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INTERVIEW
  • #THEE MICHELLE GUN ELEPHANT
  • #アーカイヴ

【特集】THEE 30TH×音楽と人 | 『カサノバ・スネイク』INTERVIEW

text by 金光裕史
2025年11月5日


来年2月にデビューから30年を迎えるTHEE MICHELLE GUN ELEPHANT。バンドのデビュー30周年の節目に始動したプロジェクト〈THEE 30TH〉に呼応した『音楽と人』2025年11月号の表紙巻頭特集に続き、本サイトでも、これまで彼らが発表したアルバムの記事から、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTの歩みを振り返ります。第5弾となる今回は、5thアルバム『カサノバ・スネイク』。歌詞をキーワードにアルバムに迫った4人インタビューとメンバーそれぞれへのパーソナルインタビューで構成された表紙巻頭特集より、ウエノコウジ・インタビューをお届けします。


(これは『音楽と人』2000年4月号に掲載された記事です)


『カサノバ・スネイク』を手にして、みんな、いろんなことを思い浮かべているだろう。広大なアメリカの、トウモロコシ畑が広がる光景を想像したかもしれない。漆黒の闇を突き抜ける一瞬の光を見たかもしれない。切なさとロマンチシズムにあふれたリアルに残る舌触りを感じたかもしれない。しかし確実に誰もが感じるであろうこのアルバムにあるカッコ良さというのは、4人でこれからもロックバンドの音を鳴らし続けていくことを確信したかのような……そう、覚悟を決めた先にある安らぎというか、落ち着き。そしてそこから来る、もう怖いものなど何もないかのように、すべてをぶつける狂った感じ。失うものは何もない……というよりも、俺たちが失うはずがないといった強い自信。そんなところにあると思うのだ。前作『ギヤ・ブルーズ』のラストを飾った「ダニー・ゴー」で〈錆びた風は/続くだろう〉と歌われたあのメンタリティは、その確信を深め、さらに絶対になった。そんなヤツらが生み出したものに、敵うものなんてないのだ。


そしてウエノコウジ。プロレスとサウナと酒には一家言持つベーシスト。彼がミッシェル・ガン・エレファントに持つ情熱こそが、このバンドの存在位置を物語ってくれていると思う。みずからをミッシェルNo.1ファンと言い、ベースがどうこうよりバンドが大事で、続けていくことを強く願う男。きっとここが、はじめて自分が見つけた落ち着ける場所であり、自信が持てる場所なんだろう。そしてここに関わるいろんなことを、何より大切にしていたいに違いない。


永遠はどこにも存在しないけれど、願い信じる思いには、それを可能と思わせる力がある。彼がミッシェルに向けた思いは、まさにそんな感じだ。そしてそれが最大に昇華されたからこそ、この『カサノバ・スネイク』というカッコいいロックンロール・レコードが生まれたのだ。



や、素晴らしいアルバムになったね。


「うん、毎回そうだけど、その時のバンドの気分が……生き様があるよね」


滲み出てると。


「や、滲み出てるんじゃなくてバキッと立ってるっつー感じ。そういうレコードになってると思う。『ギヤ・ブルーズ』作ってからさ、でっかいとこでもやったし、ちっちゃいとこも60何本も廻ったでしょ。で、夏のイベント、ライジング・サン。すぐロンドンでライヴやって、そこからアメリカ行って。それ全部だよ」


そういうものがバキッと立ってると。そのアメリカの乾いた空気とかさ、抜けた感じとか地平線とか、そういうところでなんか影響したものってあると思う?


