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中田裕二、全国ツアー完走。本当の居場所を見つけたあの夜のこと

text by 金光裕史

【Live Report】
中田裕二〈TOUR 19 “Sanctuary”〉
2019年6月15日 at EX THEATER ROPPONGI




『Sanctuary』というアルバムは、彼がようやく手にした〈聖域〉なのだ。
そのことを改めて感じさせる、素晴らしい夜だった。

中田裕二という人間は素直でいいヤツなのだが、アーティストとしてはとにかく捻くれている。そして頑固。その声と唄う姿で〈ソウルシンガー〉的な枠に自分を置いていれば、もっとわかりやすく売れているはずなのに、それを拒否して、徹底的に自分のサウンドを追求してきた。時流からは外れたシーンの一歩先を見ているため、ちょっと理解しづらい。AORでも歌謡曲でもシティ・ポップでもない、独特な音楽性を孕んでいるのが彼の音楽だ。

その音楽性の変化に、聴き手は翻弄されつつ、惚れた弱みというのか、ずっとついてきているわけだが、ここに来て、中田裕二自身が、僕たちをちょっとだけ意識し、その存在も含めたものが自分の〈聖域〉だということに気づいたのだと思う。



この日のライヴは特にそういうところが感じられた。彼の楽曲にはいつも気怠さのようなものがついてまわるが、それを含めて居心地がいい。誰にも邪魔されない、SNSの声にも左右されない、自分だけがいいと思えるその場所がこれだった。

そう思わせたのはバンドのグルーヴもあるだろう。平泉光司(ギター/COUCH、benzo)、カトウタロウ(ギター&バックヴォーカル他)、隅倉弘至(ベース/初恋の嵐)、張替智広(ドラム/キンモクセイ)、sugarbeans(キーボード)という鉄壁の布陣。「ONLY I KNOW」はアルバムとは違うバンドアレンジになることで、また違う顔を見せていたし、椿屋四重奏時代の名曲「熱病」は、その圧倒的なサウンドによって、あの頃ちょっと背伸びしているように思えた歌詞が、今の彼にとても馴染んでいた。また序盤に披露された「Deeper」のような浮遊感のある曲は、先程の気怠さを感じさせつつ、深いところへと僕らを引き込んでいく。



そして圧倒的だったのは、本編ラストの「終わらないこの旅を」だ。アルバムでもそう感じざるを得なかったが、これは、ここまで中田裕二という素直じゃないツンデレなミュージシャンを追い続けてきた、そんな人たちへのメッセージ。居場所をずっと探し続けていたけれど、そうか〈聖域〉はここにあったんだなと、彼も、僕たちも感じた瞬間だった。何よりも、聴き手を前に唄う彼が、この日はとても楽しそうだった。「人と一緒にものを作る楽しさもやっとわかった」とアルバムのインタビューで話していたが、まさにそのとおりだと思わされた。その歌は、みんな違ってそれでいい、と言っているようだった。

たぶんこのアルバム、そしてツアーを通して、自分を強く肯定することができたのだろう。そんな彼が作るこれからの音楽に、より期待が増した。「これからもどんどん攻めた曲作っていきます」という最後の力強い言葉にも、その自信が表れていた。

文=金光裕史
写真= 浜野カズシ



【SET LIST】
01 ランナー
02 誰の所為
03 フラストレーション
04 Deeper
05 月の憂い
06 ONLY I KNOW
07 テンション
08 未成熟
09 マイ・フェイバリット
10 サンクチュアリ
11 endless
12 幻を突き止めて
13 熱病
14 UNDO
15 レールのない列車
16 終わらないこの旅を

ENCORE
01 正体
02 MIDNIGHT FLYER


中田裕二 オフィシャルHP  http://yujinakada.com/

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