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INTERVIEW
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KANA-BOON谷口がシングル「Re:Pray」に込めた新たな希望とこれからへの覚悟

自分の音楽が届く範囲の人は絶対に生き続けさせたい。それが僕の役割なんだって思った



鮪くんの中で、〈死〉というものを身近に感じざるを得ない、そういう経験っていうのは今まで――。


「なかったです。一般的な人だったら、おじいちゃんや親戚、親が亡くなったっていう体験を大人になるまでに一度くらいはすると思うんです。でも僕の場合、家族とは疎遠で、そういう人間関係が一切なかったから……自分に近い人間が、この世から消えてしまうという体験はしたことがなくて。それもすごく大きかったんですよね」


そっかぁ。


「そういう自分にとって大切な誰かがいない人生を歩んでいくっていうことは、すごく重いし、すごく辛いし、すごく寂しいし……まあ、たぶん同じような体験をしている人もたくさんいらっしゃると思うんですけど。やっぱり残された人っていうのは、何か目的を見出して、そこから生きていかないといけないから。だから勝手にですけど、津野さんの分も生きようと思うし、同じ音楽をやってきた仲間として、彼女が世に生み出していったであろう曲たちの分も、これから俺が作っていこうって。あとそれとはまた別に、僕、バンドを辞めてしまった人たちに対しての思いもすごく強いんですよ」


「マーブル」(『KANA‐BOON THE BEST』収録)のインタビューの時にも、そういう話をしてくれましたね。


「うん。赤い公園というバンドは、素晴らしいライヴをやって解散しましたけど、やっぱり30歳ぐらいになると、地元で一緒にやってたバンドとか辞めちゃうんですよ」


30歳というのは、音楽やバンドを続けるかどうか。その試金石のようなタイミングでもありますよね。


「だからバンドや音楽を辞めることになった仲間に対して、〈今までお疲れ、あとは俺らが頑張るよ〉〈俺らは、これからも続けていくよ〉っていう気持ちもすごく強くあって。残された人としての役目を負うっていう、そんな感覚があります。今考えてることとか、休養以降考えたこととかもすべて、自分の役目というか役割、使命だっていうことをずっと感じてますね」


「HOPE」や今回の「Re:Pray」には、音楽をこれからも続けていくことへの覚悟が書かれていますよね。そしてカップリングの「LIFE」には、一度心が崩れても、また踏み出せるともあって。今、鮪くんにとっての音楽は、また前に進むために見つけた、新たな希望という感覚が強いのかな。


「まさに新しく見つけたものですね。自分の使命、役割、役目、それを見つけることができたから、それが今の自分の軸になって曲を作れたんやろうし。まあ〈HOPE〉はゼロ地点、まだ足を踏み出してない感じですけど、〈Re:Pray〉はまさに決意の歌、ほんとに第一歩です」


この曲も、年明け以降にできたもののひとつになるのかな。


「いや、曲自体はけっこう前からあって。ただこの曲にどんな歌詞を乗せていいかがわからなかったんで、曲だけがずっとあったんですよ。で、休養中に〈HOPE〉ができて、音楽が自分の中に溢れ出したタイミングでもう一度この曲を見直したら、自然と歌詞がすぐに出てきて。それで、〈あ、そうかそうか。このためにこの曲はあったんや〉って、なんか腑に落ちたりして」


曲がこのタイミングを待ってた、みたいな。


「うん、そうですね。だから人生立ち止まる瞬間も必要やなって思ったし……まあ……なんやろ、選ばれし人は、って自分で言うのも変な話ですけど(笑)」


ふふふふ。


「選ばれし人には、そうやって運命みたいに人生において必要なタイミングが訪れるんじゃないかなと思ってて。僕はただぶっ壊れただけじゃなくて、神様か何なのかわからないですけど、今の自分を形成するために僕の足を止めたと思うんですよ」


そういう星のもとに生まれた、じゃないけど。


「うん。だから去年のあのタイミングで自分の心が一度リセットされたと思えるようになったし、音楽と出会った時から、自分には何か音楽を通してやるべきことがあるって漠然と感じてたけど、それがはっきり見つかったというか」


それまで漠然と感じていたことが確信になった。


「ずっと、その漠然とした何かに突き動かされてやってきて。デビューしてから、いろんなことがあったけど……それこそずっと一緒にやっていくと思っていたメンバーが抜けたりしても、音楽を辞めようとは思わなかったし」


4月のライヴで「パレード」をやったあと、〈僕らはこれから茨の道をゆくのさ〉って歌詞を書いた時は、ここまで茨の道を進むとは思ってなかったって笑いながら話してたけど(笑)。


「うん(笑)。なにがあってもずっと辞めようと思わずにやってきたのは、自分は音楽で何かすべきことがあるって感じてたからなんですよね」


その「やるべきこと」を言葉にすると?


「それは、人の今日を明日に繋ぐための音楽をやること。それが僕の役割なんだって思ったし、すごく個人的な心情としては、自分の手の届く範囲の、自分の音楽が届く範囲の人は、もう誰も死なせたくないっていう強い思いがあって。そこから先はもうわからないし、僕にはどうでもよくて」


自分の手の届かない範囲まで抱えようとする必要はまったくないよね。それは、もはや神の領域だと思うし。


「うん。でも自分の音楽が届く範囲の人は絶対に生き続けさせたいっていう強い思いがあるから。だからこれから希望を唄うし、〈Re:Pray〉もそういう歌でもあるというか」


「Re:Pray」が、そういう歌になったのは、自分自身も改めて音楽というものに希望を見出すことができたからっていうのもありますか?


「ああ、それも大きいと思います。今、完全にすべてが元通りになったわけでも……元通りになることはないし、自分の心が完全に治ったわけではないんですけど、落ち込んだ時に今の自分を救ってくれてるのはやっぱり音楽で。元気ない時に家でグリーン・デイとかアジカンとか、自分が学生時代からずっと好きで聴いてきたバンドのアルバムを爆音で聴いたりすると、〈あ、生きねば〉って強く思ったりするし」


好きなバンドの曲を聴くことでエネルギーが湧いてきた、それこそ音楽に出会った頃の自分を再確認するみたいな。


「まさに今そんな感じです。音楽に救われてると思うし、音楽に道を示してもらった体験を、14歳ぶりにあらためてできているのも、今の自分にはすごくデカくありますね」



文=平林道子
撮影=岩澤高雄_The VOICE
ヘアメイク=鈴木智之


NEW SINGLE「Re:Pray」
2021.10.27 RELEASE

■初回生産限定盤(CD+DVD)
■通常盤(CD)


〈CD〉 ※初回生産限定盤、通常盤共通
01 Re:Pray
02 右脳左脳
03 LIFE

〈DVD〉 ※初回生産限定盤のみ
2021年4月18日に行われた谷口鮪の復帰公演となる、Zepp Tokyoでのワンマンライヴを、 約53分のボリュームでMC含め全9曲のセットリストを全編収録。

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KANA-BOON オフィシャルサイト

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