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INTERVIEW
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フジイケンジ(The Birthday)×藤井一彦(THE GROOVERS)。初の兄弟対談が実現


10年目ぐらいだったら、まだ意地張ってたかもしれないけど(笑)、もはやね。やれたかもしれないことをやらないままでいるほうが後悔するでしょ



その後、バレットが自然消滅したあと、ケンジさんはMy Little Loverに加入します。


一彦「だからバレットが終わったって、すぐ気づかなかったんですよ。最近活動してないな、とは思ってたけど。そしたらいつの間にかMy Little Loverになってて(笑)。びっくりしたけど、ある部分ではらしいと思ったかな。俺みたいな無駄に求道的で、ロック一筋なタイプじゃないから。もうちょっとフットワークが軽いというか。いい意味で上昇志向もあるし……いや、俺にもあるんだけど(笑)」


ケンジ「はははは」


一彦「だからそういうチャンスがあったら飛び込むタイプだよな、って思ってたから」


ケンジ「バレットやってた時は、このロックバンドが一番カッコいいと信じてやってたけど、それがメーカーからも切られ、バンド自体も消滅しちゃった時、バンドに対する夢というか幻想というか、そういうものがいったんなくなったんですよね。なんだったんだろう、って。だからとにかく自立して、ちゃんと生活しよう、ギターでメシ食えるようになろう、って気持ちがめちゃくちゃ強くなったんですよ」


なるほど。


ケンジ「ちょうどその頃、渡辺美里さんの西武球場のサポートをやらせてもらって。衝撃を受けたんですよね。4万人の前で弾いて、アンコール前にビッグウェーブが起こる。それを初めて観て、こういう音楽も悪くないな、って」


一彦「メジャーなフィールドを体験して」


ケンジ「うん。それまでは、新宿ロフトで2デイズやれたら十分だって思ってたけど、たくさんの人に聴いてもらいたくて」


そうなった弟の姿を見て、早く田舎に帰れと言っていた兄貴の反応は?


ケンジ「本当にずーっと言われてたんですよ」


一彦「ネタだよ、ネタ(笑)」


ケンジ「そうだ。高3の時、上京した兄貴から手紙がきて(笑)」


一彦「え……わし、そんな恥ずかしいことせんじゃろ(笑)」


ケンジ「ほんまよ、今も持っとる(笑)。『どうやら東京に出てくるつもりらしいが、お前みたいなボンクラが来てもどうにもならんぞ』って」


わははははは!


一彦「でも俺が偉いのは、そういうことを言うだけじゃなくて、東京でしか買えない輸入盤、例えばジャムのシングルを録音して、福山に送ってやるわけですよ」


ケンジ「思い出した。〈THE MODERN WORLD〉のシングル!」


一彦「B面がライヴ盤で、アーサー・コンリーの〈Sweet Soul Music〉をパンクヴァージョンでカヴァーしたやつ。そういうの、福山じゃ手に入らんじゃろ、って(笑)」


それ、来てもどうにもならんぞと言いつつ、誘ってるようなもんじゃないですか(笑)。東京来たらこういうのも手に入るぞ、って。


一彦「ちょっと自慢もあったかも(笑)」


ケンジ「もう1曲〈Back in My Arms Again〉もカッコよかったな……ジャムみたいなバンドが、カップリングではこういうモータウンやソウルをカヴァーするんだ、って。すごく新鮮だったし、ノイズでもカヴァーした」


そしてどんどん東京への憧れが募った、と。


一彦「憧れっていうか、出んと話にならんでしょう、当時は」


ケンジ「上京して、アパートが決まるまで、1ヵ月くらい兄貴の部屋に居候したよね」


一彦「椎名町な」


ケンジ「俺、2年ぐらい前に見に行って、兄貴に、このアパートって写真送りました。で、上京していちばん驚いたのは、兄貴がすっかり標準語を喋ってたことですよ(笑)。会ったらいきなり『あのさあ』って!」


広島のアイデンティティを捨て去ってましたか(笑)。


ケンジ「俺は上京して6年ぐらい広島弁が抜けんかった(笑)。言葉の壁はすごくでかかったのに(笑)」


一彦「いやいや。要はビジネスですよ。ビジネス標準語。対外的に使い分けてた。バイリンガルだよ(笑)」


じゃあケンジさんがバースディに入るって話を聞いた時はどう思いました?