「それはあんじゃないの? やっぱ。経験してるしね。アメリカの上のほうはもう全然カラッカラだしね。ああいう感じ。詞にも出てるけどトウモロコシとか砂漠とかさ……」


ああ。〈まだ西へ行く〉とか〈からからの温度の中で〉とか〈闇溶けた地平線〉とか、ね。


「そうそう。それはやっぱ経験してたら自然と出てくんじゃないの? 『ギヤ・ブルーズ』作り終わって『ギヤ・ブルーズ』の世界が『カサノバ・スネイク』に移り変わっていく様っつーのは、全部経験しないとわかんないよね。そのすべてが『カサノバ・スネイク』だよ」


すごく確信に満ちたアルバムだなぁって気がしたけど。


「確信……そうかな」


前の『ギヤ・ブルーズ』の「ダニー・ゴー」に象徴されてた願いよりもさらに強いというか。もう俺たちはこれで全部オッケーって感じの確信に満ち溢れてる気はした。


「おめえがそう言うならそれでいい!(笑)。まぁでも、自然だね。そんなことも話し合ったりしねぇし、レコード作ってる時は。カッコいいロックンロールのレコード作ることぐらいしか考えてないからね」


カッコいいロックンロールのレコードっていうのは、ウエノくんの中ではどういうふうに見えてるもんなんですか?


「そりゃたくさんある……どうなんだろうね。……カッコいいロックンロールのレコード……」


いろいろあるじゃないですか。ジャケットがカッコいいのかもしんないし……。


「全部、全部。音から、ジャケットから、もう全部。俺らが欲しかったレコードは『カサノバ・スネイク』なんだよ。それができるまでやるし、それをやっただけなんだよ」


うんうんうん。


「やってる時っつーのはどうなのかな……俺が考えてるイメージとか画とかを一曲一曲ごとにそれに近付けるっつーか。それが集まってアルバムになった。でも〈カサノバ・スネイク〉っていうのがキーワードだから、結局最終的に録ってみると〈カサノバ・スネイク〉になってたっていう」


それは2年前に録っていったら〈ギヤ・ブルーズ〉になってたっつーことだね……神様が勧誘してるみたいだ(笑)。


「なんだろうね。いやでもそれはだから、ガチッと4人でそっちの方向いてればそうなるはずなんだよ。絶対に」


4人がずっと同じ方向を向いて、バンドはずっと続くんだと思ってたりしますか?


「うーん。あんま先のことは考えないから。ま、続いてくんじゃないのかね? わかんねぇけど……そんな気もするけど」


最初の頃はギターがいない時期もあったわけじゃないですか。そういう中でもやっぱりこのバンドを続けていたいなって気持ちはすごく強かったんですか?


「だったからやってたんじゃないのかねぇ。だからやっぱライヴが決まってないと、なんか嫌だったし……今もけっこうそうなんだけど」


ライヴないとなんか不安になるの?


「不安つーか、なんか漠然とライヴやりてーなぁつーか……毎回そうなんだけど、アルバムできたばっかりでまだやってない曲のほうが多いからね。まぁ『ギヤ・ブルーズ』もそうだったな。ライヴやりたいね」


昔好きだったバンドっていろいろあったわけじゃん?


「腐るほどあるよ。あ、うち遊びに来れば? レコード一枚一枚見てってくれよ」


(笑)でも例えば、そういうバンドに求めたものと自分がバンドやり始めて、感じた違いとかってあります?


「うーん、どうだろうね……でも、例えばザ・ジャムとかすごい好きだけど、別になりたいっていうわけじゃないしね……っていうかまぁ、俺はミッシェル・ガン・エレファントNo.1ファンだって知ってるだろ? だからいいんだよ。別に当時憧れてたものとかもう関係ないもん」


ミッシェル・ガン・エレファントの一番のファンとしては、ミッシェルのどういうとこが魅力なんですか?


「なんだろうねぇ! やっぱやりたいことができるし」


やりたいことっていうのは?


「カッコいいレコード作って、いいライヴをやること!」


カッコいいベースラインを弾くこととか?


「ベースはいいや(笑)。バンドとして。そっちのほうがすごく……強いかな、俺は」

ここと違う場所に立ってる自分っていうのが信じられないというか……考えたくない(笑)

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