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INTERVIEW
  • #9mm Parabellum Bullet
  • #アーカイヴ

【特集】9mm Parabellum Bullet 20th × 音楽と人|AL『Movement』(2011年6月号)

text by 金光裕史


2024年に結成20周年を迎えた9mm Parabellum Bullet。彼らの記念すべき節目にあたり、〈9mm Parabellum Bullet 20th × 音楽と人〉と題し、これまでに発表されたアルバムに関する記事を順次公開していく特別企画。今回は、4枚目となるアルバム『Movement』のリリースに先駆けて行なわれた菅原卓郎へのインタビューをお届けします。


また現在発売中の『音楽と人2024年12月号』では、バックカバー&巻末にて9mm Parabellum Bulletを特集! 最新アルバム『YOU NEED FREEDOM TO BE YOU』と〈9mmの20年〉について、メンバーそれぞれがじっくりと語っています。ぜひ誌面にてご確認ください。


(これは『音楽と人』2011年6月号に掲載された記事です)


9mm、ついにアルバム完成!
5月18日のサード・シングル「新しい光」。6月15日リリースの4枚目のアルバム『Movement』。そして横浜アリーナで6月25日に行われるワンマンライヴ〈Movement YOKOHAMA〉と、3連コンボで畳み掛けるような怒涛のリリース&ライヴが決まっている。
まず「新しい光」だが、〈新しい光の中に 君を連れて行くのさ〉というフレーズが印象的なナンバー。〈光〉というモチーフを彼らは、まだ見ぬ方向へ誘うものとして捉えているようだ。それを一概にどのようなものと言い切るのは難しいが、ここではないどこかへ向かっていく、その決意……いや、自分たちの性、が形になったように思える。前と同じではいたくない。もっと違う場所を目指していく覚悟、とでも言おうか。そしてカップリングの「Bone To Love You」。タイトルにはユーモアも混じってはいるが、骨だけになっても何かを求め続けている自分たち、というのは、まさにメンバー自身の姿と重なってくる。
そう、彼らは答えが見えないまま、ただひたすらにもがきながら、ここではないどこか、を目指しているのだ。それはあの、身体を限界まで酷使しながら演奏するライヴを見ればわかるはずだ。ギリギリまで燃やし尽くしたその先に、何かがあるはずだと信じているからあそこまでやりきる。
そのテンションは、今もまったく変わらない。しかしアルバムも4枚目。いつももっと上を目指してきた彼らは、まったく迷いはないものの、肉体的な限界からその実感を感じ取るだけではなく、より音楽的な、精神的な充足を求めつつあるのではないだろうか。
その一つの形となったのがアルバム『Movement』なのだろう。どこかへ移動してる途中、という意味らしいが、それはまさに彼らの今を体現している。ずっとこの途中が続いていくんだと、彼らは知ったのかもしれない。そしてこの11曲は、歌詞もそうだが、明らかにサウンドの幅が広がっていた。経験してきたことが、〈ここまでやっていいんじゃないか〉と、バンドの懐をさらに深くした。そしてそれがこの名盤につながった。
彼らはつねに新しいものを追い求め、今とは違う何かを、そしてここではないどこかを目指してきた。その、つねに革新であろうとする背景を菅原卓郎に聞いた。



対バンツアー、すごかったですね! SPECIAL OTHERS、10-FEET、BRAHMANと、各地で濃いバンドと完全シークレットでやったわけですけど。


「3バンドとも全然違う登場の仕方で。シークレットも喜んでやっていただけたので、楽しかったし、緊張もしました。ゲストバンドの本番終了まで楽屋入口にも、ゲストバンドとしか書いてなくて。メンバーが本番終わってから楽屋に戻るとバンド名に差し替えて(笑)」


徹底してますね(笑)。


「あと震災直後だったからか、客席の雰囲気に、いつもと違った感覚を受けました。東京と名古屋と大阪の3ヵ所だったけど、その前にライヴが何本か中止や延期になってたから。僕らが廻った4月上旬は、みんながライヴを待ってる感じがしました。熱気というか、待ってた感じがすごく伝わってきた。ライヴを観たい、盛り上がりたいって空気がすごかったですね」


