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INTERVIEW
  • #flumpool

FCツアーが間もなくスタート。flumpoolの活動休止から再開までの壮絶な物語

いつかまた唄えるだろうとは思いつつも、さすがにこれが長引くなら、ヴォーカルが変わらないとダメかな、って考えましたよ



ちなみに一番始めは何やったんですか? 

「〈labo〉と〈花になれ〉でしたね」

どちらも初期の曲ですね。4人でリハスタに入るならこういう気持ちで、ってメンバーも考えてたんじゃないですか。

「そう。だから休憩中、普通に話ができたんです。たわいもないことをね。新曲どうしようとか、次のライヴでどう見せようかとか、そういう話はしなくていいので。でもメンバーはかなり悲壮感漂ってて。俺には見せてなかったけど、最初のリハで、3人でアイコンタクトとって、黙って首を振ってたみたいですよ(笑)」

ははははは。

「でも僕もね、いつかまた唄えるだろうとは思いつつも、さすがにこれが長引くなら、メンバーも生活しないといけないし、ヴォーカルが変わらないとダメかな、って考えましたよ」


それは自分の中で?

「はい。もう地元に帰ろうかな。でもこの歳で何しようかな。ロックバンドのヴォーカルって、潰しきかないなあって(笑)」

flumpoolから抜けることも考えたと。

「メンバーも、俺の帰りをずっと待つわけにいかないし、どっかでこういう話もしないといけないのかなとか。そういうこと考えて、めっちゃ落ち込むこともありました(笑)。でも、リハの空気が悪くなかったのと、ファンの人が〈待ってません〉みたいな空気をあえて出してくれるのが救いでしたね」

ああ。期待して、プレッシャーかけないようにしようと。

「期待してないし、待ってもないです、って(笑)。そういう言葉に逆に救われたし、ファンクラブの会員の人たちも、1年間活動してないのに、ずっと待っててくれた。その事実が、頑張って明日もトレーニングしよう、って気にさせてくれましたね。僕を絶望させなかった、最後の光みたいなものでした。あとそういう状況になったことで、メンバーと、これからどうするっていうリアルでドライな部分を、さらけだして話せたことも大きかったですね」

もうさらけ出さざるを得ないですからね。


「その関係性が良かった。10年以上一緒にバンドをやってきて、ここまで話したのは初めてでしたからね」


でもその状況でも、これなら大丈夫だって気持ちになれたのって、何がきっかけだったんですか?

「まず隼人さんと出会ったのが6月だったかな。彼は、僕とまったく同じ病気で唄えなくなって、バンドを解散した人なんですけど、それを7年かかって克服したんです。病院の先生を介して紹介してもらったんですけど、そしたら会ったその日に、これは絶対治るなと思ったぐらい、劇的に変わったんです。それまで声が出ない理由がわからないから、どこかにポリープがあるんじゃないかと疑って、内視鏡で徹底的に検査しても、まったく異常がない。じゃあ精神的なものなんだと思いこんでたんですけど、唄う時のフォームの崩れが原因な場合もあると教えられて。だからそれを治すためのポイントをチェックして、週2、3回、隼人さんと練習するようになって」

その出会いが重要だったと。

「そうですね。そして10月末、新代田FEVERで、かなり身内のスタッフだけに来てもらってライヴをやったんですよ。どこまで唄えるだろうってトライアルですね。そこでも正直ギリギリでした。まだ苦しいし、声はか細い。裏返らないだけで、ヴォーカルとしてはまだまだ。でもこれ以上先延ばしにするといつまでもこのままだから、これでいくことに決めて。そこから庄島さんが入ってくださったんです」


あ、そのタイミングからだったんですね。

「2年前から存じ上げてはいたんですけど、隼人さんとのリハビリに、庄島さんが加わったら絶対いいって勧められて。そこから3人で週1のトレーニングを始めたら、相乗効果なのか、今までが嘘みたいに、毎週驚くほど回復していったんです。これも縁というか、ちょっと運命を感じましたね。隼人さんのバンド(註:DuelJewel)も今年、バンドを再結成するんですけど、僕らの本格的な復帰ライヴ(註:2月28日/Zepp Tokyo)の次の日、同じ会場で復活ライヴなんですよ。そんな偶然ある?って、ちょっと鳥肌立ちましたよ」

新代田FEVERの前の段階で、そろそろだよねって空気は常にあったんですか?

「もともと半年くらいで活動再開かなと思ってたんですけど、3月に入ったリハはまったく無理だった。じゃあ次は、10月1日が〈花になれ〉でメジャーデビューした10周年イヤースタートの記念日だから、そこを目指そうと準備してたんですけど、それも無理で。じゃあ活動休止から1年のタイミングだなとか年明けだなとか、って。そのたびにライヴ会場押さえはキャンセルしての繰り返しで」


10月1日も無理だってなった時、心折れなかったですか?


「ヤバかったですよ。もう無理なのかな、と思ったし。でも、その前日だったかな。隼人さんと練習してて〈あ、これいけたかもな〉って思えた瞬間があったんですよ。唄えた、って。隼人さん、自分のことのように泣いてくれて(笑)。その瞬間、10周年を前にして、生まれ変わった気持ちになったんですよね」


2018年は、デビュー10周年なのにバンドとして何も活動できない1年でしたけど、改めてバンドの絆というか、この4人で歩んでいくことを確かめることができた、そんな大切な1年になったんだなってわかります。

「ほんとそうでしたね。この1年がなかったら、心から信頼したメンバーと音楽やるのがバンドだとしたら、そうはなってなかったかもしれない。10年ただ続いただけで、どんどんよくない方向に行ってた気がします。デビューの時のトラウマで、ロックバンドであるにはこうじゃなきゃって、ずっとプレッシャーがあったというか、理想にこだわりすぎてたのかもしれない」

そうかもしれませんね。

「今は前より本音で語り合えるし、頼り合える仲間になったと思います。それはこの1年、お互いが不安に直面して、1人になった時間が多かったからでしょうね。たぶん、最終的には1人なんだって、みんな感じたと思うんです。だからこそ依存してちゃダメだってことも、バンドがこうやって続くことは当たり前じゃないんだってことも、よくわかったし」


そしてこんな状況に直面しても、4人とも、flumpoolを続けたいって思ったわけだからね。

「そうですね。そこが見てくれる人にも伝わるといいですね」

今年は大きな借りをいろんな人に返す1年ですね。

「ほんとにそうですね。ただ〈ありがとう〉を伝えに行くだけじゃよくないと思うんで、この1年で支えられた時に感じたことや、気づいたことを形にしていきたい。っていうか、ここからのflumpoolが、僕、とても楽しみなんですよ」



文=金光裕史
写真=神藤剛

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