• HOME
  • RANKING
  • NEWS
  • INTERVIEW
  • COLUMN
  • QLAP!
  • MAGAZINES
  • BOOKS
  • ABOUT
  • HOME
  • RANKING
  • NEWS
  • INTERVIEW
  • COLUMN
  • QLAP!
  • MAGAZINES
  • BOOKS
  • ABOUT
INTERVIEW
  • #go!go!vanillas
  • #アーカイヴ

【Archive/Interview】go!go!vanillas/音楽と人2019年12月号


長谷川プリティ敬祐


本当によかったです。


「ありがとうございます。取材受けるのも1年ぶりですね」


まず復帰してステージに立った気持ちは?


「けっこうシビアなことから言うと、自分がここまでできるはずだって思ってたところに、全然届いていなくて悔しいです。でもそう思うのは、まだ身体の使い方や出す音に伸びしろがあるってことだから、悔しいのと同時にうれしくもあります」


もっとできる可能性を感じる、と。


「はい。あと、ステージ上のメンバーを観ることが前より増えた気がします。3人が出す音や、そのアクションを、カッコいいって思える瞬間が多くなった。俺も本当に戻ってきたんだって思われるように、もっとカッコいいところを見せたいです」


長い1年でしたからね。


「本当に長かったです。12月12日に事故に遭ったんですけど、その時のことはまったく憶えてないし、前後1、2ヵ月の記憶もあやふやになってて。いくつか憶えてることはあるんですけどね。たとえば事故のあと、初めて歩いた時のこととか、牧が隣にいてくれたこととか。ただ記憶に霧がかかってる感じで」


じゃあ、自分がベーシストとしてバンドに復帰するとか、 そういう意識が出てくるのはずいぶんあとでしたか?


「2月に進太郎が見舞いに来てくれて『これくらいまでに復帰できたらいいね。でもそのためには、こういうことしなきゃいけないね』って話したことは憶えてます」


焦りはありましたか?


「復帰しなきゃって強く思いつつも、できるのかな……ってずっと考えてましたね。右手が思うように動かなかったんですよ。病室にベースは置いてたんですけど、自分の手で弾いてる感じじゃないんですね。右の手首が脱臼していて、ピックもうまく握れなかったし、とてもこの状態から回復できるなんて思えなかったです。今年中には絶対復帰しなきゃと思いつつ、不安に飲まれそうになってました」


焦ってもしょうがないけど、時間は待ってくれないし。


「そうなんです。でも、こんな状態でベース練習して、悪い弾き癖がついてもよくないし、まず身体の回復に専念しようと思って、最初は、外を歩くリハビリを積極的にやったり、握力を鍛えて過ごしてました。右手の握力なんて、5キロまで下がったんですよ」


5キロって……たぶん箸も握れないよね。


「そう。だから意識が戻ったあと、リハビリ施設で、最初は粘土を握ってました。こっちは早く復帰したいから、アスリートの方がやられてるようなリハビリを想像するんですけど、粘土を握るとか、ゆっくり外を歩くとか、パズルみたいなものをやってみるとか、そういうリハビリの繰り返しで。おまけにそれすら上手くできなくて……悔しいというか、精神的に落ちてましたね。不安で不安でしょうがなかったです。とりあえず生きてるけど、ロックバンドのベーシストとしては、もう無理なんじゃないかって。落ちてく気持ちに飲まれないように必死でした」


それを踏みとどまらせてくれたものは何でしたか?


「やっぱり3人の存在ですね。見舞いに来て、リハビリを見てくれたんですけど、そんな状態になってる僕を見て、たぶん、僕より不安だったと思うんです。今はシーケンス流してライヴやってるけど、いつまで続ければいいんだ?って。絶対キツかったはずなんですよ。でも、いつも笑顔で。安心したというより、その裏の不安がよくわかるから、それでも笑ってくれてる3人のためにも、俺がいつまでも落ちてたり、諦めちゃダメだな、と思いました。だから、できること以上のことをやらないと、と思って。 先生に『そこまでやるの?』って言わせるくらい、リハビリやりましたね」


退院したのはいつだったんですか。


「3月4日です。そこから、3人のライヴを映像で観れるようになったんですよ。それを観て、すごいなと思ったんです。俺が知ってるバニラズじゃなかった。前だけ向いて、ガムシャラで、鬼気迫ってるし、シーケンスでライヴをやってたせいか、セイヤのドラムがタイトになって、すごく成長してた。MCのスキルもめちゃめちゃ上がってた。そしてそういう姿を見れば見るほど、そこに自分がいないのが悔しかった。3人と同じように自分も進むべきなのに、まだ自分はここにいるってことが」


〈ここで復帰できる〉と思えたのはいつだったんですか。


「今だったら大丈夫って思ったこと、ないんですよ。不完全なわけじゃないけど、まだ足りないところがすごくある。この1年間、走り続けた3人の背中を、ずっと追いかけてる感覚です。ライヴには復帰したけど、スキルアップした3人が背中を押して、それと一緒に進んでるんだなって、実感しましたね」


じゃあ、名古屋から4人でやろうと決めたのは?


