■いざ、入店!
メイド「お帰りなさいませ! ご主人様、お嬢様!」
(お店に一歩足を踏み入れた瞬間、メイドさんが次々と声をかけてくれる)
全員「ふははははは」
なんか照れてしまいますね。
岩田「初めての経験です(笑)」
松原「めっちゃ新鮮」
今日我々を案内してくださるのは、みづきんさんというメイドさんです。
みづきん「改めまして、お帰りなさいませ! ご主人様、お嬢様! 長旅お疲れ様でした! 本日ご主人様とお嬢様のご案内人をさせていただきます、プレミアムメイドのみづきんと申します。よろしくお願いします! 本日は皆様にお渡ししたいものがありまして……」
(手渡してくれたのは会員証。一人分ずつ用意してあり、みづきんさんがそれぞれの名前を書いてくれることに)
せっかくなので一人ずつ名前を伝えて、みづきんさんにあだ名をつけてもらいましょうか。
岩田「いいですね」
まずは松原さんから。
松原「僕は有志といいます」
みづきん「有志ご主人様! うーん……じゃあ動物をつけて、ゆうにゃんご主人様はいかがでしょうか!?」
松原「あ、はい。ゆうにゃんで(笑)」
じゃあ次は上野さん。
上野「自分で決めてもいいんですか?」
松原&岩田「ははははは!」
なんか挑戦的(笑)。
みづきん「ぜひお願いします!」
上野「ゆうにゃんが来たので、僕はさるへいで」
みづきん「わあ、なんだかすごく古風なお名前ですね!」
上野「普段からよく猿っぽいって言われるので」
みづきん「今までいろんなご主人様にお会いしてきましたが、そのお名前は初めてです!」
史上初(笑)。
岩田「ええなあ(笑)」
みづきん「では書かせていただきますね! さ、る、へ、え……と」
上野「あっ……」
みづきん「え、何か間違えましたか!?」
上野「〈え〉じゃなくて〈い〉のつもりだったんですけど、大丈夫です(笑)。いいアレンジになってます」
みづきん「やだ〜本当にすみません〜! 私、実は〈ほっとけない村〉の住人で、よく些細なミスをしちゃうんです(笑)」
松原「はははは。でも〈へえ〉のほうがなんか可愛い」
これはこれでいいと思います。では、最後に岩田さん。
岩田「僕は栄秀なので……」
みづきん「よしひでご主人様ですか!? それだけでご主人様味が強いですね!」
松原「たしかに。一人だけこのままでもいいかも(笑)」
岩田「え、よしりんとかじゃなくて大丈夫?」
上野「うん。このままのほうが面白い」
ちなみに、プレミアムというのは一つの階級なんでしょうか?
みづきん「はい! メイドの中にもレジェンドメイド、スーパープレミアムメイド、プレミアムメイドがございまして。妖精さんに認めてもらうと、優れたメイドの証としてこういった称号をいただくことができます!」
松原「見習いメイドから正メイドになっただけじゃ終わらないんですね」
岩田「すごいな……」
(一通りメイドさんやお店の説明をしてもらい、フードメニューを眺める)
メイドカフェだけあってすごいですね。オムライスにケチャップで絵を描いてくれるみたいです。
松原「ほんまや」
岩田「すごい。よくテレビとかで見るやつ」
皆さん何にしますか?
岩田「あんまりお腹空いてないんですよね……僕はこのミックスジュース(『ふりふりしゃかしゃか♪みっくすじゅーちゅ』)で」
松原「僕もそんなに空いてないので、抹茶ラテ(『メイドがお絵かき♪あいちゅ抹茶ラテ』)にします」
あの、カフェでの取材前にお腹満たしてくるのやめてもらえます?(笑)。
全員「はははは!」
上野「僕はメイドさんとの記念撮影付きのドリンクコースで」
全員「おお!」
みづきん「わあ、ありがとうございます! お飲み物はどうしますか?」
上野「あ、ルイボスティーで」
岩田「そこはシンプルやな(笑)」
(ソングバーズはドリンク、編集・宇佐美は映えを気にして『ぴぴよぴよぴよ♪ひよこさんライス』を頼むことに)
松原さんが頼んだ抹茶ラテは、みづきんさんが似顔絵を描いてくれるみたいですね。
松原「楽しみですね」
まさか上野さんが記念撮影付きを頼むとは。最初に話していたメイドさんへの苦手意識はなくなっていそうですが。
上野「むしろ、サービスが行き届きまくっていて感動しました」
松原&岩田「ははははは!」
みづきん「あ、記念撮影をされる時はメイドをお選びいただけます!」
みづきん「階級によって値段が変わってきてしまうんですけど」
上野「そうなんですね。でも、みづきんさん以外って選びにくい……(笑)」
たしかに。楽しくやり取りしていたのに、いきなり崖から突き落とすようなことはできないですね(笑)。
上野「みづきんさんでお願いします!」
みづきん「いいんですか!? ありがとうございます〜!」
松原「プロフィールに〈好きなもの〉を書いてるメイドさんが多いんですけど、みづきんさんが好きなものは何ですか?」
みづきん「ええ〜! 萌え萌えな感じじゃなくて恥ずかしいんですけど……週1でサウナに行くのが好きです」
全員「ははははは!」
(十数分後)
みづきん「お待たせいたしました! まずは『ふりふりしゃかしゃか♪みっくすじゅーちゅ』です! ご主人様の飲み物に萌えパワーが貯まるように、一緒にふりふりしましょう! せーのっ、ふりふり!」
全員「ふ、ふりふり……」
みづきん「しゃかしゃか!」
全員「しゃかしゃか」
みづきん「萌え萌え!」
全員「萌え萌え」
みづきん「きゅんきゅん!」
全員「きゅんきゅん」
みづきん「どきどき!」
全員「どきどき」
みづきん「わくわく!」
全員「わくわく」
みづきん「にゃんにゃん!」
全員「にゃんにゃん」
みづきん「ぴょんぴょん!」
全員「ぴょんぴょん」
みづきん「美味しくなあれ!」
全員「美味しくなあれ!」
みづきん「萌え萌え〜!」
全員「萌え萌え〜!」
みづきん「わあ、皆さんバッチリです! ありがとうございます〜!」
松原「バンド名も入れてもらおうかなと思ったけど、さすがに難しいですよね」
そもそも顔3つ描くのが難易度高そう!