震災の話が出ましたけど、あのあと菅原くんは、どんな気持ちで音楽に向かいましたか。


「うーん……言葉にするのは難しいんですけど、手の届く範囲で、やれることをちゃんとやろうと思いました。状況をしっかり把握した上で、できるライヴはやっていこうと」


うん。


「俺らはバンドだから。日常だけじゃなく、ライヴすら縮こまっちゃいけないな、と。その上で、困っている人たちに向けて、自分たちのできることを目一杯やんないと。うちはメンバーも実家が被災地のほうだから、みんなですごく話したんですよ。それこそ現地に行って少しでも力になろうって話も出たし。でもその頃、アルバムを作ってる真っ最中で。それを放り出して、そっちをやるのか?と聞かれたら、それは絶対違うと思ったから。じゃあ、チャリティーのための曲を作るかと言われたら、それもちょっと違う気がして。そういうアイディアじゃなくて、同じ国に住んでる人間として、被災地の人たちが悲しんでいるんだったら、自分は何ができるんだ、ってことを考えました。だからまず俺たちは、俺たちの仕事をやろう、やるべきことをちゃんとやろう、って。それで間違ってないと思った」


これから自分が生み出すものに、そこから影響された部分が出てくると思う?


「思うけど、それだと本筋からズレちゃうというか。そのことを忘れないのはもちろんですけど、それとは別のところで力があるものを生み出していくべきかなと。でも、どうしても今までの価値観じゃ計れない、変わっちゃったところはあるから。自然と、それが滲み出てくるんじゃないかな」


確かにね。


「こないだイベントに出たんですよ。(さいたま)スーパーアリーナと日比谷野音で。そしたら、そこでライヴをやってる人たちが、前よりも優しい感じがしたんですよね。どんな音楽をやってても、なんか優しい感じがするなと思って観てた。それは会場にいる人たちが、〈俺たちを盛り上げてくれ〉って思ってるところもあるだろうし、逆にこっちもライヴをやれる喜びを実感してるところもあるだろうし」


優しい感じ、ってどんなものなのだろうか。


「みんな、前よりもちゃんとやってることを届けようとしてる、ってことなんじゃないかな。もちろん前だってそう思ってただろうけど、より逼迫してるというか、やらないとな、って。そうやって演奏する人たちが感じてたことが、雰囲気に出てた気がします」


書いた時期は違いますけど、「新しい光」にも、それを感じる部分がありますけどね。


「この曲は、歌詞を何回も書き直してたんです。にっちもさっちもいかなくて、滝(善充/ギター)もメロディを作ってて同じようなことになってて(笑)。『こいつは答えが見えづらい曲だね』『何をしてほしいかわかんないね』って話してました」


なかなか曲が呼んでくれない、と。


「うん。でもこれは素直に書くしかない、って切り替わった瞬間があって。それまではわりと暗い歌詞だったんですけど、〈新しい光〉って言葉がすっと入ってきて……素直に向き合った結果が〈新しい光〉の歌詞とかメロディだってことになるんでしょうね」


なんかいいこと言おうとするとダメだと。


「うん。素直な気持ちで書こうと思った時から比べたら、確かになんか上手いこと言おうとしてた。小手先な感じがした」


で、素直に出したらこういう言葉が出てきて。


「うん。ただ、新しい光を感じる曲だな、って。それが何色だとかは、人それぞれだけど……あ、この曲で言うなら、光があるとなんとなく方向がわかるっていうか、そういうイメージかな」


あぁ、射してくれるっていうか。


「真っ暗だと、ここにテーブルがあっても気づかないかもしれないけど、光が少しでもあったら、あっちにはどうやら何かあるみたいだ、って感じるというか。色とか眩しいとかとはまた違うのかな」


かもしれないですね。


「むしろ〈光〉っていうより、〈新しい〉って言葉のほうが強いというか……同じ状態になってないようにしよう、って気持ちです。なんか、その時々に新しいと感じるものをしたい。前と似てるけど、これなんか違うなって身体と心が感じるものをやりたい」


それは完成したアルバムもそうだし。


「うん、毎回そうですね」


それは、サウンドを変えたらいいとか、そういう問題とはまた違う?


「いや、僕らは、まずサウンドを変えなきゃ気持ちも変わらないから。自分が新しいと思える音とかフレーズがないと、気持ちも上がらないし。同じまんまじゃいかんから、もっと楽しくしたいっていう気持ちです。俺だけかもしれないけど、このままじゃいかんって、いつも思ってるというか」


なるほどね。


「でも、はっきりした目標は全然なくて。ただ、自分ができることよりも、さらに上にもっといい部分があって。それが当たり前にあると思えるというか。だからもっと楽しく弾きたいとか、もっとうまく唄いたいとか、そういう欲が尽きることがないんですよね」

今回は、その曲ごとに素直に向き合わなきゃいけなかった。だから聴いたら、なんか素直だなあ、って思うんじゃないかな(笑)

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