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INTERVIEW
  • #CRYAMY
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CRYAMYが苛立ちや絶望を叫んでいた過去との決別。自分のようなやつらのために唄う新作「#4」

わかってもらえなくても結構。でも、わかりたいって思ってる人には全力で言う。だってそこにいるのは、昔の自分だから



母親の曲にしようと思ったきっかけはあったの?


「自然に出てきましたけど、きっかけはたっつぁんなんですよ」


たっつぁんって?


「いわきソニックっていうライヴハウスのPAさん。ライヴで、めちゃくちゃ感動してくれて。『カワノって人間がすごく出てるし、曲もいい。でもCRYAMYは聴かせる曲が1曲もねえ……1曲ぐらい俺のために作ってよ』って酒の席で言われて。『おし、じゃ作るわ』って言って。その翌日、家帰ってすぐ作ったんですよ。母のことを書こうと意識的になったわけじゃなく、自然と出てきました」


自然にモチーフがこうなった?


「そうですね。さっき言ったように、煮え切らない思いを抱えながらやってた1年だったんで。その中で、変な話ですけど、俺も救いを求めた瞬間があって。一番に俺のことを救ってくれそうな人が母だったんですよね。だから母のことを唄ってたんじゃないかな」


母親の名前なんて言うの?


「さとみです」


「ALISA」じゃないんだ?


「これはアンドレ・ジッドの『狭き門』に出てくる女性の名前なんです。『狭き門』は、僕の人生のバイブルの1つなんですけど、悲しい話なんですよ。フランスで書かれたお話なんで、宗教が密接に関わっていて。ALISAは、理想的な世界を実現するためには今世の俗を捨てなくてはならない、と考えている人で。主人公の男と恋するんですけど、自分の中の理想が捨てきれなくて、最後は自殺しちゃうんですよ。世界と折り合いをつけて、一緒に長く生きて幸せになる方法もあったと思うんですけど、それをあえて選ばなかったのか、自分の中の頑固さがそれを許さなかったのか」


その姿を母親に重ねた、と。


「そう。母も、許せない世の不条理や父のこととか、地元の閉塞的な空気とか、そういうのと折り合いつけてやれれば、きっとうまくやれただろうって。さっきも言ったけど、自分にとって正しい世界を考えていくと、どうしても許せないことが多くなる」


そうだね。


「母ちゃんも絶対なんかあると思うんですよ。表に出してないだけで。一回、日記を盗み見たことがあるんですけど、けっこう壮絶なことが書いてあったし。でも、父とか街の人間のことは書いてあったけど、俺のことは一切そこに書いてなかったんですよ」


親父と壮絶な喧嘩して、先輩ケガさせても?


「やってても一切、愚痴なんて書いてなかった。そこに愛情というか、本質的な優しさを見つけたというか。だからこの曲ができて、一気に俺は開けた気がします」


子供への無償の愛だね。


「ほんとにそうなんですよ。今回もレコーディング、SuUのタクマにヴォーカル録ってもらったんですけど、〈マリア〉と〈ALISA〉聴いて、涙止まらなくなったって、アツいLINEが来てました」


でもここにある、〈なのになんだこの手は冷たい 心も冷たい〉っていう歌詞は、どんな気持ちで唄ってるの?


「これは、僕が母の理解を拒んだ、そのことを描いてます。理解を拒むっていうのは、非常に酷なことをしてるんですよ。自虐というか、断罪ですかね。許してはもらえないよな、って」


でも母親ってそういうもんだって気がするけどね。子供のすべてを許してくれる。


「俺、今回の『#4』はね、女性、がテーマになってる作品ではあるんですよね。女性しか持ちえない深い愛情。だから俺も、許せることは許そう、と思った」


じゃあ「マリア」は?


「これは、僕と音楽についての歌詞ですね。ここで書いてる〈マリア〉は音楽の象徴ですけど、僕が作ったっていうより、僕の心を癒してきた音楽のことで。最後の〈死んでしまえ!と言われたいよ〉ってところは、自分のことをさらけ出して、一生懸命尽くしても、結果的に何もしてやれなかった僕への戒めです。何もできなかったら、俺はCRYAMYを聴いてきた君たちに、死ねとか死んでしまえって言われて当然だから。もし叶わなかったら、君たちは俺のことを刺す権利はあるし、俺は君たちにこそ刺してほしいって」


逆に言えば、みんなに対しての信頼があるわけじゃん。


「あります、もちろん」


それが確信というか、絶対的なものになってる。


「俺の解釈としては、そうだけど、でもいいなあと思ったのは、これは俺対聴いてる人の曲だから、聴いてる人からの目線の歌詞であるべきで。それが書けた気がする、お前あんだけ大口叩いたじゃん、私のこと救ってくれるだ、守ってくれるだ言ってたのに、結局なんもなんなかったじゃん、お前なんか死んでしまえ!って言われてる未来を書きたかった」


だから全体的に『#4』って、リアルなんだよね。これまでは、どこにも行き場のない怒りや悲しみだけが爆発してた印象だけど。


「そう。これまでの歌詞って、自分のこれまであった出来事や、その時に感じた気持ちを、俯瞰して書いてたんですよ。『#4』は、目線が自分の心象風景にようやく降りてきた」


それを書いてもいいよなって思えたから?


「『#3』はそうやって書こうと意識して作ってたんですけど、途中で、まだ早いなって思っちゃって。だから初期の作品の中で『#3』だけすごく浮いてるんですよ。〈世界〉とか〈月面旅行〉とかは、もっと自分のことを描くはずだった。だから今回変わったっていうより、あの時できなかったことをようやく今やれるようになった、って感覚。戻ってきたのかな」


あの頃の、怒りや悲しみや憤りが、一気に振り切れるような楽曲にもよさはあるけどね。


「それは今もそうですよ。俺、ニコニコしてる状態から、こいつは許せねえと思ったら、いきなり沸点100に振り切れて、ボーンって怒れるところがいいところだと思うから。だからふざけんなと思ったら、コップの水ぶっかけちゃうし(笑)。でも今は、振り切れたところで、一回抑えますね。それでも許せねえと思ったら、120くらいのテンションで行きます(笑)」


だから許せることも増えてきてると思うんだよね。


「それもあるし、いろんなことに一線引けるようになったんですよ。決定的な出来事があったわけじゃないけど、じわじわと、人に対して何かを求めるってことが、良くも悪くもなくなってしまったから」


前は、何でわかってくんねえんだよ!で終わってたものが。


「そう。俺をわかってくれ、じゃないんですよ。全世界に向けて、俺をわかってくれ、とは思わない。そこに一線を引いたんです。もっと言えば、わかってもらえなくても結構。でも、わかりたいって思ってる人に対しては、全力で言う。だってそこにいるのは、昔の自分だから。いろんなものを経て、みんなに自分を重ね合わせるようになったんですよね」


文=金光裕史


NEW EP「#4」

01 マリア
02 スカマ
03 E.B.T.R
04 悲しいロック
05 ALISA
06 WASTAR
07 待月


CRYAMY ONE MAN TOUR 2022 [売上総取]
5/24(火) 東京 新代田LIVE HOUSE FEVER
5/27(金) 福岡 graf
5/29(日) 広島 4.14
6/3(金) 愛知 名古屋CLUB UPSET
6/5(日) 宮城 仙台MACANA
6/9(木) 大阪 umeda TRAD
6/12(日) 東京 キネマ倶楽部


CRYAMY オフィシャルサイト

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