NITRODAYのヴォーカル&ギター小室ぺいが、自身が気になったものを独自の視点で調査&分析し、文章に綴っていくWEB連載。今回はぜひ、音楽と人12月号に掲載されている本人インタビューと併せてお楽しみください。
#8「少年たちの予感」
この度、僕たちの新作『少年たちの予感』がリリースになりました! やったー、ありがとう。本当ここまで来れて感謝です。前作の『マシン・ザ・ヤング』が去年12月に出てからおよそ1年、今回は色々とシンセサイザー、ピアノ、ツインボーカル、ポップス、共作のラップ曲、初めてのことに多く挑戦しました。どうだろう、僕らの成長を楽しんでもらえたでしょうか!
今回は僕らがどういう変化を辿ってきたか、今日までにいたる経緯を書き起こしていきたいと思います。まず僕らが初めてちゃんとCDを出したのが2017年、「青年ナイフep」という作品。この時僕らはバンドほぼ始めたてで17とか18。この作品はナンバーガールとかグランジっぽいってよく言われた。実際当時の僕はそこらへんのバンドがすきでよく聴いてたし曲にもかなり濃くその色が出てたと思う。けど自分たちで曲を作ってやってるのに他のアーティストで形容されるのはやっぱり納得がいかなくてその後の「レモンドep」『マシン・ザ・ヤング』ではひたすらニトロデイとは何かっていうことを突き詰めることになった。この時期はこの時期で、THA BLUE HARBの一節“一枚ずつあるいは一度ずつはずさない以外残された勝ち上がる道はない”がずっと頭にこびりついていて、良い作品を作らなきゃっていうプレッシャーが過度なものだった。それが原因でバンドの状態も今と比べると不安定だった。ピンと張りつめた糸、薄いガラス、みたいな。一生懸命すぎたのかも。ただその経験があって、今回少しずつ自分たちのやりたいこと、大事にしたいことがだんだんクリアーに見えてきた。
まずひとつ、楽しむこと。これは今回コラボしたninoheron氏に言われて、ハッとした。なんでこんな大事なこと忘れてたんだろう。何のために音楽やってるんだ! 今まで僕は自分のためだけに音楽をやっていると思っていた。周りの人なんて無視して自分の中で完結して曲を作って満足した気でいた。けど、最近気づいたことは他人だって同じ人間だということ。色んな人がいるけど少なからず通じ合う部分はどこかにあって、それを繋ぐのが音楽であるという可能性を少し信じてみたいと思った。音楽は別に誰のものでもない。ただ単純にいい曲が書けたらすごく嬉しいし、みんなにも聴いてほしいと思うから。肩に重くのしかかってた矛盾がとっぱらわれてとても楽になった。
そしてもうひとつ、NITRODAYとは何か、それは突きつめていくと自分の歌だと思う。もちろんバンドにはいっぱい他の要素があるけど、これから色々と変わっていく中で芯として残り続けるのは、小室っていう人間がいて、そいつがなにを思ってなにを歌うか、そこにたどり着く気がする。
今回の作品の題は「少年たちの予感」、これからどんな未来が待っているかはわからないけど、少なくとも僕はNITRODAYっていうバンドにムゲンの未来を予感してる。次はなにが待ってるだろか。
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Information
ミニアルバム『少年たちの予感』が発売中。
https://www.nitroday.com/