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〈UKFC〉にsyrup16g、[Alexandros]らが登場。これまでの集大成となった2日間を徹底レポート

今日に至るまでにどんな時間を過ごし、ここまでどう歩いてきたのか。それをどのバンドもステージ上で雄弁に伝えていた



■DAY2(8/10)


朝から雨模様となった2日目は、FUTURE STAGEからのスタート。最初に登場したのは平均年齢21歳、昨年12月にUK.PROJECTに加わったばかりのライティライトだ。「UK.PROJECT最年少! 俺らの音楽を聴いてくれ!」という言葉とともに勢いよくライヴに突入し、瑞々しいパフォーマンスを見せていく。ラストに「決意の歌」だというファーストEP収録の「バンド」を演奏し、初UKFCに臨んだ自分たちの思いを伝えた。また続いてFUTURE STAGEに立ったAre Squareは、25分の持ち時間の中で、未音源化の新曲を3曲も披露。2年ぶり2度目となるUKFCのステージで、現在進行形で成長している自分たち姿を見せたい。そんな気概を感じさせたのだった。



この日のFRONTIER STAGEのトップバッターを任されたのは、5年ぶりの登場となるTOTALFAT。「ただいま帰りましたUKFCー!」というShunの言葉を合図に「PARTY PARTY」を投下。続けて「この並びなら呼ぶしかないよね」と、次に控えるBIGMAMAの金井政人と東出真緒を呼び込み、「晴天」「夏のトカゲ」を披露する。さらに7月末にリリースされたばかりの最新アルバム収録の「夏ノ大蜥蜴」では、曲中の〈酒持ってこい!〉のコールに合わせ、the telephonesの石毛輝と岡本伸明が、振る舞い酒を手にステージに登場し、UKFCのお祭り番長としての面目躍如と言わんばかりに、序盤からハッピーな空間を生み出していった。そして、2年前に自主レーベルを立ち上げDIYで活動し始めた自分たちにとって、今もなおUK.PROJECT、UKFCがかけがえのない場所であることを熱く語り、「Place to Try」でライヴを締め括った。


UKFCの礎を作った5バンドのうちの1組であり、3年前にUK.PROJECTから独立したBIGMAMA。Are Squareからバトンを受け取った彼らが、サウンドチェックのためステージに現れ、「荒狂曲“シンセカイ”」でリハを始めるとフロアの熱気は早くもマックス状態である。ライヴは、15年目を迎えたUKFCや仲間たちとの久々の再会を祝すかのように「MUTOPIA」からスタート。金井が「ただいま、UKFC」と口にすると、会場のあちらこちらから「おかえり!」の声があがる。本番前の盛り上がりしかり、今日ここに集まった誰もがこのバンドの帰還を待ち望んでいたことがよくわかる。最新ナンバー「旋律迷宮」を終え、「先輩! 好きにやっちゃってもらってもいいですか!」とTOTALFATのShunとJoseを呼び込むと、お手製の金井のお面をつけた2人が登場。そして〈金井政人3人体制〉で「美術 | ESORA」を披露というUKFCならではの特別な瞬間を生み出した。この日、ここ3年ほどの間に生まれた楽曲を中心としたセットリストでライヴに臨んだBIGMAMA。独立以降も変わらず自分たちのやり方で戦っている姿を見せる。それが、今回彼らが選んだUKFCへの愛情の示し方のようだ。その上で、「UK.PROJECTに愛を込めて!」という言葉とともに、ファーストミニアルバム『short films』の1曲目、「Look at me」をラストに演奏するのもまた、実にBIGAMAMAらしいUKFCライヴとなった。


「次はLAYRUS LOOP!」と、彼女たちのファーストアルバム『HAPPY BIRTHDAY』をプロデュースしたBIGMAMAの金井からバトンが引き継がれ、FUTURE STAGEに姿を現した3人。シンプルかつどこか懐かしさを感じるポップなサウンド、そしてオオトシ ユリヤの透明感のあるキュートな歌声が耳を惹きつける。「心躍る方へ」では、BIGMAMAの東出がゲストとして登場。新たに縁を結んだバンド同士が、UKFCのステージで共に音を鳴らす姿も見せてくれた。