一彦「理想的なロックフィールドへの復帰の仕方じゃないですか? 持ってるなって思いましたよ」


ケンジ「バースディみたいなバンドがメンバーに招いてくれたのは、すごく嬉しかったですね」


一彦「ていうかね、サポートでどんだけやってても、それで食っていこうと覚悟してても、あんなにバンド大好きだったヤツが、諦めきれるもんじゃなかったと思うよ」


ケンジ「誘われた頃はね、めちゃめちゃサポート一生懸命やってて、俺はセッションで食っていくんだ、って気持ちも高かったんよ。加入する何年か前、PUFFYのサポートでデトロイトに行った時、ヒッツヴィルUSAスタジオに行ったんですよ。今はモータウンミュージアムになってるんだけど、ちょうどその頃、映画(永遠のモータウン。モータウンの栄光を影で支えたレコーディング・バンド〈ファンクブラザーズ〉にスポットを当てたドキュメンタリー)を観て、セッションマンっていうものに、すごくロマンを感じとったから。バンドができなくても、セッションマンとして一流になれたらいいんじゃないかな、って。その矢先にバースディから話があったんだけど、確かに兄貴の言う通り、まだ手にしてない、夢のひとつだったよね」


でもそれは、音楽長く続けてきたからこそ手に入れることができたようなものですよね。先日の対バン、お互いのバンドへのゲスト参加もそうですけど。


一彦「ほんまよ。ていうかお互い30年以上、ギター弾いてやってきたわけじゃん。10年目ぐらいだったら、まだいろいろ意地張ってたかもしれないけど(笑)、もはやね。そんなことを考える歳でもないから。やれたかもしれないことをやらないままでいるほうが後悔するでしょ」


まぁ、そうですよね。


ケンジ「僕、理想としてる兄弟像としては、渡哲也と渡瀬恒彦みたいな関係なんですよ。共演はしないけど、フィールドは近い。そういうのがいいなって」


一彦「なんなら、あ、兄弟じゃったんじゃ!?っていう程度の」


ケンジ「ああいう感じでいれたらいいなって、ずっと思ってた」


なるほどね。でも兄弟だなって、ギター弾いたらわかるもんですね。こないだの対バン観て改めて思いました。音も弾き方もアプローチも、めちゃくちゃ似てて。


一彦「そう、かぶるんよ。お互いゲストに出るのもありじゃない?と言いつつ、いざ弾いてみたら……これ、ギターかぶっとるぞ(笑)」


ケンジ「俺もいらないなって思いながら弾いてた(笑)」


一彦「気づいたよね(笑)。キース・リチャーズが2人いても、ストーンズにはならないんですよ。どっちかがロン・ウッドをやらないと(笑)」


ケンジ「でもそうはならない(笑)」


そこが兄弟って関係なんでしょうね。


一彦「まあそうだね(笑)」



文=金光裕史
撮影=ハタサトシ


The Birthday

NEW ALBUM『サンバースト』
2021.07.28 RELEASE

■完全予約限定生産ベトジャンパッケージ(CD+Blu-ray+The Birthday ベトナムジャケット2021)
■初回限定盤(CD+Blu-ray)
■通常盤
■限定盤(アナログ/重量盤2枚組)

〈CD〉 
01 12月2日
02 息もできない
03 月光
04 ラドロックのキャデラックさ
05 レボルバー
06 アンチェイン
07 晴れた午後
08 スイセンカ
09 ショートカットのあの娘
10 ギムレット
11 バタフライ

〈Blu-ray〉
当初の予定から変更を余儀なくされたものの、2020年11月に東名阪のホール公演が実現したツアー〈GLITTER SMOKING FLOWER TOUR 2020〉。11月17日、東京・NHKホールのライヴ映像を中心にドキュメント映像を盛り込んだライヴムービー。

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The Birthday オフィシャルサイト
THE GROOVERS オフィシャルサイト

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