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THE BOYS&GIRLSのワタナベシンゴが語る、甲本ヒロト、峯田和伸という存在

text by 平林道子

『音楽と人』12月号で、ふたたび実現した甲本ヒロト(ザ・クロマニヨンズ)と峯田和伸(銀杏BOYZ)の対談。これにあわせ本誌では、「音楽と2人が教えてくれたこと」と題して、 BiSHのセントチヒロ・チッチのコメントを掲載したが、ここでは、14年半前、初めて2人が並んだ表紙写真に大きな衝撃を受けたというTHE BOYS&GIRLSのワタナベシンゴに、当時のこと、そして甲本ヒロト、峯田和伸の音楽について語ってもらった。同じバンドマンとして彼にとっての2人の存在とは?


「音楽と2人が教えてくれたこと」
ワタナベシンゴ(THE BOYS&GIRLS)


14年前、当時高3の時、実在してるかどうかはわかんないけど、間違いなく自分にとってのロックンロール・ヒーローである2人が一緒に並んでる表紙を見た時は、〈うわっ! ヒロトと峯田がマジで並んでる!?〉〈すげぇことが起きてるぞ!?〉って本当にびっくりして。買ってはみたものの、すぐに開くことができなくて、なんでかわかんないですけど、家帰ってしばらく寝かせました(笑)。それで次の日学校に持ってって、ようやく雑誌を開いて。これは前にTwitterにも書いたんですけど、2人が並んでる写真を切り抜いて、学校の机に貼って。でも翌日、先生に怒られて、泣く泣く剥がしたっていうことがありましたね。当時、バンドグッズとか買えないし、ステッカーとかも手に入らなかったんで、その代わりに、中学の頃から雑誌を切り抜いて、いろんなところに貼ってたんですよ。それこそ、ハイロウズのベスト盤『FLASH 〜BEST〜』のニワトリのジャケットを切り抜いてコンポに貼ったりもして。そのコンポは、今でも使ってます。


最初に存在を知ったのは、ヒロトさん、というかハイロウズで。『名探偵コナン』の主題歌になった「胸がドキドキ」で初めてハイロウズを知りました。で、小学校5年生ぐらいの頃に、『Relaxin' WITH THE HIGH-LOWS』が出たのはすごく覚えているんですけど、そこでめちゃくちゃハマったというわけでもなく。当時は、L'Arc~en~CielやGLAYのコピーバンドを友達とやったりしてる感じでした。


僕が住んでたところは、北海道の中標津町っていう、ライヴハウスも大きなCDショップもないような田舎町だったんですけど、5つ上の姉がすごく音楽好きで。部屋には、ピストルズのポスターが貼ってあったり、中標津にはないようなCDがなぜかたくさんあったりして。で、小学校を卒業して中学に入るまでの、自分が何者でもない謎の春休み期間に、姉の部屋で積み重なってるCDの一番上にあった、赤いジャケットのGOING STEADYの『BOYS & GIRLS』(ファーストアルバム/99年作)を勝手に持ち出して、自分の部屋で聴いた時、漠然となんかヤバイものを聴いてしまった!というか、ちょっと怖くなるみたいな感覚になって。でも姉に勝手に聴いたことがバレるのも怖かったので(笑)、そのことは言わずにいたんです。


そして中学入ってしばらくして、「これめちゃくちゃカッコいいから聴いてみな」って、姉がカセットテープに録音してくれた『さくらの唄』(GOING STEADYのセカンドアルバム/2001年作)を聴いたら、〈こういう教科書を俺は待ってた!〉みたいな気持ちにすごくなったんですよね。〈この人について行こう〉っていうか、この人みたいな人間になりたい、って思ったというか。それで姉に「これ、めっちゃカッコいい!」って言ったら、「もう1枚あるよ。こっちのほうが先に出てるんだよね」って見せられたCDが、『BOYS & GIRLS』で。『さくらの唄』を最初に聴いた時、姉の部屋から持ち出した赤いジャケットのバンドだとは思ってなかったんで、そこでやっと一致するっていう。そういう感じでした。そこから姉にいろいろバンドを教えてもらう中で、小学校の時に、なんとなく耳にしていたハイロウズを改めてちゃんと聴くようになって、さらに遡ってブルーハーツも聴くようになったんです。


当時、携帯電話もパソコンも僕は持ってなかったので、ライヴ映像とかを観たこともなかったし、音楽雑誌に載ってる写真でしか、その姿を見ることができなかったというのもあったんですけど、音楽だったり歌詞だったり、たまに見る雑誌に乗ってる言葉から、〈これがロックンロールなんだな〉〈これがカッコいいんだ〉っていうものを自分の中で作り上げていった。そういう存在だったんですよね、ヒロトさんと峯田さんは。なんか本当は実在してないんじゃないか?みたいな(笑)、そういうヒーロー感が強くあったし、だからこそすごく憧れたというか。だから中学の時に、ゴイステをきっかけに、いろんな音楽を聴くようになったことは、今の自分にとって本当にでかかったなと。


