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INTERVIEW
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【短期連載】a flood of circle、佐々木が15年目にしてたどり着いた境地と新曲に込めた思い

text by 金光裕史

満員御礼となった日比谷野外大音楽堂でのライヴでデビュー15周年イヤーを締めくくったa flood of circle。約10年ぶり2度目となる野音ワンマンは、3時間超え全32曲と、これまでのバンドの歩みをしっかりと刻みつけるものとなった。そこで野音ライヴを終えた4人それぞれにインタビューを敢行。11月にはニューアルバムのリリースも控える彼らの〈今〉を捉えるべく、短期集中インタンビュー連載をここにお届けします。トップバッターは、フロントマンの佐々木亮介。野音で初披露された新曲「虫けらの詩」や現在制作中のアルバムのこと、そして次なる目標である武道館ライヴへの思いなど、正直な言葉で今の率直な気持ちを語ります。




野音、いいライヴでした。


「売り切れたことは素直に嬉しかったです」


30曲以上やるなんて思わなかった。


「俺も(笑)。とにかくかましてやろうと思ってたんですよ。チケットが即完しなくて、伸び悩んでいたので、観に来なかったヤツを後悔させるくらいのことをしたくて。ピアノもそう。最初、グランドピアノは野音に搬入できないかもしれないから『エレピでいい?』ってスタッフに言われたけど、それじゃ意味がないって突っぱねた(笑)」

■


セットリストは、デビューから今まで、時代を追っていく構成になってましたね。


「30曲以上やるって言っちゃったのと(笑)、デビュー15周年のライヴでもあるから、まず15年前の曲をやったほうがいいかな、って。これは自分の嫌いな真面目さなんですけど(笑)、まず1曲目にデビュー曲の〈Buffalo Dance〉をやることに決めたんです。そこから考えて、シンプルなセットリストにしようとしたら、結果的に15年の歩みを追うような曲順になりましたね」


10年前の野音のこと、覚えてましたか?


「当時のセットリストを確認したけど、細かいことは全然覚えてなかった(笑)。でもあのあと、ギターが曽根さん(曽根巧)からDuranになって、そのあと事務所がなくなって、会社立ち上げるわけだから、あの野音でいろいろ終わった感覚があるんですよ。だから10年前の野音は、動員とか含めて単純に悔しい。それは覚えてた」


いい思い出は消え去っていく、と。


「そうなんですよ。最近〈Flashlight & Flashback〉(セカンドアルバム『PARADOX PARADE』収録/2009年作)の歌詞がすごくしっくりくるんですよね。あれは、岡ちゃん(岡庭匡志/初代ギター。2009年脱退)がいなくなったあと、淳治さん(いしわたり淳治)と一緒に歌詞を書いてて。思い出をどう捉えているか、どんなことを覚えてるか、って話をしたんですよ。そこで淳治さんは、『いいことばかり覚えてる』って言うんですけど、俺は後悔したことばっかりで(笑)。だからこういう歌詞になったんですけど、今聴き直して、ゾッとしました。俺、何も変わってないんだ、って(笑)」


はははは。


「でもちょっと安心もしたかな。ここまで、〈変わろう、変わろう〉と思って懸命にやってきたけど、最近は、変われない部分でしか勝負できない、って思ってるんですよ。野音も売り切れたんだから素直に喜んでりゃいいのに、満足感や達成感が全然ない(笑)。〈ありがとう〉って気持ちと〈でも15周年で野音だからみんな来てくれたんだよな〉っていう卑屈な気持ちが、行ったり来たりしてる(笑)」


最近のMCはそういう部分が出ることも多いですよね。


「ボケで言ってるところもあるから、笑ってほしいんですけどね」


佐々木が言うと、そう聞こえないんだよな(笑)。


「ははははは。まあ、ここ最近のテンションが出てるのは確かですね。俺、生まれ持ってのロックスター気質じゃないし、かといって、完全に自分をプロデュースして見せられているわけでもない。売れたいし、人に好かれたいけど、MCであんまりそれを出したくもない。中途半端。だったらもうそれを出すしかないよな、って」


でもそれ、悪いことじゃないと思う。


「そうなんですよ。ここ最近、あまりポジティヴになれてないから、そうなるのは当然で。曲もそう。3月に事務所のことでゴタゴタがあって。その気持ちのまま曲作り始めて、今をそのまま書こうと思って。それで〈虫けらの詩〉ができた」


その「虫けらの詩」は、レコーディングスタジオじゃなく、キャンプ場のコテージに機材を持ち込んで録ったんですよね。


「まず、めちゃくちゃ落ち込んでたわけですよ。事務所がゴタゴタしたのも、〈やっぱ俺がダメなんだな〉と思って。そうやって自己否定が強くなると、メンバーが愛おしくなってくる(笑)。それで、〈じゃあ、次どう録るか?〉って考えた時、スタジオで普通のレコーディングをするより、環境が整ってない、ちょっと不便な場所でやることで、バンドへの意識が高まると思ったし、同じ経験をみんなと一緒にしたかった」


それで機材のことも含め、ディレクションを勲さん(高野勲/キーボード)にお願いした、と。


「そうです。そのキャンプ場、めちゃくちゃ広くて。周囲に何もないから、夜まで爆音を出しても大丈夫なんですよ。そんな環境で、メンバーと朝から晩まで一緒にいて、曲を作っていくのはすごくよかった。メンバーは最初、〈なんでキャンプ場?〉って訝しんでたかもしれないけど、準備していくうちに、意図をだんだんわかってくれた気がしてます」


そうですね。


「なんかね、最初、事務所がゴタゴタして――結局、今も同じスタッフと一緒にやってますけど――俺、スタッフ相手にバンドやってるわけじゃなくて、まず4人だよな、ってことを強制的に確認させられたんですよね。極端な話、4人が納得してバンドやれるなら、誰とやってもいいんですよ。それが間違ってないことを、レコーディングやライヴで確かめようとしてますね。15年目で(笑)」

俺みたいな普通のヤツは、ロックンロールをやる資格はないのかもしれない。だから革ジャンとこの声で、資格があるふうに振る舞うしかない

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