FRONTIER STAGEにおもむろに現われ、サウンドチェックからそのまま本番へと突入した銀杏BOYZ。今回は、峯田和伸と加藤綾太の2人による弾き語り形式での出演である。つい1ヵ月前にZeppツアーを終えたばかりの彼ら。願わくば、バンド形態での彼らを見たかったが、11年前、オリジナルメンバー3人が去り、峯田1人になった銀杏BOYZの最初のステージがこのUKFCでの弾き語りであったことを考えると、今回この形で出ることは、彼なりのUKFCに対するリスペクトの表れなのであろう。隣にいるサポートメンバーの加藤に話しかけるように、UKFCへの祝辞を送ったあと「これからもでこぼこする毎日の中で、曲を作っていけたらと思う」と自身の在り方を口にした峯田。そして、ツアーでもラストナンバーとして届けられたラップアレンジの「DO YOU LIKE ME」で、2014年以来2度目のUKFCのステージを終えた。


そのあとFUTURE STAGEに登場したのは、the shes gone。堅実な演奏とともに、このバンドの核となる〈歌心〉を会場の隅々まで届けていく。コロナ禍やホーム会場であった新木場スタジオコーストの閉館などで一時中断していたUKFCが、2023年に新たな形で復活したきっかけを作ったのは、このバンドのフロントマン兼丸だ。「化物」を終え、UKFCという場所に脈々と流れるものを自分たちが受け継ぐのだと語った彼は、「僕ら含めて、このステージに立つバンドたち、これが今のUK.PROJECT、UKFCなのだということを楽しんでもらえたら」と伝えた。この2日間でFUTURE STAGEに立った若手バンドたちの中心的存在にシズゴがなりつつあることを感じる、そんなライヴでもあった。


続いて登場したのは、7年ぶりのUKFCとなるThe Novembers。開催に先駆けて行ったPOLYSICSのハヤシとの対談で、「いい時間を過ごして今日までたどり着きました、という成長をちゃんと伝えたい」と小林祐介は語っていたが、まさにその言葉通り、今の4人を十二分に伝えるライヴとなった。なかでも圧巻だったのが、「楽園」から映画『AKIRA』のテーマ曲「KANEDA」を経て「New York」へと繋いだ後半。ピックから弓に持ち替えたケンゴマツモトが鳴らす独創的なギターサウンドや、ハンドマイクで唄いステージを完全掌握する小林、そして高松浩史と吉木諒祐が繰り出す強靭なビートによって、覚醒と進化を重ねてきたバンドの姿を強烈に刻みつける。「改めまして、出戻りのThe Novembersです」という挨拶から「自分たちの理想を勝ち取ろうという思いを胸に2013年に独立しました。でもそれ以来、1日もUK.PROJECTのことを忘れたことはありません」と言い、かつての仲間やスタッフが誇れるようなバンドであるために、これまでもこれからも誠実にやっていくのだと話した小林。ラストは、自分たちの原点であるUK.PROJECTやUKFCの仲間たちをはじめ、この日この場所に集まったすべての人たちへの感謝を「Morning Sun」に込めて丁寧に届けたのだった。


後半戦へと突入したUKFC。FUTURE STAGEには、初年度からUKFCを盛り立ててきたthe telephonesが登場した。右足の骨折により先月22日のワンマンには参加できなかったドラムの松本誠治の復活ライヴとなったこの日。「Monkey Discooooooo (2024)」「Urban Disco (2024)」と現体制でアップデートしたライヴアンセムを連投し、フロアの熱気を押し上げていく。相変わらずフリーキーな動きをみせる岡本だけでなく、ライヴ後半には、石毛もギターを持たず、ステージ上を飛び跳ねながらフロアを煽っていく。2年前、新体制初のライヴとしてUKFCを選んだ彼ら。そこから試行錯誤を重ねて新たなthe telephonesのスタイルを構築し、バンドというフォーマットに縛られず、自由に音楽を鳴らしている。「Love & DISCO (2024)」では、TOTALFATのShunが登場し、先ほどのお礼とばかりに、メンバーに祝い酒を振る舞った。そして最後は岡本同様に上半身裸になったShunと共にUKFCヘの愛と〈Disco!!〉を叫び、ライヴを締め括った。


the telephonesがぶち上げたフロアの熱気を引き継ぎ、さらに踊らせまくったのはWurtS。DJブースから飛び出したウサギとともに、ステージを軽やかに動き回りながら唄った「SWAM」を終えてのMCでは、UK.PROJECTに所属する際のエピソードを披露。最初に声をかけられた時、悪い大人に騙されるんじゃないかと思ったが、[Alexandros]が所属してる会社であることを知り、自分もここで音楽をやっていきたいと思ったのだという。そして「今後、若いアーティストがスタッフに声をかけられた時、〈WurtSがいるなら大丈夫だ〉って思ってもらえるようなアーティストになっていきたい」と実に頼もしい言葉を口にした。彼の存在を一躍世に知らしめた「分かってないよ」では、大合唱が巻き起こり、「どうかしてる」では、タオルスクリューの海を出現させる。昨年大阪で行われたUKFCでは大トリを務め、その2ヵ月後には日本武道館で初ワンマンを行うなど、その成長速度は目を見張るほどだが、すでにUKFCの先輩たちとも比肩する存在であることを実感させる堂々としたパフォーマンスを見せてくれたのだった。