ヒロトさんは、バンド好きな人間ならば誰もが憧れる部分を持ってる人だと思うんです。めちゃくちゃいい意味で漫画のキャラみたいだし、見た目も、表情一つ取っても、絶対カッコいいみたいな。本人は別にカッコつけてやってるわけじゃないだろうし、最初はロックンロールに取り憑かれて、そうしてたところもあるのかもしれないけど、どんどん自分のものにして、ロックンロールそのものになっていったんじゃないかって。そう思ったりするんですよね。クロマニヨンズになってからライヴは何度か観ていて、そのたびに〈本当にいるんだな~〉って感じるんですけど、ライヴが終わると、〈あれ、いたのかな? 実はプロジェクションマッピングだったんじゃないかな?〉とか思っちゃう(笑)。だから、上の世代の人たちがピストルズとか、フーとかクラッシュとかラモーンズを聴いてカッケェ!って思ったのが、僕で言うとヒロトさんだったっていう。


峯田さんは、またちょっと違くて。ヒロトさんみたいに全員が全員カッコいいと言わないかもしれないけど、だからこそ〈俺にしかこのカッコよさはわからない〉みたいなことを思わせてくれる人というか。ゴイステを聴いた時に、もっと自分っていうものを出して生きていかないと楽しい人生が送れないんじゃないか?ってことをまず思ったんです。僕、小学校までは、ええかっこしいだし、人前に出るのも苦じゃないタイプで、自分はみんなを喜ばせるのが好きだとかって思ってたんですけど、どっかで空気読みながら、〈こうやっておけばOK〉みたいな感じだったというか。でもちょうど中学校に入って、別の小学校から来た奴とかとも友達になったりして新しい人生がまた始まったタイミングだったのもあって、男なんて情けなくてどうしようもないし、ぐちゃぐちゃで汚いけど、それでもこうやって叫ぶんだ、って言われてるような気がして。なんか、俺のためにこの人は唄ってくれてるみたいな感覚にめちゃくちゃなったんですよ。きっとそう感じた人間は、僕以外にもきっとたくさんいるとは思うけど、当時の僕からすると、いろんなものを曝け出してるような峯田さんの姿にめちゃくちゃ憧れましたね。


だから僕の中での2人に対する憧れの形は違うんですけど、でも最終的には、2人から受け取ったものを自分の中で咀嚼して、彼らのような人間になりたいっていう、同じところにたどり着くというか。それは14年前の対談記事を読んでもそうで。インタビュー前の原稿にも書いてありますけど、未来は真っ暗だけど、だからこそ、そこに光が隠れているかもしれない、っていうヒロトさんと、握り締めたナイフで闇を切り裂いて未来さえも切り拓こうっていう峯田さん。一見、違うことを言ってるようで同じことを言ってるんだと自分の中では感じたし、それは10代の頃の自分にも、今の自分にも勇気を与えてくれるものになっていますね。


今のバンド、THE BOYS&GIRLSを始めてからは、2人に対する思いが、また少し変わりましたね。憧れのヒーローっていうだけでなく、彼らが立ってきた場所だったり、地点には行きたい――例えば、いつか野音でワンマンやりたいなってことだったり、2人みたいに音楽雑誌の表紙を飾ってみたいなってことだったり、そういう具体的な目標を与えてくれる存在になっているというか。2人とも、ずっと止まらずに音楽をやり続けているから、どんどん先に進んでいってるわけですけど、そうやって自分の前を進んでいる2人の姿を追いかけながら、まだまだ俺が知らないことが、この先に待っているんだなって思うし、去年メンバーが全員抜けて、僕だけになってしまったんですけど、サポート入れて、このバンドで頑張ろうってすごく思わせてくれたのも、彼らの存在があったからだと思うんです。だから、2人が今も元気に存在していて……っていうのも変ですけど(笑)、命を燃やし続けている姿を俺たちに見せてくれてる。そのことこそが、一番力になってるというか。ヒロトさんや峯田さんがいるから、自分が音楽を、バンドを続けていく上で希望を持てている、そういう道標のような存在になってますね、今の自分にとっては。


もちろん、クロマニヨンズや銀杏BOYZの新しい作品を聴くたびに、いちリスナーとして、昔と同じように感動させてもらっているし、それこそ今回の対談号も、すぐ買いました。ただ実はまだ読めていないんですよね。今、自分のバンドの配信ツアーをやっているので、これが落ち着いたタイミングで、じっくり読もうと思ってて。どんな内容なのか気になるし、すごく楽しみにしてるんですけど、やっぱりちゃんと真剣に読まなきゃって思うんで。なんか、こうやってまた寝かせちゃってるのは、14年前と変わってないですね(笑)。



文=平林道子




Live Information

THE BOYS&GIRLS全国配信ワンマンツアー“少年少女の灯火”ファイナル
12月19日(土)札幌KLUB COUNTER ACTION編

THE BOYS&GIRLS 公式Youtubeチャンネルより無料配信
https://www.youtube.com/channel/UCwSdG2WvKqbHNOEoQ8xLdVA


THE BOYS&GIRLS オフィシャルサイト https://www.theboysandgirls.net/


約14年半ぶりに、甲本ヒロトと峯田和伸が表紙を飾った『音楽と人』2020年12月号発売中!

HMVで購入

Amazonで購入

TOWER RECORDで購入


※尚、12月号の対談記事に関するお知らせがあります。詳しくはこちらをご確認ください。

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