みづきん「ちなみに〈The Songbards〉というお名前の由来は何ですか?」
岩田「さるへえさん、説明を」
上野「(笑)〈Songbird〉は鳴いてる鳥っていう意味なんですけど、〈bird〉の〈i〉を〈a〉に変えると、吟遊詩人っていう意味になるんです。僕らも鳥の鳴き声みたいに心地いい歌でありながら、ちゃんとメッセージを込めて唄っていきたいって思いからつけました」
みづきん「聴いてくれる人に寄り添うような曲というか」
上野「そうですね」
みづきん「え〜素敵! 私たちもご主人様やお嬢様の日常に寄り添うことで、皆様の毎日をハッピーにできたらいいなって思いながらお給仕をしていまして」
上野「道は違うけど、一緒ですね」
みづきんさんがメイドさんになったきっかけは何なんでしょうか?
みづきん「高校生の頃、アニメが好きな友達がいたんです。夏休みにその子が秋葉原へ遊びに行って、初めてあっとほぉーむカフェにご帰宅しまして。その時のお土産として〈ハピハピ♪モーニング〉というオリジナル曲のCDをもらったんですけど、歌詞が〈ご主人様お目覚めです〉から始まって、なんじゃこりゃ!?って思ったんです。でもその世界観に引き込まれていって、あっとほぉーむカフェのことを調べていくうちに興味が湧いてきて。それから〈hitomiさん〉という、今ではレジェンドメイドにまでなったメイドのパフォーマンス動画とかを見るようになって、私もあっとほぉーむカフェのメイドになってみたいなって憧れが募っていったんです。〈みづきん〉という名前は、hitomiさんの愛称〈ひとみん〉から取っていて、ひとみんみたいにたくさんの人を笑顔にしたいって思いから来ています!」
1枚のCDがきっかけだったんですね。ちなみに、お給仕をする上での苦労ってどんなものがありますか?
みづきん「そうですね……私はプロ野球が好きなんですけど」
岩田「それも意外やな」
みづきん「ここでお給仕するまで、野球場でビールの売り子のバイトをしたり、接客のお仕事はしてきたんですけど、お給仕はやっぱり独特といいますか。何かの商品じゃなくて、日常的な会話で楽しんでもらうためにはどうすればいいんだろうって最初はすごく悩みましたね。人によって求めるものも違いますし」
上野「逆にやりがいを感じる瞬間はどんな時ですか?」
みづきん「今日もそうなんですけど、初めて帰宅してくださったご主人様たちが笑顔になってくれたり、また帰宅してくださった時は嬉しいですね! 昔は秋葉原って少し怖い街ってイメージがあったと思うんです。私がここでお給仕することになった時も周りの人から心配されたんですけど、ここに帰宅してもらうことで、たくさんの人に秋葉原は楽しい街だと思ってもらえることがすごく嬉しいんです!」
そろそろ出かけなければいけない時間ですが、今日はどうでした?
岩田「楽しかったです。みづきんさんが本来の自分と別の人格で働いてるって感じがしなくて、意外と素で向き合ってくれている感じがして。親しみやすくて良かったです」
最初はメイドさんの明るさやパワーに圧倒されちゃうのかな?と思ってたんですけど、みづきんさんがつねに〈どうやったら楽しんでもらえるか〉って考えたり、こちらに寄り添ってくれる方だから、戸惑うことなく楽しめましたね。
岩田「うん。テーマパークに来ている感覚というか」
松原「4人で来てるのに、一人一人を意識して接客してくれたのが僕は嬉しかったですね。それだけ気配りがちゃんとしているというか」
たしかに。さるへえさんは?(笑)。
上野「(笑)苦手意識を持ってた部分って、計算されてるものに対して避けたい気持ちだったんですけど、みづきんさんの場合、接していく中で純粋さを感じたというか」
松原「皓平は〈自分が計算に飲まれてたまるか〉って気持ちもあったんじゃない?」
上野「うん。それはあった」
でも、みづきんさんのお給仕はそういう計算高さを感じなかったと。
上野「そうですね」
岩田「サービス精神を感じたし、シンプルにエンタメとして楽しめたよな」
みづきんさんが完璧じゃないのも良かったんでしょうね。名前を聞き間違えたり(笑)。
松原「そうですね(笑)。思ってたよりも、人と人って感じがした」