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BiSの最新EPから見える、心の葛藤と成長。これまでの道のりと、新しい夢について

text by 青木里紗

アイドルグループ・BiS。2010年の結成以降、解散や再結成を繰り返し、2019年から始動したのが現在の第3期BiSだ。このような状況下でも歩みを止めることなく進んできた彼女たちから届いた、最新EP「KiLLiNG IDOLS」は、エモーショナルなロックサウンドが響き、BiSとしての可能性をさらに広げた一枚になっている。全編英詞やメンバー作詞曲なども盛り込まれているが、その中でも特に印象的なのが「COLD CAKE」だ。現実から目を背けたくなっても、逃げずにその先へ向かおうとする光景が描かれている楽曲を、彼女たちは一体どんな思いで唄っているのか。それを探るべく、今回はイトー・ムセンシティ部への単独取材を敢行。話を聞くと楽曲の世界と同様に、彼女はこれまでの情けない自分を振り払い、目の前のことと向き合いながら必死にもがいていた。もう周りを気にして怯え、自分だけの狭い世界には収まらない。そんな決意を秘めた彼女は、大切な仲間とともにどんな壁も乗り越えていけるはずだ。

(これは『音楽と人』3月号に掲載された記事です)



面白い撮影でしたね。


「緊張しましたけど、めちゃくちゃ楽しかったです。ひとりでの撮影ってあんまりないので新鮮でした」


ひとりでインタビューを受けるのも慣れないですか?


「そうですね。間違えたらどうしようと思ったりするので、ずっと緊張してます(笑)。例えばラジオ番組とかは台本があったりするので安心して挑めるんですけど、それがない中で話すのはけっこう苦手で。言葉がぽんぽん出てこなかったりします」


でも今はデビューしたての頃に比べたらだいぶ話せるようになったなと思ったりもしないですか?


「確かにそうかもしれないですけど、それでも〈間違えた! こう言えばよかった〉と思いながらやっている感じで」


いろいろ考えて模索しながら今もやっていると思うんですけど、あらためてデビューしてからこれまで振り返ってみると、どういう期間だったなと思います?


「失敗したらどうしようとかいつも怯えていたんですけど、間違えてもいいからとにかく行動に移すほうがいいんじゃないかって途中で気づいて。例えばライヴだったら細かいバミリ(註:ステージ上での立ち位置がわかるように、テープなどでつけた目印)からズレないように気にしながら踊るよりも、全力で楽しんでやるほうがいいんじゃないかと思えるようになったんです。そうやってとりあえず細かいことは考えずに一回やってみようというふうに変わってきました」


イトーさんはそうやってどこか慎重になってしまう部分があるのかなと思ったのですが、BiSに入る前の自分はあらためてどんな人だったと思いますか。


「例えば家族とか学校だったり、向き合わなきゃいけないものからめんどくさくて逃げてきた人だったなって思います。学生時代は、学校に行かないでインターネットの世界にハマっていた時期もあったんですけど、そこで年上だったり年齢がバラバラないろんな人たちと仲良くなって」


じゃあ当時は身近な人とあまり関わりたくなかったのかな。


「そうです。同じ学校の子と仲良くするために、Twitterのリア垢(註:クラスメートなど日頃から面識のある知り合いとSNS上で交流するために作成するアカウント)を作ったこともあったんですけど、同級生に全然興味を持てないし、タイムラインを見ていても〈しょうもない。つまらないな〉みたいに思ってしまって(笑)。それに何かツイートしようと思ったんですけど、そもそも自分の心の内だったり趣味とかを誰かに知られたくないなとも思ってしまったんです」


そんなふうに思ってしまったのは何でなんでしょうね。


「すごく仲良くなりたいなと思う子がいて、自分から話しかけてみたことがあったんですけど、相手は私にあんまり興味がなかったみたいで、逆に疎まれてしまうというか全然うまくいかないことがあって。それがきっかけで嫌われるぐらいなら誰かと関わらないほうがいいなと思って、同年代の女の子と喋ったりすることが怖くなってしまったんです。そこからネットの世界に逃げちゃうんですけど、学校よりも居心地がよくて」


そこで知り合った人たちのほうが、気が合うというか。


「だからネットで知り合った友達と家で電話したりするぐらい仲良かったんですけど、学校は休んでるから親にはめっちゃ怒られてました。あと、一回、姉に携帯を取り上げられそうになった時にすごく泣いてしまったことがあって。やっぱりネットの世界にすがっていたんでしょうね」


それだけ大切な居場所だったということですよね。


「そうだと思います。同級生で仲良くしてくれる子もいたんですけど、その子たちは勉強も頑張っててちゃんと学校も行ってるし、友達もたくさんいる。でも私は学校に行けてないし、こんな自分が仲良くしてもらえるのは違和感というか〈なんか……ごめん!〉みたいな気持ちになってしまって」


歩み寄ってくれる人はいたけど、その子と比べたら自分はダメだと決めつけて、遮断してしまったんだ。だからますますネットにハマっていった。


「そうです。そんな時に、ネットの友達がアイドルが好きで、それがきっかけでいろいろと調べてみたらすごく好きになって。そこからいろんなアイドルを経由して、WACK(註:BiSの所属事務所。BiSHなど多数の女性グループが所属している)のアイドルに出会いました」


WACKのアイドルにはどんな印象を受けましたか?


「やっぱりカッコいいなと思いました。地元の新潟のライヴハウスで初めてBiSHさんを観たんですけど、ダンスがすごく激しくてめっちゃ汗だくなのに歌声は全然ブレなくて、最後まで全力な姿にすごく胸を打たれました。そういうライヴを観てアイドルに憧れましたし、自分が好きだった人たちは、ステージに立つたびにどんどん輝いたり、キレイになっていっているように見えてすごい素敵だなと思ったんです。だから私もああいうふうに輝けるんじゃないかなって思ったし、〈カッコいいじゃん、自分の人生〉って思えるぐらいのことがしたかったのでWACKのオーディションを受けました」


アイドルって不特定多数の人に見られたり、いろんな人と関わる必要があるじゃないですか。そこに対する不安や恐怖みたいなものはなかったですか?


「それはあったんですけど、当時は早く家を出たかったですし、東京に行けば自分のことを知ってる人はいないから、逆に気が楽というか人生をいちからやり直せるんじゃないかと思っていたんです。だから実はBiSに受かる前に、一回だけ家出して東京に出てきたこともあって(笑)。だけど、ひとりでやっていける自信もなかったし、ちゃんと学校を卒業したほうがいいなとかいろいろと気づいて、結局新潟に戻ったんですけど」

今までみたいに楽な方向に逃げるのはカッコ悪い。そうなりたくないし、自分に満足できるようになりたいなって

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