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INTERVIEW
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阿部真央が放つ衝撃作『まだいけます』に込めた思いと、10年目で手にした揺るがない強さ

琴線に触れる曲を書く上で、覆せない状況下にある苦しみは譲れない。叶わない恋や夢を味わうために人間は生きてるから




虚像を押し付けられるというのはアーティストとして?

「アーティストとしての感じをイメージしてました、最近はそういうことも減りましたけどね。でも単純に〈お前が求める私なんか全部壊してやる〉と唄うのが気持ち良くて、〈私は何を壊したいの?〉って考えながら作詞していきました」

無意識的な感じでフッと沸いてくる言葉とメロディが強烈ですね(笑)。

「お風呂に入ってる時に出てくることもあるしね。これは何を言ってるの?って自分で考えて、こじつけていくような感じ」

でもやっぱり普段考えていることが出てくるわけでしょ?

「そうですね、考えてるんだろうね。それをカッコつけてみんなよく『曲が降りてくる』っていうけど(笑)、それはちょっと恥ずかしいので、〈ひらめく〉かな。7曲目の〈今夜は眠るまで〉っていうバラードでもそうなんですけど、ひとつの曲でもいろんな意味で聴いてもらえたら嬉しいです。例えば私が書いてるからアーティストとしての虚像、イメージがどうのっていう曲にも聴こえるけど。親が子供に期待して求めすぎてて、そこに反発する曲だととらえてもらってもいいし」

ああ、なるほど。

「スピッツの草野マサムネさんが〈貴方が好きな私〉という曲を好きでいてくれて、その曲の批評をしてくれた時に、親子の視点で当てはめてくれて、愛しても愛しても愛されることのない悲しみがあるんだみたいなことを言ってくれたそうなんです。私は恋愛ベースでしか書いてない曲だけど、そういう視点もあるんだと感じてから別の視点も意識するようになりました」

そしてこのアルバム、3曲目の表題曲「まだいけます」まで攻撃的に畳み掛けながら4曲目の「どうしますか、あなたなら」が上手く機能していて。良い自分であろうとするから苦しいんだ、そのままの私で歩きたいんだというひとつの着地点を見出す流れになっているんですね。

「はからずも」

はからずもなんですか?

「曲調だけでここに入れたから。偶然の産物です(笑)」

しかもこれシングル曲なんですけど、アルバムのこの流れで、より輝いている。

「いや、ラッキーでしょう。ドラマの主題歌としてすごく注目された曲だから、この曲がアルバムの早めにこないとつまんないと感じるリスナーもいるだろうなと。そのあとのバラードとかの流れも入れやすかったので」



で、その次の「pharmacy」もすごい好きです、私。

「嬉しいなあ」

〈旅に出なよ魂 君の腕の中はpharmacy〉ってところが最高。

「そう、そこ! あ、指さしちゃった(笑)。そこが一番最初に思いついたの。これ実は〈どうしますか、あなたなら〉が主題歌に決まった時に、もうひとつの候補として作った曲で。〈どうしますか〜〉が選ばれたので、この曲はアルバムに入れようと思って。2曲続いて、いい流れだよね」

完璧ですね。

「今回ね、たまたま上手くいってることが多い」

そしてこのあとは「どうにもなっちゃいけない貴方とどうにかなりたい夜」「今夜は眠るまで」と、続いていて。

「そう、夜の歌が2曲」

どうにもなっちゃいけない恋愛、友達にはやめなって言われる恋愛。世の中的にはすぐ炎上したり批判されるようなことでも、止められない気持ちや恋愛ってあるはずだし、音楽の中では秘密を打ち明けてもいいじゃないかと私は思ってて。そういう意味では、これもまたひとつの阿部真央ならではの恋愛ソングの形としてわりと使命感をもって作られてるのかなと。

「確かに自由ですからね、曲の中では。たとえ自分がどんなクリアな恋愛をしていても、それを不倫の設定に当てはめて書いたりよくしてます。それをあんまり『フィクションなんで』って言うのも夢を壊すかなと思うんだけど。私がずっと求めてることって、いかに聴いてくれる人の心が震えるかってことなんです。琴線に触れるワードや状況っていっぱいあるけど、覆せない状況下にある苦しみというのは譲れないポイントだと思っていて。叶わない恋や、叶わない夢っていうのはやっぱり、それを味わうために人間として生きてるぐらいだと思ってるの。だって上手くいかないことのほうが多いじゃない? 悲しい曲のほうが、共感されるっていうのはそういうところで。自分の思い通りにならない経験が痛みとして残ってたりすると、琴線に触れる。だから悲しみに溢れているもののほうが作品として爆発力があったりすると思うし、恋愛ソングを書く上で、こういうシチュエーションは譲れないところかなと思います。あと、私のアーティスト・イメージもあるよね」

と言うと?

「私がこういう悲しい恋愛ソングを唄うと聴きやすいと思うの、だって幸せそうに見えないでしょ?」

そんなことないと思うけど(笑)。

「だって私、びっくりしたんだけど、何かで〈恋多き女の代弁者のような阿部真央〉みたいに書かれてて。全然そんなことないんだけど。あと『どんな恋愛してきたんですか?』もよく言われるけど、普通の恋愛ですよ? 一人の人と付き合ってても、その中で喧嘩したり失恋したり振られたり一人でバタバタしてるから。それが一般的に見たら恋多き女と思われるのかも。あと『阿部真央には幸せになってほしくない自分がいます』とか」

そこまで言う?(笑)。

「冗談っぽくだけど『阿部真央には幸せになってほしいけど、こういう病みソングが出てくると〈ほんとにありがとう〉って思います』とか言われるよ(笑)。でもそれが、さっき使命って言ってくれたけど、自分の中では強みだと思ってる」

孤独感がすごくあるからこそ、人は私の歌を真剣に聴いてくれる。だから、〈私の売りは孤独〉って唄ってもいいんじゃないかって

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