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GOING UNDER GROUNDが語るバンドの現在。3人だけの地道な活動の中で取り戻した大切なものとは

ここに戻ってくるには、この道筋を踏まないと戻ってこれなかった。ほんとそうなんですよ。俺たちはここに戻りたかったの、ずっと



そういう、自分たちが納得できないやり方が嫌なのだ。ここまで話してきてわかったと思うが、これくらいの規模感で、レーベルも通さず、日銭を稼いでいければいい……そんな考えは3人にさらさらない。ライヴをやって、音源を作って、その売り上げを3人で分配する。バンドを結成したばかりの高校生が考える、基本中の基本に立ち返ることで、バンドになぜ自分たちが憧れ、夢中になったのか。それをひとつひとつ確認して、取り戻そうとしているのだ。


松本「とにかく今は、バンドを楽しむこと。これ以外に必要ないんですよ。でもこれからアルバム作って、それがすごくいいアルバムで、もっと聴いてもらいたくなったり、ライヴもこれならホールや武道館目指せるんじゃね?って3人とも思えたら、同じように感じてくれるレーベル探すとか、事務所を作るとか、そこから始める話じゃないかと思うんです」


石原「もうこういうやり方で食っていけるから、楽しくやれてればいいよね、とか、そういう気持ちはまったくないです。あの時、そういうつもりで『まだバンドやろうよ』って言ったつもりじゃないし」


松本「俺らがメジャーレーベルにいた頃って、担当の人が予算をとって、これくらい売れてほしい、って数字に期待をかけるわけですよ。そんなやり方だから、こういうことやったら売れるんじゃないか、こうやればうまくいくんじゃないか、っていう、バンドがやりたいこととは違う方法論が出てきて、やりたくないけどしょうがない、ってことになる」


中澤「で、それが積もり積もって、限界がくる」


松本「昔、俺たちに〈胸キュン〉ってキャッチフレーズがつけられたでしょ? 確かに青春の、その時にしかない気持ちって、ゴーイングのセールスポイントだったかもしれないけど、それを意識して曲作ろうとしたって、できるわけないんですよ。むしろ今、そういうのから解き放たれて、自由にやってる曲のほうが、そういうのやれてる」


石原「逆に今のほうが青春だよね」


松本「25歳くらいの頃かな。あるライターさんに面と向かって、『君のバンドは短命になるね』って言われたことあるんですよ。でもわかりますよ。だって幼馴染の集合体で、青春のキラキラしてるところをお金にしてたバンドだから。みんな欲しいけど、持ってないものをやってたから。歳とともにそれがなくなってくってことをわかってたんだろうね」


石原「でも、40歳過ぎた今でも、バンドって最高だとしか思えないじゃん」


松本「そう、バンドは最高なんだよ。40歳過ぎても、まだこいつらと一緒に音を出したい、ライヴやりたい、って思えてる。『あたらしいともだち』とか最高ですよ。ここまでいろんな経験して、大人の薄汚れたとこも見てきたやつが、あんなアルバム作れないなって思う。金光さんがレビューで書いてくれてたけど〈ここに戻ってくるには、この道筋を踏まないと戻ってこれなかった〉って、ほんとそうなんですよ。俺たちはここに戻りかったの、ずっと」


中澤「でも『あたらしいともだち』だと、まだ勝負できない」


松本「そう。でもあのアルバムには、自分たちがバンドをやってる理由というか、たぶん中学の頃からずっとある、その根っこみたいなものがあるんですよ」


中澤「同時に、腹の底には『ざまあみろ』って言いたい気持ちがあって(笑)。それだけは捨ててない」


松本「『よぉ!』って言われた時に『誰でしたっけ?』って言う準備はできてるしな(笑)」


中澤「だから、趣味でやってんだな、って思われてて今はいい。そのうち見返すから(笑)」


僕は彼らの「トワイライト」と「かよわきエナジー」が大好きで、ライヴで観るたびに涙腺が緩んだ。特に「トワイライト」の前奏が終わり、松本がオーイエー!と感情を露わにする瞬間に、若い頃のいろんな感情がぐるぐると心を駆け巡り、涙がとまらなくなるのだ。それがいつからだっただろう。まったく心にグッとこなくなっていた。きっとこれは、僕自身が大人になって、素直に音楽を楽しめなくなってしまったんじゃないかと、真剣に考え込んでしまった。しかし彼らもそうで、あんなに好きだったバンドを嫌いになりかけていたのだ。一度は手放しかけたバンドという集合体を、ギリギリのところで踏みとどまり、また手を握って歩き始めた。レーベルも離れて、地道に、一歩ずつ。そうしないと確かめられなかった。だから今わかった。俺たちはこんなにバンドが好きなんだ、ってことに。


松本「うん。プライオリティが、このメンバーでバンドを一生やり続けることじゃないんですよ。それが目標じゃなくて、このメンバーでワイワイと、あーだこーだ言いながら楽しくやりたいんです」


石原「そういう意味じゃ、どうにかやれてきたのかな」


松本「ああやっとけばよかった、とかはないよね。どう、ナカザ?」


中澤「うん、ない」


松本「続けててよかったな、しかないです」


文=金光裕史


「おやすみモンスター”15th Anniversary LIVE」
日程:2022年11月6日(日)
会場:新代田FEVER
開場11:30/開演12:00 
料金 ¥5,000(税込/1drink代別)

整理番号付 オールスタンディング 未就学児童入場不可(小学生以上チケット必要)
チケットご購入は→ http://eplus.jp/gug/
お問い合わせ:AIR FLAG Inc:03-6276-4968(平日13:00-16:00)


GOING UNDER GROUND オフィシャルサイト

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