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INTERVIEW
  • #9mm Parabellum Bullet
  • #アーカイヴ

【特集】9mm Parabellum Bullet 20th × 音楽と人|AL『Waltz on Life Line』(2016年5月号)

text by 音楽と人編集部


2024年に結成20周年を迎えた9mm Parabellum Bullet。彼らの記念すべき節目にあたり、〈9mm Parabellum Bullet 20th × 音楽と人〉と題し、これまでに発表されたアルバムに関する記事を順次公開していく特別企画。今回は、メンバー4人それぞれが楽曲を持ち寄って制作された6thアルバム『Waltz on Life Line』のリリース時に行われたインタビューをお届けします。9mmの歴史の中でも特異な立ち位置となった本作について、バンドを代表してフロントマンの菅原卓郎が語ります。


(これは『音楽と人』2016年5月号に掲載された記事です)


3年ぶりとなる6枚目のオリジナルアルバム、『Waltz on Life Line』が4月27日にリリースされる。自主レーベル〈Sazanga Records〉を立ち上げて作り上げたこの作品は、〈クアトロA-Sideシングル〉として話題となった、メンバー4人それぞれが曲を提供するという、前作で見せたバンドの新たなあり方をより強力に推し進めたものだ。個々が楽曲を作り、楽曲制作者がイニシアチブを取りレコーディングを行うというやり方である。10年でやりきったこと、失ったものがある。新たなやり方で得られたもの、見いだせる未来がある。とても痛快。でも暗い、苦い。だからこそ最高にカッコいいロックアルバム。9mmの新章について、菅原卓郎と語り合った。



あなたとコロムビアでお会いすることになるとは。


「ははははは。何が起こるかわからないものですね」


わからないものですね。みずからのレーベルを作って、かつ、TRIADという日本のロック好きならば忘れることのできないレーベルとタッグを組むというのもなかなか感慨深いものがございます。そもそも事務所もそうですが、自分たちでレーベルも立ち上げた。これはなるべくしてなったのか、そうしたくてしたのか、どっちだったんですか?


「ずっと9周年だ10周年だっていうところでバタバタしてたんですけど、ここから先は、バンドにとっていいほうにいいほうにっていうか。バンドの温度が下がんないようにっていう方向に向かっていこうとしたらこうなった、って感じですかね。そこでTRIADのほうも熱烈に『9㎜と仕事したい!』ってアプローチしてきてくれて」


それ、嬉しくないですか?


「嬉しいですよ、そりゃ」


そりゃだってねえ、TRIADってご存知の通りで。


「そう、ご存知の通り、俺たちしょっちゅうインタビューで言ってきましたからね。イエロー・モンキーだ、ミッシェルだ、と」


で、こうしていい流れが作れてるからこそ思うんだけど、やっぱりバンドのあり方を変える必要があったんだろうと。


「ただ、その感じも自然な流れっていうか。滝(善充/ギター)が怪我して動けなくて、だったらいっそのこと4人それぞれが曲作ってきてっていう。それは前のシングルの時にやってたことなんですけど、今回のアルバムもその延長ですかね」


アルバムも初手からそのやり方で行こうと?


「ですね。シングルが完成したぐらいで、曲のストックもいっぱいあったし、アルバムもこの流れできっと行けるだろうって」


とうとうここまで来たか、と思います。アルバムで1、2曲、他のメンバーが曲を書いたりとかはあったけど、この前のシングルからさらに、このレベルまで来たかっていう。


「これで滝が歌詞書いてたら、カードは全部切ったっていう状態になりますよね」


残ってるのは、そこくらいですよね。それはもう、UNOの新カード登場レベルですね(笑)。


「(笑)ま、それはよっぽどじゃないかぎり、ないと思うけど」


ただ、このやり方は大正解だったと思いますよ。


「次の作品もこの規模でこの感じでやれってなったら、まとめんの大変だったから考えようってなるかもしれない(笑)。これはバンドが1回止まって、ライヴしないで曲作りだけって状態にしたからこそ、全員がこれだけ曲を持ち寄ることができたと思うし」


2014年の末ですよね。あらためて聞きますけど、あれは止めたの? 止まったの?


