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INTERVIEW
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森山直太朗コンサートツアー〈人間の森〉51公演、ついに完結。 とある理想を求め続けた旅路を自身で振り返る

毎回〈音楽する〉っていう感覚だけで舞台に立つんだけど、なんでこんなに上手くいかないんだろう?って




コンサートパンフの対談を読んだけど、彼は最初今回のツアーの演出はできないって言ったらしいですね。

「『今までのような直太朗の表現に対する向き合い方じゃ、俺はやれない』って。で、『なんで?』って聞いたら『モードが違う』って言われて〈なんだよモードって!〉ってムカついて(笑)」

でもそこからの話し合いを経て。

「俺も自分が怠けているのは知ってたから。たぶん15年もやってるうちにどこかでライヴを今までつけた筋肉だけでやってるところがあったのかなって。だからあの時に御徒町から『やれない』って言われたことが大きなきっかけではありますね」

そして、今までとは真逆の意識で舞台に立つことになったと。

「とはいえやっぱり〈リハみたい〉とか、普段との境目のない舞台にはならないんですよ。今まで15年やってきたもの……それこそパブロフの犬じゃないけど、昔の彼女と会うと自分も当時のモードになっちゃうみたいな」

喩えがわかりにくい(笑)。

「とにかく身体に染みついてるものがあるわけで。だから彼が言っていたことをそのまま体現するのは難しくて。でもそういう芸風みたいなものが身につく以前に、もっと無垢な表現が僕にはあって、そこをひたすら追求する日々でした。毎回〈音楽する〉っていう感覚だけで舞台に立つんだけど、なんでこんなに上手くいかないんだろう?って思いながらやって」

何が上手くいかなかったんでしょう。

「唄いながらつまんないこと考えちゃうんですよ。どこかでみんなに『最高だね』って言ってもらいたいと思ってしまう。でもそういうことを求めないのが大事で。舞台にそういう欲なのか不安なのかわからないけど、余計なものを持ち込まず、ただ音楽だけで立とうとする。でも何曲か唄ってるとそういう自分が保てなくなってしまう。どうしても唄うための拠りどころとか実感を求めてしまうところがあって。そこは僕らに与えられた今後の新たな課題だなって」

それは難しいですね。

「つまり〈人間の森〉をやったことで、これからの音楽活動においての新しい基準ができたような気がしたんですよ。ツアーが終わったことの安堵感はあったけど、目指していたものの50点にも満たないというか、そういう実感が強いですね」



なるほど。演者としての実感は50点かもしれないけど、観ているこっち側としてはすごく生々しいステージでした。

「あぁ、それは良かったです」



だって今回のツアーで目指してたものって、言うなれば高校時代の森山くんと御徒町くんの関係性みたいなものじゃないですか。だからショウっていう言葉に逃げることを良しとしないというか。

「そうですね」

それと100%同じものを舞台で表現すること自体ムリがあると思うんですよ。

「そうなのかな……でも、そうかもね」

そもそもあの頃には戻れないわけで。森山くんと御徒町くんの関係も。

「うん……確かにあの頃には戻れないけど、ずっと僕らには変わらずあるもの、というのがあって。そう、だからバンド編成だったのかなって」

どういうこと?

「ずっと2人には変わらずあるもの。そこに立ち返った音楽を舞台でやりたかったんだけど、それを自己完結させるつもりは毛頭なかったんですよ。だからバンドメンバーとも嘘のない関係を舞台に立ち上げて……つまり、〈人間の森〉は僕らの友達探しの旅だったんですよ。そういうつもりで始めたわけじゃないけど、気づいたらそういうことになってた」

メンバーもそうだし、お客さんとの関係もそうなることを目指していたと。

「わかんないけど、たぶんそう。だってバンド組むのってものすごい情熱と覚悟が必要じゃないですか。だから俺、今回のツアーが始まって思ったのは……〈バンドの人間関係の面倒くささが嫌だからひとりで音楽始めたんだよ!〉って(笑)」


あはははは!

「って思ったけど、でもね、やっぱりメンバーに助けられる瞬間がなんどもあって。みんな必死に舞台の上でもがいてるんですよ。林田順平(註:チェロ奏者)とか杏(註:バイオリン奏者)とか。俺ってどうしたって自分が安心できるゾーンに留まりたくなるんだけど、彼らが俺の目の前でもがいてる姿を見ると、自分と同じような孤独を抱えて生きてる人っていうのは近くにいて、彼らと一緒なら俺ももがこうと思える。つまり、彼らに救われてるんですよ。だから彼らは友達ってこと。それは今俺と御徒町だけじゃ絶対にできない」

もうすぐツアーが終わるって意識を捨てて舞台に立ってたけど、気づけば自分だけ置いてけぼりみたいになってた

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