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INTERVIEW
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リーガルリリーが描いた色鮮やかな新世界。ニューアルバムに込められた優しい気持ち

text by 竹内陽香

初めてインタビューした時、自分の殻の内側から必死に声をあげていた彼女が、こんなアルバムを作るようになるとは思わなかった。リーガルリリーのニューアルバム『Cとし生けるもの』。不思議なタイトルの意味はインタビューを読んでもらうとして、シンプルなバンドサウンドが軸にあるこのアルバムには、さまざまな人や感情が現れ、いろいろな時間や場所と繋がって、多彩な色合いをみせている。それは、たかはしほのか(ヴォーカル&ギター)が自身の中にある多面的な感情を受け入れ、曲に昇華させたことによって生まれたもの。自分を好きになると自信が生まれ、少しずつ外と繋がり、景色に色がついていく。だからこそ今の彼女が描く世界は、開放的で柔らかい日差しに包まれ、不安な心すら抱きしめてくれるような優しさが滲む。そんなアルバムができるまでを、たかはしに聞いた。


(これは『音楽と人』2月号に掲載された記事です)



24歳おめでとうございます。12月10日の誕生日に行われたライヴ、とてもよかったです。


「ありがとうございます」


People In The Boxと崎山蒼志くんとの3マン。やってみてどうでしたか?


「今までにないぐらい、すっごく緊張しました。ホールっていう会場の大きさもそうだし、People In The Boxは一番影響受けたバンドなので。たくさん準備をして臨みました」


ピープルはどういうところで影響を受けました?


「歌詞とコードかなぁ。うまく言えないんですけど、ピープルの曲を聴いてると、いろんな物語が浮かんだり、自分の中で新しく生まれたりするんです。インスピレーションが湧くというか」


創作意欲を掻き立ててくれるんですね。


「はい。聴いていて曲を作りたくなるバンドです」


ライヴを観てて、似てるところがあるなと思ったんですよ。なにか思い当たること、あります?


「なんか、わかります。曲を作る時の頭の使い方が、もしかしたら似てるのかなって思ったり。おこがましいかもしれないけど(笑)。あと、世界の優しい部分への気づき方っていうのも、ちょっと似てるのかなって。どういう時に優しい気持ちになるのか、その視点が近いのかなとは思いました」


うんうん。ピープルの波多野(裕文)さんが以前、「世界に対して声を上げることもなく、SNSで発信することもなく、大勢の人がいる場所から音も立てず去っていく人たちがいる。そういう人たちにこそ共感するし、そこに向けて音楽を届けたい」っていう話をしてくれたことがあって。あの日、リーガルリリーのライヴを観ながら、なぜかその言葉が浮かんできて。


「そういうところかもしれないです。私も高校生の時にバンドを始めたきっかけを自分なりに考えると、なんとなく楽しいからっていうのはあるんですけど、まさに思ってることを言えないような人たちにとって、音楽が代わりになったらいいなっていうのはあって」


高校の頃だと、あまり学校へは行かず、自分の部屋でひとりで音楽を作っていた頃ですよね。


「はい。私は身近な人にはなんでも言えるタイプだけど、それ以外の人にはあんまり言えないところがあって。だけど、音楽を通して自分の思っていることを言いやすくなった気がするんです。メロディに乗せると、デコボコした言葉だったとしても、人に届けやすくなるというか。そういう歌を唄うのは、もしかしたら自分に似てる人を見つけたいのかもしれないし、ライヴを観に来てくれる人たちは、どこか自分に似てる人が多いんじゃないかなって思います。その歌詞をちゃんと拾ってくれた人たちだから」


そうですね。このアルバムも、誰かに向けた優しさや、外との繋がりを感じられる一枚だと思いました。まず、この『Cとし生けるもの』っていうタイトルから聞きたいんですが。


「曲が全部出来上がってから、タイトルをどうするか話し合って、最後はベースの海ちゃんがつけてくれたんです。〈生きとし生けるもの〉っていう言葉と、炭素の元素記号のCを合わせたんですけど。Cは配列次第で、ダイヤモンドにもなれるし、鉛筆にもなれる面白い元素なんです。で、人間もCを持っていて。だから、人間っていう生き物も、なんにでもなれるっていう」


そういう意味が込められていると。


「はい。ただ、私の解釈は、またちょっと違ってて。ダイヤモンドってダイヤモンドでしか磨けないじゃないですか。人間も自分でしか自分を磨けないし、自分にしか本当のことはわからないっていう。Cにそういう解釈を持っていて。例えば〈セイントアンガー〉っていう曲で、〈みんな光りかた探していた〉って言ってるけど、これも自分の中で光り方を探しているっていう意味で」


それぞれが自分なりの輝き方を見つけようとしている。


「そうですね。その磨き方は、周りの誰かが教えてくれるかもしれないし、自分で見つけるものかもしれない。どちらにしても自分で磨かなきゃ光れないんだよなぁと思って」


「セイントアンガー」は、個人的にとても好きな曲で。


「ありがとうございます」


この曲はどんなイメージから作っていったんですか?


「最初に作ったのが〈窓の外から見た らら この家の中身は/暗く見えるのか? 明るく見えるのか?〉っていう歌詞で。夜に電気をつけていて、外を歩いてる人からこの家は暗く見えるのかな、明るく見えるのかなってふと思って」


それは部屋の明るさだけじゃなくて、自分自身がどう見えているか、っていうことですよね。


「まさに、そうです。自分の体調によっても、光り方や色が変わってくるし、夜中に起きちゃった時、そんなにまぶしくないものでも、すごくまぶしく感じたりすることがあるじゃないですか。そういうふうに人の見え方って、いろいろあるなと思って」


元気そうに見えるけど実は悩みごとがあったり、暗そうに見えても意外と元気だったり、みたいな。


「はい。道を歩いてる人にもいろんな表情があるんだろうなって。それで、少女、少年、ホームレスのおじさん、野球選手、っていろんな人を登場させてみたんです」


いろんな人が出てくるし、生きていくうえでの表と裏みたいなものが描かれてますよね。


「そうですね。表と裏とか、光と闇とか。どっちかがないと、どっちかが存在しないっていうものを書きたかった曲ですね」

以前よりちゃんと自分のことを文字に書けるようになった気がします。これまでは自分の感情を文字にするのが怖かったんです

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