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INTERVIEW
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安部コウセイ(SPARTA LOCALS/HINTO)インタビュー。コロナ禍で僕が考え続けてきたこと

text by 樋口靖幸

ずっと彼のことが気がかりだった。
昨年はSPARTA LOCALSが復活後としては初となるアルバム『underground』を発表、今年はHINTOが結成10周年。どちらも安部コウセイという男の不器用な人生を描くバンドだが、コロナの影響でもちろん予定していたライヴやツアーはすべて中止。現在彼は〈cat fish label〉というレーベルとともに自身でバンドを運営していることもあり、今後の展望はもちろん収入もままならない状態にあることは間違いなく、彼の性格を考えるとかなりメンタルがヤバい日々を過ごしているのではないかと心配していたのだ。しかし、7月3日に配信された小山田壮平との弾き語りツーマンライヴでの彼は、それが杞憂であったことがわかる清々しいパフォーマンスを披露していた。コウセイは今、どんな思いで日々を過ごし、このピンチを切り抜けようとしているのかを知りたく、取材をオファー。オンラインで自宅にいる彼と話をしてみると、そこにはかつて感情にまみれて七転八倒し続けていた彼の姿はなく、しぶとくバンドで生き抜こうとする逞しい言動にあふれていた。



配信ライヴを観まして。


「どうだった?」


髪、刈り上げてたね(笑)。


「……それが感想かよ!(笑)」


でもコウセイの刈り上げって初めて見た気がするんだけど。


「もういい歳だからね。40歳超えてるのに前髪シャシャシャー!みたいなのってキツいでしょ?」


そうかな。


「いかにも〈俺、ミュージシャンです、音楽やってます〉みたいな。そこに自分が迎合してるような気がしたんで、あえて刈り上げにしました」


でも似合ってるよ、さっぱりしてるし。


「でしょ? 年齢的にも清潔感がどんどん失われていくと思うし、やっぱ清潔感、大事ですよ」


実は刈り上げを観て、ちょっとホッとしたんですよ。ここ最近のコウセイのTwitter見てると心配だったというか。


「まぁ、情緒不安定な感じに見えるだろうね」


マイナスのオーラ全開の見た目だったらイヤだなぁと思ってたんで、さっぱりしててよかったです。


「でも実際、メンタルはけっこうやられましたよ。特にウチらはマネージメントに所属してるわけじゃないから、ライヴハウスのキャンセル料とかも全部持ち出しで」


コロナの影響でバンドがヤバいぞって思い始めたのはいつ頃ですか?


「2月の後半に、LOSTAGEとSPARTA LOCALSの対バンをどうする?って話が出てきたのが最初かな。結局そのライヴを中止にしたところから、徐々にお金の問題とか出てきた感じ。それ以降予定してたライヴも全部飛ばして、それからはずっとお金が出ていくばっかりっていう」


不安だった?


「もちろん。で、俺の場合、Twitterとかでつぶやくにしても、そういう状況を隠すのは止めようと思ったの。自分がしんどいとか、メンタルがキツいとか、そういうのをあえて赤裸々というか、いちミュージシャンが置かれている状況をアナウンスしようと思ったんですよ」


どうして?


「現状を知ってもらったほうがいいなと思ったんですよ。それを隠してなんでもないフリをするのが本当はカッコいいのかもしれないけど、それじゃ僕らミュージシャンの置かれてる状況が伝わらないと思って。だったらあえてしんどい時は『しんどい』って発信しようと思って」

会場のキャンセル料を払わねば。。。

— 安部コウセイ (@kouseiabe) April 2, 2020

今年HINTO結成10周年なんですよおおおおおお!!アニバーサリーなんですよおお!勘弁してくださいよおおおお!どんだけええぇぇぇ!!(IKKO)

— 安部コウセイ (@kouseiabe) April 30, 2020


そういうことだったのか。


「それ見てファンの人を心配させてしまったことは申し訳なく思うけど、バンドの現状をリアリティをもってアナウンスしようっていう意識があって。だからああいうことつぶやくにしてもけっこう考えたし、送信ボタン押すのにも勇気がいったし」


感情に任せてじゃなく、そこは意図的にというか自覚的につぶやいていたと。


「そもそもTwitter自体、普段からかなり気をつけて使ってるから。でも、〈ここまではっきり言わないと伝わらないんだ〉っていうことも気づいてて。だったらちゃんと伝えようと思ったんですよ。そういう状況をいろんな人に知ってもらうことで、何かが変わるかもしれない……って思ってました」


てっきりヘコんでるだけかと思ってました。


「や、ヘコんでる暇なんてなかったですよ。現状をどう乗り切るかでずっとテンパってたから。毎日のように状況が変わるじゃないですか。感染者数が増えたり減ったりするし、国の方針とかも曖昧だし、そのたびにいろんなジャッジをしなくちゃならなくて。だから落ち込んでる暇なんてなくて、とにかく目の前にある状況に対してどうすべきかを必死に考えて、そこに答えを出すっていう毎日だった」

本来はコロナなんてなくても向き合うべき問題があって、でもそこには目を向けずやってきた

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