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THE BOHEMIANSが高らかに鳴らすロックンロール・ファンファーレ。新作ツアーの模様をレポート!

text by 青木里紗

【LIVE REPORT】
THE BOHEMIANS〈the tour2021〉
2021.11.22 at 渋谷CLUB QUATTRO



「今年いちばん楽しいライヴだった。ロックンロールはやればやるほど物足りない音楽なんだ」
アンコールの演奏を終え、平田ぱんだ(ヴォーカル)が発した言葉からは、この日の充実ぶりはもちろん、ボヘミアンズのロックンロールが途絶えることなく未来へ響いていくことを示していた。


今年9月に発表された、前作から2年ぶり、オリジナルアルバムとしては10作目となる『essential fanfare』。本作を引っ提げた東名阪ツアーの東京公演は、新型コロナウイルス感染予防対策ガイドラインに沿って開催され、場内はボヘミアンズの登場を待ちわびる観客で埋め尽くされている。


SEが流れると、メンバーがステージに続々と登場し大きな拍手で迎えられる。そしてライヴがスタートすると、序盤からニューアルバムに収録された楽曲が次々と披露されていった。「俺らはロックバンドなんで、楽しみにきました。いや、楽しませにきました。こっちは楽しませるためにはどんな手段も使うぜ」と、このステージに懸ける思いを吐露する平田。楽しませるためには、どんな手段も使う――その直後に平田が紹介したのは今回のツアーのグッズで販売されているサイリウム。本来ロックバンドであれば縁のないグッズを発案したのは、ここ数年でハロプロにハマったギターのビートりょうであり、メンバーカラーになぞられた5色展開となっている。そんなサイリウムを自由に振ったりしながら楽しんでほしいと披露されたのは、憧れの存在に対する思いをポップな楽曲として昇華させた、「カンケイシャになりたくないっ!?」だ。ニューアルバムの中でもっともユーモアに満ちている楽曲なのだが、そもそも『essential fanfare』という作品自体、ロックンロールを軸にしつつその枠にとらわれない自由な表現を試みていたものだった。そんなアルバムのモードと同様に、今のボヘミアンズはライヴでもいい意味で何にも縛られることなく、やりたいことを盛り込み、それを観客と共有できる自由さがある。また、「the erina」や「いとしの真理」では、ボヘミアンズに本来備わっているメロディのキャッチーさが際立っていたし、MCで「今回のアルバムはメロウな曲も多くて」と平田が語ったように「VINYL PRESS STONE」や「バビロニアの世界地図」からは、このバンドが持つセンチメンタルな側面がみえてくるのだった。


バンドのさまざまな表情を見せながらも、メンバー紹介のMCに入ると一気にリラックスしたムードに。ツアー直前に体調不良だった星川ドントレットミーダウン(ベース)は、無事に回復したことを報告し観客を安心させ、本間ドミノ(キーボード)、千葉オライリー(と無法の世界)(ドラム)は、それぞれの形でここに集まった人たちへの感謝の言葉を。そしてビートりょうは「今日はお客さんからの圧がすごくて、自分も熱い気持ちでやってます」と、こういった状況の中でもライヴができる喜びを伝えていった。


そして「そろそろアガッていくか。ロックの準備はできてますか?」と平田が合図すると、「Jagger/Richards」など、おなじみのロックンロールナンバーを次々とプレイ。バンドがどんどん解き放たれ、ロックンロールが高らかに鳴り響いていく。「今はこういう機会がなかなかないから、ライヴをするといちいち感動してしまうんだ。一人残らず愛してます」と心の底から湧き上がった思いを素直に観客へ伝える平田。そして演奏されたのが、力強いコーラスが印象的な「the fanfare」だ。平田が自身のブログで、ファンの人と一緒に唄おうと思って作ったと書いていたこの曲は、まだ実際に声を出して唄うことはできない。だが、それでも同じ時間を過ごす中で互いに思いを感じ取ることはできる。そんな思いをバンドと観客が共有している光景が、そこに広がっていた。また今までどおりの状況ではないからこそ、こんな瞬間がより一層愛おしいし大切にしたい。それが今だけでなく未来にも繋がるように、という願いも「the fanfare」を演奏する彼らの姿からは感じたのだった。その後、「何の変哲もないロッケンロール」などのストレートなロックンロールナンバーを畳み掛け、場内のボルテージが最高潮に達するなか、本編の幕は閉じたのだった。


『essential fanfare』のインタビューで「ボヘミアンズは〈俺がいるバンド〉っていう感じですね。俺が唄ってなかったらこのバンドのことめっちゃ好きなのになって思いますけど、自分が唄ってなきゃボヘミアンズではないんです」と話していた平田。これまで〈ロックンロールアイドル〉というキャッチコピーを掲げたり、レーベル移籍などさまざまな変化や試行錯誤の時期もあったわけだが、〈いつでも僕らでいたいよ/君がそばにいてくれるなら〉(「the fanfare」)と真っ直ぐに唄い、これがボヘミアンズだと胸を張って言える今。ゆえに、こういった状況でも迷いなく自分たちの音を鳴らすことができるし、今という瞬間を心から楽しむことができたのだろう。それがあるから、冒頭で触れた言葉も出てきたのだと思う。


そしてダブルアンコールにも応え、ステージをあとにした彼ら。この日、ボヘミアンズが鳴らすロックンロールは純度の高いものだった。もちろんこれまでの彼らだって、自分の好きなものを信じて、ロックンロールを鳴らし続けてきた。だが、このツアーを通じて、自分たちの音を受け取り、応えてくれるあなたが目の前にいること。そして共に思いを分かち合えること。そのすごさや、温かさをあらためて噛み締めたはずだ。だからこそ、ここで鳴らされたロックンロールは、今まで以上に喜びに満ちていて、どこまでも突き抜けていきそうだった。


12月20日には、名古屋クラブクアトロでファイナルを迎える。多少の制限はあれど、それに左右されることなく、彼らのロックンロールはこれからも真っ直ぐに響き渡ることだろう。


文=青木里紗
写真=柴田恵理



THE BOHEMIANS〈the tour2021〉

12/20(月)名古屋 CLUB QUATTRO ※11/5公演の振替
OPEN 17:15 / START 18:00
チケット発売中
・イープラス
・チケットぴあ(Pコード:203-902)
・ローソンチケット(Lコード:42772)

THE BOHEMIANS オフィシャルサイト

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