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INTERVIEW
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【Archive】阿部真央/音楽と人2009年2月号

音楽をやってる時には、とことんわがままでいたい。でも人間的にはちゃんと成長したいんですよね



どうすればいいのかわかってたのに、出来なかったのかな。

「どうせわかんないだろうと思って、私と話しても。それに……何か、話してくれなかったんですよ。例えば、何回も言いますけど、さっきの〈コトバ〉みたいな話をしても『いや……考えたことない』とか言って、本当は考えてるのか本当に考えて無いのかわからないですけど、逃げちゃうんですよね、面倒臭がって。だから、そんなもんか、そんな人とはあんま話してもわかんないかなあと思って。あとはまあ、単純に怖いというか、人が」

怖い?

「意見をぶつけ合うっていうのは、要は捨て身じゃないですか。体当たりだから。私は嫌われるのがイヤだったので、それだったら最初から関わらなければいいと思ってた」

あー、そうきたか(笑)。

「ふふふ。そうなっちゃった(笑)」

伝えたいことがあるのに、それが伝わらなかったことが凄くショックだったんですね。

「ショックで、モヤモヤしてましたね」

だったら何も言わないでおこうと。そうした感情の蓄積が、曲になっていく。となると、曲が出来てれば日常はそのままでも大丈夫みたいな?

「そうそう、バランスが取れて(笑)。本格的に曲を書き始めたのが高2の後半からだったので、逆に言うと、どんどんそうなっていったというか。最後の方は、人と話はするけど完全に壁がありましたね。自分の中では」

今作で真央さんが一番取り乱すかのように唄ってるのが「デッドライン」という曲の〈誰にも踏み込ませはしない〉〈触らないで〉という部分で。踏み込まれる感覚って、どんな感じ?

「知ったような口調で話されるとダメですね。『お前は○○だろ?』みたいな感じで言われると、それを誰に言われてもカチンときてました」

親だろうが彼氏だろうが友達だろうがカチンだ。

「そう。結局人間ってどんなに近い人でも100%理解するのは無理ですよね。なのにわかったような口を利かれると……それに人間は親でも子供でも、その人用の顔を持ってますよね。だからその人用じゃない顔もあるのにって、ひねくれた考え方になっちゃうんです。例えば人に相談してるとして、それはその人用の顔しか見せてない状態で相談してて、その人はその人用に作ってる私の顔に対して返答してるだけなのに、私はこっち側にもまだ顔がある。だから答えが気に入らなかったら〈こっちにも顔があるのに何?〉って。凄く自分勝手なんで、疲れるんですよ、私といる人は。そんな感じで勝手に踏み込まれたって思うんです」

自分自身がいろんな人用の対応をしてるっていう自覚があるから、相手も信用できないのかな。

「そうかもしれないですね。ただ、信じてしまうと全部信じちゃいます」

そういう怖さもあってブレーキをかけてるんだ。

「そうそう。だから本当に好きになった友達や人は大事にします、信じて」

そんな自分はどう?

「疲れます(苦笑)。とりあえず感情を殺しながら上手く自分と付き合ってます。特に東京に来てからはいろんな人と接することになるので。例えばこうしてインタビューしてもらってるのは楽しくて、素直な自分で話してるんです。でも、当時は苦しいと思っていた面倒な自分を今は守っていかないと、アーティスト・阿部真央として残っていけないなと思っています」

それも音楽のためでしょ。

「音楽のため。ただ、自分を殺しすぎてほんとによくわかんなくなってきちゃう時もあるので、どうしようかなと思っています」

でも、ちょっと挨拶に来た偉い人につっかかってても仕方ないよね(笑)。

「そう、そんなの失礼ですしね(笑)。もちろん、わざわざ挨拶に来てくださって嬉しいですし、社会的な立場で考えると、それが常識。そういう常識も無いと、私の感情を発散する自由な場も奪われるから……本当はもっと、つっこみたいですけどね(笑)」

本当はもっとやり合いたい?

「うん、ちゃんと気持ちを交換して、合うのか合わないのかを確かめたい。私は今、東京で友達がいないので、余計に自分の感情がよくわかんなくなってる状態ですね。でもね、デビューしたらまた脱却できると思います!」

この作品を聴いてもらってる、という前提で人と接するとまた違ってくるかもしれないですね。

「どうだろう? このアルバムが発売された時点で、どれだけの人が歌抜きにして阿部真央に興味を持ってもらえるか、ですね」

歌抜き、なんだ(笑)。

「はい。最終的には私はやっぱり人間的に求められたいので。どういう人に出会うのか、そして私がどういう風に感じていくのかっていうのが楽しみです」

今は本来の、面倒な自分を生かしつつ、それを音楽に反映させていこうというプロ意識のようなものがあると。

「そうです。面倒臭さがなくなっちゃったら終わりですね。音楽をやってる時には、とことんわがままでいたい。でも人間的にはちゃんと成長したいんですよね」

うん。とりあえず東京で友達を作ろっか。

「欲しいですねえ。友達、募集中です!(笑)」


文=上野三樹
写真=新保勇樹
ヘアメイク=岩田恵美

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