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INTERVIEW
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バンドの危機を乗り越えた、LACCO TOWERの新作。 その先に見つけた答えとは

悪い方向に考えてきた未来に対して 〈チクショー!〉って戦おうとしている時期なのかもしれない




どんな悩みを?



「今はいいんですよ。アルバムができて、もうすぐ発売になる(註:取材時は8月20日)。それまでの間にこうやって取材を受けさせてもらったり、プロモーションに行かせてもらったりしてると〈俺たちは大丈夫だ〉って思ってしまうんですね。でも発売されて、しばらくすると、また不安が襲ってくるんです。〈このままでいいのかな〉っていう不安が。で、今まではそこを見ないようにしてきたけど、僕は今その不安とどうやって向き合うかで精一杯というか」


あの、いつも松川くんと話をすると〈自分がいかに臆病か〉っていう話になるじゃないですか。今回もそこは避けらない話になってますね(笑)。



「そうなんですよ(笑)。でも……それをいつまでも繰り返しているわけにはいかない。だから今、こうやって取材を受けたりしてるだけで満足してちゃダメなんです。それを今回のアルバム制作で痛感したというか。だから俺……少し前までバンドやってても楽しくなかったです。メンバーに対して、ずっと思ってたんですよ、〈なんでアイツらはバンドをやってるんだろう?〉って。〈俺が作りたい世界観とか俺がやりたいことをただやるだけで、みんな楽しいのかな?〉って」


そう思ってたけど、言えなかった。



「口には出せなかったです。もしかして俺ばっかりやりたいことを主張して、本当は他にやりたいことがあるのに遠慮してるのかな?っていう申し訳なさもあったし。だからバンドを心から楽しいって思える瞬間もあるけど、減ってはいたと思いますし、なんか……ひとりだなって」


そういう松川くんの孤独感だったり疎外感が、今回のアルバムにはすごく出てますよね。



「そうですね。だから……バンドに限らずどんな仕事でもそうだけど、不安って考え出すとキリがないじゃないですか。でもそこと向き合わずにいたここ数年間だったというか。だから今、そことガチンコで勝負してるのかもしれない。考えてもしょうがない不安だったり、悪い方向に考えてきた未来だったり。そこに対して〈チクショー!〉って戦おうとしている時期なのかもしれないです」


ちなみに「六等星」っていう曲が、この中で一番松川くんのしんどさが出てると思ってまして。


「はい……(笑)」



 自己否定の歌ですよね。〈人混みにまみれて 私など見えない/恋人が寝そべる 地中の昆虫みたい〉って(笑)。



「これ、一番自分がズドーンと落ちてる時に書きました」



 〈輝かない私はどうしたらいい〉ってフロントマンが唄ってるバンドって……と思うじゃないですか(笑)。



「しかもサビでね(笑)。でも、その時の僕は素っ裸な自分を出さずにはいられなかった。昔はやっぱり……裸で人とぶつかる自信がなかったんですね。だから頭の中で描いたものをどうにか形にすることばっかり夢中になってた。でも、自分に嘘はずっとついていらんないんですよ」

 裸にならなきゃいけないと。


「そこで僕が大いなる勘違い野郎だったらまだいいんですよ。『俺についてこい!』みたいなことを言える勘違い野郎だったら、みんなもそこに安心してついてきただろうし。でも僕はそうじゃなくて。どこか小賢しかったり器用だったりして、裸になれない自分を誤魔化した。でも、このままじゃずっと不安は消えない。だから本当に思ってることをちゃんとメンバーに言おうと思って」


でも、松川くんが本当に勘違い野郎だったら、とっくにこのバンドは終わってると思います。そうじゃないから続いてるし、「六等星」みたいな歌を唄う人だってことをみんなが知ってるから、一緒にいるというか。僕はそう思いますけど。



「うん……きっと、どっかで僕とメンバーは似てるんだと思います。やっぱり全員が全員、底抜けに何か突きに抜けてる人たちじゃないんですよ。だからお互い争いごとは避けてたし、言わなくてもわかる関係でいようとした。でも、そこに甘えてたらダメなんだってことを知って」


本当にひとりになったらもっと不安になるはずで。だから松川くんはバンドをやってるんじゃないですかね。同じ気持ちの仲間と一緒にいれば、この先の不安にも立ち向かえるというか。



「…………だから、みんなと腹を割って話した時、〈俺ってひとりじゃないんだな〉って思えたんです。〈不安なのは俺だけじゃなかったんだ〉って。そこからどうみんなで這い上がろうか?っていうのが、このアルバムを作ったあとに生まれてきた気持ちで」


 そのためにこのアルバムを作った。そういうことなんでしょうね。


「そうかもしれない。今こういう状況だからできる作品だと思いますし、それがこのバンドらしさとして、もっともっと打ち出していけるようになりたいですね。バンドとしても、自分としても」



文=樋口靖幸


NEW ALBUM 『変現自在』
NOW ON SALE




01 若者 
02 必殺技
03 線香花火
04 泥棒猫
05 地獄且天国
06 炭酸水
07 六等星
08 不機嫌ノ果実
09 永遠
10 夜明前

LACCO TOWER HP http://laccotower.com/
アルバム『変現自在』特設サイト http://laccotower.com/hengenjizai/

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