「3月に退院して、5月に手術が終わったあと、大きな目標を作ったほうがいいと思い、復帰するタイミングを決めたんです。 そこからは、さらに必死でリハビリしましたね。でも腕が動くようになると、今まで当たり前にできてた〈マジック〉や〈エマ〉が弾けなくなってたんですよ。頭を打ったせいなのか、思い出せなくなっちゃってて」


え、自分がバニラズのメンバーで、ベーシストだということは憶えていても、曲の展開やコードは忘れてるんですか?


「ポジションは何となく憶えてたりするから、ここかな、でも音源聴いてみたらこっちっぽいぞとか。うっすらした記憶を頼りに、そのルートをたどって。あとは映像を観て確認したり」


じゃあ全曲、憶え直しているんだ……。


「生まれ変わった気持ちですね。でも退院して、また1からやり直してよかったこともあるんです。前より絶対よくなってる。 僕は前と同じように弾けるんじゃ絶対ダメっていうか、走り続けてきた3人の中に以前の自分が帰ってきたところで、一緒に肩組んで笑えないって思ったから」


今まで、やってたこと以上のものにしなくちゃダメだ、と 。


「そうですね。ベーシストとしてこれまでよりパワーアップしたいので、まずは少しずつでもいいから、前よりいい部分を作ろうと思ってます。ビートのブレなさとか、ピッキングのニュアンスとか、基本的なところから生まれ変わったわけだから、 悪かった癖もなくなってるはずだし、今までと同じとか、プリティが戻ってきた、ってだけじゃ絶対ダメなんですよ。さらによくなった部分がないと、3人と同じ場所には立てないし、〈ああよかった、おかえりなさい〉だけで終わらせたくないんです」


名古屋でステージに立つ前はどんな気持ちでしたか。


「この1年近く、自分がやってきたことをひとつも無駄にしない、って思ってましたね。3人が僕の力になってくれたことも、バンドを止めないでいてくれたことも、待っててくれたお客さんの気持ちも、なにひとつ無駄にするもんか、って。そして、絶対笑顔でいようと思ってました。だって牧も進太郎もセイヤも、 みんな、いつも笑ってくれてたんですよ。本当に苦しくて、悔しくて、泣きたい人が笑顔を見せるって、本当に強いことだなって思った。だからこれから先、どんなに苦しいことや悔しいことがあっても、ロックバンドの一員として、それをただ人に伝えても意味がない。いろんな感情をかみ砕いて、その上で笑ってたい。自分もそういう人間でいたいなって思いました」



文=金光裕史
写真=ハタサトシ


NEW SINGLE『アメイジングレース』
2020.06.03 RELEASE

01 アメイジングレース
02 TTNoW
03 ノットアローン
04 おはようカルチャー (Live at FM802 RADIO CRAZY 2019) ※完全限定生産盤のみ収録のボーナストラック

<完全限定生産盤DVD収録内容>
プリティ復帰に至る奇跡の道程を記録したドキュメンタリー映像作品「おはようケイスケ ~306日間の軌跡~」を収録!


go!go!vanilla オフィシャルHP https://gogovanillas.com/

1 2 3
SHARE
RECOMMEND
RECOMMEND

加藤ひさし(THE COLLECTORS)自伝『イギリスカブレ』重版記念、トークライヴ開催!

#THE COLLECTORS

【連載】言の葉クローバー/兼丸(the shes gone)が『コーダ あいのうた』のセリフから受け取ったもの

#the shes gone , #言の葉クローバー

ヤバT、初の単行本。大好評だったサコッシュとのセットが志摩スペイン村でのライヴで復刻販売!

#ヤバイTシャツ屋さん

WEST.主演映画『裏社員。-スパイやらせてもろてます-』。瑠東東一郎監督が語る7人の魅力と撮影秘話

#WEST. , #映画
CURRENT ISSUE

lynch.結成20周年の節目に語るVo.葉月の歩み。何者でもなかった青年がlynch.のフロントマンになるまで

#lynch.
LOAD MORE

© 株式会社音楽と人

FOLLOW US
タグ一覧
ライヴレポート / 最新号 / WEBオリジナル / アーカイヴ / 編集部通信 / BUCK-TICK / 怒髪天 / 映画 / 小室ぺいの自由研究 / DEZERT / 言の葉クローバー / NITRODAY / PHY / 僕たちプロ野球大好きミュージシャンです! / 音楽と人LIVE / GRAPEVINE / THE COLLECTORS / 9mm Parabellum Bullet / MUCC / 中田裕二 / a flood of circle / noodles / フジファブリック / go!go!vanillas / the pillows / THE BACK HORN / SixTONES / 銀杏BOYZ / Mrs. GREEN APPLE / The Birthday / BRAHMAN / 後輩ノススメ! / ヤバイTシャツ屋さん / ENDRECHERI / UNISON SQUARE GARDEN / SUPER BEAVER / ストレイテナー / KinKi Kids / 吉井和哉 / 2019年プレイバック&MY BEST MUSIC / 忘れらんねえよ / The Songbardsの描写探訪 / The Songbards / 山崎まさよし / THE YELLOW MONKEY / aiko / ポルノグラフィティ / メリー / 社歌を作ろう! / THE NOVEMBERS