「両方、かな。まあ、止めたって宣言するほどのことでもないけど、ライヴしないだけだから。でも、昨年の作業期間っていうのは、実際、滝の怪我という状況もあったし、自分たちでしっかり曲を作る期間っていうのを体験したいって気持ちもあったから、両方ですよね」


編集長のライヴレポートや以前のインタビューでも触れましたけど、2014年12月の新木場、あのライヴでこのバンドが一つの臨界点に達してしまったんじゃないか、と。


「言ってましたね」


あれほどの凄まじいライヴをしておきながら、メンバーがちっとも晴れ晴れとした表情じゃなかったっていうのが印象に残ってるんですよ。


「はははは。疲れてたんじゃないですかね。滝も怪我してたし」


そうなんですよね。ただ、今このニューアルバムを踏まえると、あの時〈俺たちここまでやれることやってしまったな、もうできないな、次からもっと新しいことやってかないといけないんだな〉って思ってたんだなって。


「でも……そうだったんだと思います。できることをとにかくやろうってことしか9㎜は考えてないから。何かのヴィジョンを持って進むっていうよりは、なんとなくいい方向に行きそうなことを全力でやろうっていう。だからはっきり自覚してたわけじゃないけど、行き詰まってるところがやっぱりあって。このままやってたら苦しいだけだなとか」


だってあの頃、怖いくらいカッコいいライヴやってるのにみんな浮かない顔してるから。


「ふふふふふ」


でも全員が曲作りをするっていうところで、それぞれの9㎜ってものを再度突き詰められた感じですかね。


「突き詰めようと思ってはじめたことじゃないんですけど、でき上がったものを聴いたら、それぞれがバンドに足りないって思ってるものとか、それぞれが9㎜に対してクリエイティビティをちゃんと発揮してるものが揃う結果になりました」


この10年の蓄積があったから、各自が曲を作って持ち寄るやり方が可能になったんでしょうね。


「そうですね。かみじょうくん(かみじょうちひろ/ドラム)なり和彦(中村和彦/ベース)なり、俺たち3人が、自分たちの曲のときは、プロデューサーっていうか、イニシアチヴを取るカタチでレコーディングをしたんです。それまでももちろん現場でみんなでやってきたこととはいえ、イニシアチヴを取るとなると初心者みたいなところがやっぱりあるじゃないですか」


そのへんはやっぱり滝さんがメイン。


「うん、やっぱり滝の存在は大きい。でも、そこにも新しい風を入れてるところなんだと思う」


バンドの最初からこのやり方はできなかったでしょうね。


「最初からは無理ですね。最初からこれでやろうとしたら、本当によくわかんないバンドになってたと思う(笑)。これができるのって、自分たちが自分たちのことを信頼してるからっていう面が大きいと思うんですよね。どんな曲をやってもカタチにしてくれるぞっていう信頼感とか、バンドの音っていうのが明確にあるから、とにかくそこにいろんなものを放り込んで鳴らしてみてから考えてもいいなとか、信頼があるんですよ。そうじゃなきゃできないかな。入れ物を、ある程度自分たちで作ることができたから」


だからこのアルバム、個々の色はあるんですけど、とっ散らかってないんですよね。


「俺は〈とっ散らかってしまった、大変だ〉ってずっと思ってたんですけど(笑)、でもいざ完成したら、〈ああ、みなさん本当ありがとうございます〉って(笑)。メンバーなり、スタッフ陣なり、エンジニアさんなり」


ふふふふ。


「こういうバリエーションがあるからこそ、どこが9㎜なのかっていうのを、どう打ち出すかっていうところに自然とみんな目を向けるようになってたんだと思う」

失くしちゃってるものとか、どうしても欲しいものとかを考えた時に生まれてくる気持ちが曲になってる

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