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バンドの危機を乗り越えた、LACCO TOWERの新作。 その先に見つけた答えとは

text by 樋口靖幸

ニューアルバム『変現自在』。その名の通り、改めてLACCO TOWERが自由奔放なバンドであることを標榜した一枚だ。メランコリックな歌モノはよりエモーショナルに、荒ぶる感情を煽り立てるハードな曲はさらにバンドの一体感で押しまくる。そこには、あえて自分たちを切羽詰まった状況に追い詰めて音を鳴らしているようなヒリヒリとしたバンドの姿勢も感じられる。さらに特筆すべきはヴォーカル松川ケイスケによる歌詞だ。もともと彼は思索家で、さらにその思考がマイナス面に陥りやすいタイプの人だが、「六等星(ろくとうせい)」という曲をはじめ、卑屈な思いをそのまま吐き出した歌詞が並んでいる。このアルバムを完成させる過程で、バンドに、あるいは彼に何があったのか。言葉にするのが苦しそうな顔で、崖っぷちギリギリの自分を語ってくれた。




取材するのは久しぶりですが、以前と比べてバンドの状況はいかがでしょうか?


「メンバーとの関係性が前とは圧倒的に違いますね。というのも、これだけ長くやってると、お互い思ってることを言わずに〈こうだよな〉とか〈こんな感じで〉みたいな空気って蔓延しがちじゃないですか」


言わなくてわかる、みたいな関係ですね。


「そうです。〈言わなくてもわかるよね〉みたいな感じでバンドをここ数年やってきたところがあって。それはやっぱり僕らが争いごとを好むタイプじゃないっていうのと、ぶつからないことで関係を保ってきたというか。でも今回のアルバムの制作の過程で、お互いガチンコで話をするタイミングがあって。それがまさにアルバムタイトルを決める時期だったりして、けっこう波乱万丈でした」


 言うなれば、今回のアルバムを作る上で、メンバー同士の関係を見直す必要があったと。


「そうですね。本当にお互いの泥臭い部分と向き合わないと、前に進めなかったというか。そういうことがありました」


 なるほど。追い詰められてるな……と松川くんの歌詞を見て思ったんですが、そういうことだったんですね。



「でもお互い腹を割って話すことができたんで、その部分に関して今はスッキリしてますけど。とにかく、今の5人の足並みが揃ってない限り、バンドは……もう無理かなって僕は思ったんです。それでガチンコで話してみたら、みんな同じ気持ちだったんで良かったですけど」

そんなバンドの状況が反映されたのが今回のアルバムで。


「リンクはしてますね。特に歌詞はその状況下で書いたものが多かったんで……曲によってはメンヘラみたいなものもあります(笑)」


メンヘラって(笑)。けど、楽曲を聴いた印象はちょっと違ってて。こうして話をしててもそうなんだけど、ちゃんとした大人たちがやってるバンドっていうイメージが強かったんですね、LACCO TOWERは。バンドをすごく客観視することができる人たちというか。でもこれを聴いて思ったのは、意外と今までは自分たちの音楽を客観視できてなかったんだなって。

「あぁ……わかります、おっしゃってることは」


 それぐらい今回はLACCO TOWERの音楽を5人が客観視、つまりちゃんとセルフプロデュースできてるってことで。一つ一つの曲の輪郭だったり表情だったりやりたいことが明確になってるアルバムだと思いました。


「ありがとうございます。実はこれ、言うたびにビックリされるんですけど、僕らって今までプリプロ(註:プリプロダクション。レコーディング前のデモ曲の仮録音)をしてこなかったバンドなんですよ。昔ながらのスタジオで『せーの』でやって、アレンジもその場で変えながら曲を作っていくって言う。でも、今回は初めてプリプロをしたので、おそらくいつも以上に自分たちの曲を客観的に見ることができたんだと思います」


ちなみに今までプリプロをしなかった理由は……。


「それもさっき言ったヤツです。〈言わなくてもわかるだろ〉的な。いつも真一(真一ジェット/キーボード)が最終的な形に仕上げるんですけど、〈アイツなら言わなくても大丈夫だろう〉みたいな気持ちがどこかにあって。実際は〈ここはもっとこうしたほうがいいんじゃないか?〉とかあるんだけど、それは言わない。衝突を避けてたし、その関係に甘えてたんです。だからこのタイミングでそこから一歩踏み出さないとって、僕は思ってました」



それがようやく今回できたと。


「今回は大介(細川大介/ギター)が曲作りに関して引っ張ってくれて。彼がプリプロをやろう!って言い出したんですね。彼はあとから入ったこともあって、今までメンバーに遠慮があったんですけど、今回は彼が前に出てくれて」


彼もバンドに危機感を持ってたんでしょうか。



「きっと僕が……ガス欠になってるように見えたんでしょうね。結局このバンドの見せ方の部分って僕がみんなを引っ張らないとダメな部分があったと思うんです。ていうか僕は……〈俺、ひとりでバンドをやってるのかな〉って思ってしまうようになっていて。そういう思いがあったから、メンバーと腹を割って話そうと思ったんですけど」


具体的にどんなところで〈ひとり〉を感じたんですか?



「いろいろありますけど……とにかくメンバーには『これ、俺のバンドじゃねぇんだけど』とか『俺が決めることをただやるだけで、みんな楽しいの?』みたいなことを言いました」


それはずいぶん……相手に踏み込んでますね。


「『オマエはなにがやりたいの?』みたいな感じで。で、結果的にみんなが同じ方向を向いてバンドをやってることがわかって。ただ……今は今で、違う悩みを抱えてるんですけどね」

悪い方向に考えてきた未来に対して〈チクショー!〉って戦おうとしている時期なのかもしれない

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