEA)が東京ドーム公演を前に語る、自身の病気とステージに立ち続ける覚悟

僕自身がジストニアという発声障害を抱えながら、〈ここで何ができるか〉ってことへの覚悟がすごく必要だと思ってる



じゃあ〈LUNA SEA〉としての活動を続けていきたいのは変わらない?


「そうですね。で、それはファンの人たちが決めることだと思うな。ライヴは動員がなかったらやってもしょうがないし。だからそこは〈ファンに委ねていこうかな〉って気持ちですね」


なるほどね。でも何度も言いますけど、本当によく心が折れませんでしたね。


「うん。〈ステージに立つ人生〉と〈ステージを降りる人生〉から選ぶのであれば、前者でしかないし、〈今は、まだ戦えることを全部試してないじゃないか〉という気持ちもあったし、それがまったくなくて、〈全部やったけど無理〉なんだったら……でもたぶん人間だから、無理はないんじゃないかな」


どういう意味?


「やれることは何だってある、って思うようになった。格闘家が無敗のまま引退する、みたいなカッコよさに憧れてた時代もあったけど、今は違う。どちらかと言うと、ちょっと泥臭くてもやれることがあるなら、立ち上がれるならやろう、って」


そんな自分たちを求めている人たちがいるなら、ですね。


「そう。世界にはそういうアーティストはけっこういて。例えば最近、ロッド・スチュワートが好きでよく聴いてるんですけど、ジストニアとはまた違うけど、かなり声が枯れちゃって、昔以上にしゃがれた声になってるんですよ。でも、それで突然ジャズをメインとしたスタンダードナンバーを唄った時に、全米が騒ぐほどのいいアルバムができたり。なんていうか……〈可能性ってやっぱり無限なんじゃないかな〉と」


人間のね。


「オリンピックとかパラリンピックを観ても、どちらにも感動があるし。〈え、この人車椅子なのに、こんなに俊敏に動けるの!?〉みたいなね。例えば、マラソンを走ったら、もっと歌がうまく唄えるならマラソンでも走る(笑)。そのくらい、なんでもやれることがあるんであれば、それをやってみるよって」


今回のツアーの中で印象的なシーンはなにかありましたか?


「自分の中で2つあって。1つはさっき言いかけたけど、僕が発声障害を抱えてて、唄いづらい部分があることもファンの人たちが受け止めてくれて、時にめちゃくちゃ大きな声で、一緒に唄ってくれたこと。嬉しかったし、あれを聴いて、ただ綺麗に楽曲をプレイするだけじゃなく、このバンドのライヴは、完成度だけではいけないんだな、と思って」


熱量だったりそういうものを見せていくバンドなんだ、と。


「あとヴォーカリストとしては、バラードやキャッチーでよく知られた曲よりも、インターミッションの前ぐらいに置かれた〈Claustrophobia〉や〈VIRGIN MARY〉、〈SEARCH FOR REASON〉のような、綺麗に唄うより〈魂のすべてを震わせて吐き出す〉ような歌が、逆に僕の救いになっていたな、って」


つまり、綺麗に唄えなくても、感情で表現できたというか。


「いつも思うんですよ。例えば風邪をひいてね、声が枯れたと。明後日はライヴ。風邪の症状は引いたけど、声枯れが戻んない。そうすると、当然怖くもなるし、萎縮してしまう。その時に、〈サビはもしかしたらうまく唄えないかもしれないけど、平歌のAメロ、Bメロのサビに向かうところまでは、どのライヴよりも完璧に唄ってみせる。唄えるはずだ!〉って」


なるほどね。


「だから、その日が自分の中で仮に60点だとして、〈やばいな60点か……せめて85点ぐらい出したいのに〉とか思って、60点に腐ると60点も出ないんですよ。60点を受け入れて、その中で自分が楽しまないと、観てる人も誰も楽しめない」


なるほど。〈60点だった……〉って頭抱えるんじゃなくて。


「〈今日はもう62点まで振り切った!〉みたいなことでもいいわけで。そういうのが、さっき言ったインターミッション前の曲で、自分も〈え、今の声なんだろう? 今の声出せたんだ〉って思ったし、その曲が終わって、インターミッションに繋がる時の声援や拍手が、すごく背中を支えてくれた」


バンド内も、ファンとの関係も、いろいろ変化しましたね。いい意味で。


「〈終幕〉前のツアーだったら、仮に40本のツアーがあったとして、僕の喉の調子が悪かったら『いやいや、自分の陣地は自分で責任持ってね』『ちょっと気合いが足んないんじゃない?』って感じだったと思う(笑)。でも、ライヴで100点ってなかなか難しいわけで。徐々に、〈41本、どうやって全通するか〉みたいな(笑)、そういう考えが大人になってメンバーの中でも芽生えたんじゃないかなって」


つまり、それが大事だなってことですよね。


「昔だと『やっちまえばいいんだ!』で、さらに『呑んでしまえばいい!』だった(笑)。20代の頃は朝の3時まで呑んで、みんなで『今日、あの曲がうまく唄えなかった』『それはきっと気合いが足んないからだ』って話をしながら、『一気! 一気!』ってビール呑んでましたから(笑)」


これからのLUNA SEAをどんなバンドにしていきたいですか?


「この先決して〈手を抜く〉なんてことができるメンバーではないんで、ゆるくやるのは無理だと思うんですけど。いつもこの〈自分の気持ち〉という法律というか、バイブルというか、そういう〈信じるもの〉は大事にしたい。そして、5人の気持ちがぶつかり合ったり、重なり合った時に、これから先の〈LUNA SEAの道のり〉が見えてくるだろうし。そう考えたらまずドームがね、〈すごいことがやれたね!〉ってなったらいいな」


〈ヴォーカルすごかったじゃん!〉って思われるようなものになるといいですよね。


「いや、やっぱり〈LUNA SEA〉というスタッフも含めたファミリーが、『すごいことやったね!』って微笑み合えるというか、お互いを認め合えることがすごく大事なので。まずそこかな。〈ずっと続けていくバンド〉だと思いながらも、最初にライヴをやった1989年、90年あたりの結成当時は、明日なにやってるかなんてわからなかったわけですよ。まあ、明日ぐらいはわかったとしても、2年後は何やってるかわからない。だから、そういう気持ちで、ドームで何ができるか、に向き合ってます」


そうですね。だからこそ、〈ドーム終わったら1年休んで、2年後にこれやりましょう〉みたいな予定すら、ちゃんと立ててないですもんね?


「メンバーは一切何も考えてないんですよ。ただ僕らの中では、久しぶりのドームでもあるし、僕自身がジストニアという発声障害を抱えながら、〈ここで何ができるか〉ってことへの覚悟がすごく必要だと思ってるんで。これを乗り越えたら、新しい景色がたくさん見えてくるんじゃないかなと」


絶対そうでしょうね。


「バンドを始めた頃なんてまったくそんなことはわかんなかったし、考えもしなかったけど、今は〈観てくれた人たちの人生と寄り添ってる〉ってめちゃくちゃ強く感じるんですよ。その気持ちは、これからも大事にしたいですね」


文=金光裕史





〈The Millennium Eve 2025 LUNA SEA|GLAY〉
2月22日(土)東京ドーム
開場16:00|開演18:00


〈LUNA SEA 35th ANNIVERSARY TOUR ERA TO ERA -THE FINAL EPISODE-
LUNATIC TOKYO 2025 -黒服限定GIG-〉

2月23日(日・祝)東京ドーム
開場15:00|開演17:00


LUNA SEA オフィシャルサイト

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