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INTERVIEW
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阿部真央が放つ衝撃作『まだいけます』に込めた思いと、10年目で手にした揺るがない強さ

孤独感がすごくあるからこそ、人は私の歌を真剣に聴いてくれる 。だから、〈私の売りは孤独〉って唄ってもいいんじゃないかって




逆手に取ってじゃないけど、そんなイメージも強みにして。

「うん。それでみんなが感動してくれるんだったら私も嬉しいし。やっぱり自分で丹精を込めて作った曲を唄うと自然と気持ちも入って、本気のような演じているような感覚になるし。それは唄っててすごく幸せなことだから」

特に「今夜は眠るまで」は、ここでソングライターとしての更なる1曲を作りたいっていう渾身の1曲なのかなと思った。

「ほんと? いや全然。私、この曲を含めた4曲を一気にプリプロで録ってた時に何て言ってたと思う? 『この4曲の中で一番興味ない』って(笑)。でもディレクターさんが『この曲いいよ』って推してくれて。私は自分の感覚が普通じゃないのはわかってるから、じゃあこのアルバムのリード曲でいいですよって」

いや、てっきり〈貴方の恋人になりたいのです〉がYouTubeとかでも長く聴かれていて嬉しいって言ってたから、またそういう曲を生み出したいと思ったのかなと。

「ないない! そんな気持ちがあったら、もうちょっと早く書いてるわ(笑)」

あははははは!

「だって『貴方の恋人になりたいのです』をボツにしようとした女だよ? 別にいい曲だと思わなかったもん。だからこの曲も……」

いやいや、私もアルバムのリード曲はこれだと思う。

「ね、それも学んだの、この10年で。自分の采配だけでいろんなことを決めちゃダメだなって。周りの人の意見って大事なんだなって今この瞬間にも思ってる(笑)」

「今夜は眠るまで」はイントロから素晴らしいんだよね。

「笹路(正徳)さんのアレンジが良いよね〜! ほんとみんなのおかげです。普通に楽しんで書いた曲です」

予想に反する答えが多くて面白いなあ(笑)。「テンション」の〈私の売りは孤独〉って歌詞もすごいですけどね。

「だから私はこういう曲のほうが好きなんですよ(笑)。これは〈私の売りは孤独〉っていう部分がすごい気に入っちゃって。この曲では自分に対して自分が持ってるイメージを書いたんですけど、やっぱり孤独感はすごくある。誰にも入ってきてほしくない領域があるというか。でも、この孤独感があるからこそ人が私の歌を真剣に聴いてくれるんじゃないかと仮説を立てた。だから〈私の売りは孤独〉って唄ってもいいんじゃないかって」

なるほど。これもひとつの愛の歌だなと思ったんですけど、どういうタイプの愛なんでしょうか。

「要は私の孤独を満たせるのはあなただけなんだけど、あなたがこっちを見てないと私は孤独なんだよ、その様をずっと見てなさい。10年経っても、20年30年と経っても……お地蔵さんみたいにここにいる。ほらごらん?みたいな。怖っ(笑)」

執念に近いものを感じますね。この切り口で恋愛ソングを書けるのは阿部真央しかいないですね。

「そうかな? でもわかるでしょ、そういう人もいるだろうなって。それぐらい相手をずっと苦しめてやろうみたいな気持ちも私の中にある。喧嘩とかすると、絶対ボロボロに傷つけてやるみたいな瞬間があって、自分でも狂気の部分だと思ってるんだけど。この関係がボロボロになるまで絶対けちょんけちょんにしてやる、そのプライドをズタズタにしてやるって思ったりするの。そうやって喧嘩しながら、〈あ、こういう部分が曲に生きてるんだな〉って思う。そしてもう一個の頭で〈これをどうやって曲にしようかな〉って考える。これはもうずっと変わってない。だから大変だよね、私と付き合う男の人は」



10代の時から攻撃力が変わらないですね。

「ずっとガキなんだろうね。丸くならなかったね。自分もそういうひどいところがある人間だなって受け入れたら、どんどん出せるようになった。それもこの1年の変化なんです。こういうところがウィークポイントだなと思ってる自分も受け入れる、それは表現者としては悪いことじゃないから」

わかります、ちゃんと生きようって思ったらどんどんつまんなくなっていくんです。

「そうだと思うよ」

私も今まで自分の失敗やダメなところとかも原稿のネタにしてきたけど、子供と接してると子供に迷惑をかけるからちゃんとしなきゃって思うようになって。

「つまんなくなるよね、それは思う。でも大丈夫でしょう!」

ある部分では開き直ったほうがいいのかも(笑)。真央さんは表現者として持っていなきゃいけない大事な部分にも気付いたってことかな、「やっぱり丸くならなかった」っていうのは。

「そう、丸くする必要がなかった。それを出す場面、出さない場面もわきまえてるから。それで何か言われたとしても〈私がそんなことばっかり子供の前で言う母親だと思ってるんですか?〉って思う厚かましさは持ったよね(笑)。そこに縛られてたのは自分だった。どんどんダメなところをなくして完璧にならなきゃいけないと思ってたけど、そうじゃないんだなって。たぶん今回のアルバムっていっぱい遊んでるんですよ、曲順にしてもそう、それは適当なんじゃなくて自分を信じられるようになったから。良い傾向だと思います」

わかりました。「やっぱり丸くならなかった」っていうのがこのアルバムを象徴してますね。

「ですね、残念でした(笑)」

阿部真央らしくて良いです。30歳目前にして考えることもあります?

「それがまったくないんですよね。肌荒れがひどいのは何でかなって思うくらい(笑)」

28、29歳で焦る女性も多いみたいですけど。

「私はほら、もう結婚して離婚してるから、子供もいるし。全部30代でやるつもりだったけど早く終わっちゃったから、あとは自分を生きるのみ!」

そっか。迷いのない30代突入ですね。

「むしろやっと舐められない年齢になったな。10年前は、仕事のことで至極まっとうなことを私が話しても、聞いてもらえなかった。若い女の子というだけで耳を貸してもらえないことが多くて、早く年齢と経験を重ねたいと思ってたから。今はちゃんと話を聞いてくれる人が周りにいて、力を貸してくれる人がいるから、すごく幸せですよ」

文=上野三樹
撮影=笹原清明_えるマネージメント
ヘアメイク=橘房図_etrenne
スタイリング=HALKA

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