2日目のFUTURE STAGEのトリを任されたのは、UKFCの長兄・POLYSICS。初年度から皆勤賞である彼らは、「シーラカンス イズ アンドロイド」で15年目のUKFCのライヴをスタートさせた。つい2日前に誕生日を迎えたばかりのハヤシが「UKFC15周年おめでTOISU!」と挨拶したあと、新曲「Tao」を披露。そこから「Pretty Good」「Electric Surfin' Go Go」と繋ぎ、新旧織り交ぜたナンバーでライヴを進めていく。ステージ脇には、長兄のライヴを見守るThe Novembersの小林や、酒杯を手にしたTOTALFAT&the telephonesの面々の姿が。UKFCを通して生まれた縁、絆を感じさせる光景だ。再来年には、結成30周年を迎えるPOLYSICS。しかしベテランの貫禄とは極北のアグレッシヴなライヴを展開し、大トリを務める[Alexandros]にあとを託したのであった。


今年デビュー15周年となる[Alexandros]の4人が現れると、この日一番の大歓声があがる。おなじみのSE「Burger Queen」がバンドの演奏へと切り替わり、ファーストアルバム収録の「For Freedom」へとなだれ込んだ。そして、これまた初期の「Waitress, Waitress!」「Starrrrrrr」へと繋げるというUKFCだからこそのオープニング。そこから川上洋平が「ライヴで1番嫌いなのは静かな時間です!」と言い放ち、「WITH ALL DUE RESPECT」「Kick&Spin」とアグレッシヴなナンバーで畳み掛ける怒涛の展開に。楽曲によってサポートメンバーを加えながらも、リアド偉武が叩く力強いビートと躍動感あふれる磯部寛之のベース、そして切れ味鋭い白井眞輝のギターが生み出す強固なバンドグルーヴによって、まるでワンマンのような圧倒的なステージを魅せていく。
「みんなめちゃくちゃいいやつらなんですけど、ステージ上では、中指を立てさせてください!」と彼らしい形で、UKFCの仲間たちへのリスペクトを口にした川上は、ひとたびステージに上がれば戦いであるとも語った。〈和気藹々とせめぎ合う〉。いつの頃からかUKFCの在り方を示す言葉として使われるようになったが、それをUKFC以外でも体現してきた彼ら。だからこそ今があるのだ。
アンコールでは、WurtSを呼び込んで「VANILLA SKY 2 (feat. WurtS)」を披露。その後、ステージ後方に掲げられたバックドロップを見ながら、「みんなももっとでっかい光景見たいじゃん?」と、UKFCをもっと大きなところでやりたいと話した川上。その言葉を聞いて、ツアー形式で行われた初年度のUKFC、その最終日の福岡のステージで、バックドロップに描かれた日本地図を世界地図に変えたいと語った彼を思い出す。そして「ワタリドリ」「city」の2曲をプレイし、2日間にわたる〈UKFC on the Road 2025 -15th ANNIVERSARY-〉は大団円を迎えたのであった。


〈UK.PROJECTの家族会議〉という意味の言葉を冠しているように、年に一度、お盆に親戚一同が集まって近況を報告し合う、そんなUKFCらしい空気が色濃く出た2日目。今日に至るまでにどんな時間を過ごし、ここまでどう歩いてきたのか。それをどのバンドもステージ上で雄弁に伝えていた。また15年前、同じ事務所という共通項のみで、音楽性もキャリアもまったく異なる5バンドが一堂に会した際に生まれた〈自分たちなりのファイティングポーズを見せる〉という精神。そしてUK.PROJECTやUKFCの仲間への愛情を示しながら、ひとたびステージに上がればバチバチにやり合う姿勢など、UKFCが15年かけて培ってきたものを改めて感じた1日でもあった。


今年の開催発表時のUK.PROJECT社長・遠藤氏のコメントには〈UKFCの15年の総括〉という言葉もあり、一旦ここで一区切りということになるのだろうか。この2日間で集まったアーティストたちは、それぞれの場所で、それぞれのやり方で今後も音楽を鳴らし続けていく。いつかまた、UKFCで彼らと再会できる日を心待ちにしていたいと思う。



文=平林道子
写真=河本悠貴(FRONTIER STAGE)、Emily Inoue(FUTURE STAGE)

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