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【連載】言の葉クローバー/兼丸(the shes gone)が『コーダ あいのうた』のセリフから受け取ったもの

text by 音楽と人編集部

心を揺さぶられたり、座右の銘となっている漫画、映画、小説などの1フレーズが誰しもあるはず。自身の中で名言となっている言葉をもとに、その作品について熱く語ってもらう連載コラム『言の葉クローバー』。今回はthe shes gone兼丸が、2022年の米アカデミー賞で作品賞、助演男優賞、脚色賞の3部門を受賞した『コーダ あいのうた』を紹介。作中でもっとも印象的なセリフから彼が受け取ったものとは。

(これは音楽と人2025年5月号に掲載した記事です)



Go

『コーダ あいのうた』


 

作品紹介

『コーダ あいのうた』監督:シアン・ヘダー
2014年製作のフランス映画『エール!』のリメイク作。聴覚障がいを持つ家族の中でひとり聴者である少女が、唄うことを夢見て成長していくハートフルストーリー。2022年、第94回アカデミー賞で作品賞、助演男優賞(トロイ・コッツァー)、脚色賞の3部門にノミネートされ、同3部門を受賞。主人公の父親役を務めたトロイ・コッツァーは、男性のろう者の俳優で初のオスカー受賞者になった。2022年、日本公開。


この映画は唄うのが大好きな女の子が主人公で、その子の家族――お父さんとお母さんとお兄ちゃんはみんなろう者なんですよ。だから娘に仕事の手伝いをしてもらったり、通訳として彼女が外の社会とのパイプ役になっていたり。でも主人公は歌の才能があって、音楽の勉強をするために大学に進学したいと思うようになっていくんです。


家族からすると彼女がいなかったら家の仕事は回らないし、全員が頼り切っていたから、娘が家を出るなんて以ての外で。それに歌のために大学へ行くって父親からすると理解できないことなんですよね。これって障がいがあるない関係なく、みんなあると思うんですよ。例えば息子が急にYouTuberになるって言ったら、親世代の方たちは〈どういうこと?〉みたいになると思う。たとえ家族であっても相手を理解するのはすごく難しくて。でも最後には娘の思いを汲み取って、お父さんは「Go」と言って送り出すんです。自分のわからない世界に対して応援してあげることとか、理解してあげることがどれだけ今の社会に必要か。映画ではそこがけっこうエモーショナルに描かれているんですよね。


で、その「Go」ってセリフは映画の中でろう者である家族が唯一発する言葉なんですけど、日本語の字幕では「行け」って書かれてるんです。たぶんそこには「行ってらっしゃい」っていう温かさもふくまれているだろうし、ろう者のお父さんは通じ合えないからって健常者のことを拒んでいたんですよ。そういう人が手話じゃなくて口に出して言葉を伝えるってことの重みもあって、お父さん自身も成長してるのを感じられる。「Go」って単語ひとつだけで背景がいろいろ見えて、いろんな受け取り方ができるっていうのが表現としても、とてもすてきだなと思ったんです。


英語って日本語ほど繊細じゃないぶん、相手の受け取り方に委ねる部分も大きいし、いろいろ解釈もできるじゃないですか。僕らもアルバムタイトルを英単語にしているし、最新のミニアルバムの「LONG WEEKEND」という曲では〈You, you are sweet〉って初めて英語を使ってみたんですけど、Youを家族でも恋愛対象でも、どちらでも受け取れるようにしてみたかったんです。こういうのって日本語だとなかなか難しい。単純な英単語だからこそ広がりを持たせられるし、その背景を想像してもらえるんじゃないかって。それはこの映画と「Go」というセリフから、繋げてもらった思考な気がします。


公開時に映画館で観て、たぶん初めて映画館で泣いたんじゃないかな。それでもう一度、別の映画館に観に行って。それくらい印象的だったんですよね。曲作りの視点だけじゃなくても、人間愛とか、人の成長や葛藤を深く感じられる、素晴らしい作品です。


the shes gone オフィシャルサイト

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