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INTERVIEW
  • #9mm Parabellum Bullet
  • #アーカイヴ

【特集】9mm Parabellum Bullet 20th × 音楽と人|AL『YOU NEED FREEDOM TO BE YOU』(2024年12月号)

text by 金光裕史


2024年に結成20周年を迎えた9mm Parabellum Bullet。彼らの記念すべき節目にあたり、〈9mm Parabellum Bullet 20th × 音楽と人〉と題し、これまでに発表されたアルバムに関する記事を順次公開していく特別企画も今回でファイナル。第10弾は、最新アルバム『YOU NEED FREEDOM TO BE YOU』を特集した2024年12月号の各メンバーへのソロインタビューより、菅原卓郎編をお届けします。


また現在発売中の『音楽と人2025年4月号』では、このアルバムを携えての全国ツアー〈YOU NEED FREEDOM TO BE YOU〉の手応えと現在のバンドの状態を語った菅原のインタビューを掲載。ツアーのExtra公演となる〈カオスの百年 vol.21〉の前に、ぜひこちらも併せてチェックしてみてください!



(これは『音楽と人』2024年12月号に掲載された記事です)


結成20周年、通算10作目と節目を刻むニューアルバム『YOU NEED FREEDOM TO BE YOU』。〈9mmらしさ〉はそのままに、ここ数年の作品にない、風通しのよさを感じる1枚だ。先月号のインタビューで、アルバムタイトルに絡め、「無限の選択肢から自分に必要なものを選べる権利。それを自由と呼ぶのだと思う」と語っていた菅原卓郎。一触即発、暴発寸前のライヴパフォーマンス同様に、怒涛の勢いで突き進んだ結成からの10年。一転してここ10年は、完全体でのライヴが困難な状況やコロナ禍など、波乱に満ちた時間を過ごすことが多かったように思う。そんな彼らの20年は、さまざまな形で現れる数多くの選択肢の中から、つねにバンドを続けることを選び、進んできた道のりでもあった。

先月号の菅原に続き、メンバーそれぞれへのロングインタビューをここにお届けする。4人が思い描く〈自由〉と、9mmの20年について──。



アルバムの手応えはいかがですか?


「野球で言ったら、カーンっていい音でボールが飛んでいきそうな(笑)、そんな手応えですね」


つまりいい手応えであると(笑)。それは、どのあたりから感じますか?


「まずレコーディングがすごくスムーズだったんですよ。前作からやり方を少し変えたんですよね。ドラムはまとめて録っちゃって、ベースやギターはそれぞれ自宅で録ったりしてる。コロナ禍以降、いろんなやり方を実験してきた中で、このやり方がバンドに合ってたんだなっていうのがわかって。なので今回も、そのやり方で作業を進めてます」


20年目にして、ベストな制作方法がわかったと。


「今さらわかりました(苦笑)。あと、去年から続くアニバーサリーイヤーでの活動から得られたものが、けっこうあるんですよね。初期の曲を演奏する機会が増えて、そのことで自分たちの得手/不得手を改めて身体に入れるところもあったし、みんなが〈おめでとう!〉って祝ってくれるんで(笑)、なんか自分たちのことを肯定していくような感じもあって。だから、いい具合に肩の力が抜けた状態でレコーディングまでいけた気がします。野球に喩えると──」


またか!


「ははははは。力が抜けた状態でバットを振ってるから、球が当たるとよく飛ぶみたいな(笑)」


なるほど(笑)。例えば、初期の頃のような、4人が火花を散らし合う、一触即発的なものを9mmには求められてるんじゃないか?と考えたりしたことはありませんでしたか?


「考えないですね。たぶん『こういう感じだったのに』とか言ってる人って、初恋の思い出を語ってるだけだと思うんです」


初恋の思い出!


「『好きなアルバムは?』って聞かれて挙げる作品って、だいたいは最初に聴いたアルバムか、単純に一番聴いたアルバムのどっちかじゃないですか。だから、そんな意見をやんや言いながら今も9mmを聴いてくれてるとしたら、それは愛ゆえのことなのかなとも思うので、むしろ〈好きだって言ってくれるんだ〉って感じるというか。そういう境地に、この20年でたどり着きました(笑)」


そういう意見に対して〈なんだよ!〉って思うことも、やっぱりありましたか。


「〈そうじゃないんだよ! 前とくらべても、こんなにいい曲になってるんだよ!〉って気持ちは当然ありましたよ。やっぱり前に作ったものを、いかに超えるかっていう気持ちで毎回やってきたし、それがクオリティの高さを保つことにもなったと思うので。それに、2007、2008年当時の9mmを連れてきて、今の俺たちと対バンしたら、間違いなく今の俺たちのほうが、いいライヴができる自信がありますから」


おお。


「でも実際、当時の自分たちと対バンしたいかって言われたら、ちょっと嫌だなとは思いますけど」


勝てる自信はあるけど、嫌なんだ(笑)。


「やっぱ若さの勢いには太刀打ちできないんで(笑)。昔の映像を観た時、〈なんて目をしてるんだ、この人たちは!〉って思ったし、こんな若いバンドいたら嫌です」


はははははは! でも今、20年という時間の中での変化も感じながら、自分たちのベストな状態をアルバムに入れることができた、そういう手応えがあるわけですね。


「そうですね。もちろん今回も、歌詞とかギターフレーズを作っていく中で〈これ、どうするんだ?〉みたいな壁に当然ぶち当たったりもしましたけど、それも今まで蓄積してきたものがあるから、すぐに乗り越えられましたよね」


改めて聞いてみたいんですけど、菅原くんにとって歌詞を書くということは、どういうものになりますか?


「えっと、最初の何年かは、歌詞をどうやって書けばいいかわからないまま過ごしてて。子供の頃から、詩なり文章なり、自分は何か書ける気がするっていう気持ちだけはずっとあったので、バンドを始めた頃から歌詞も書き始めて。でも、どうやって歌詞を完成させるとか、曲を聴いて浮かんだ映像とかイメージをどのくらいまで書いたら、どのくらい自分が思い描いたものが相手に伝わるんだろうってことに関しては、〈Black Market Blues〉ぐらいからわかってきた感じで」


自分の中での歌詞の方程式じゃないけど、やり方が見えてきたのが、サードアルバムぐらいから。


「そうですね。曲に対してのイメージをまず自分の中で構築して、そのイメージをちゃんと届けることができたら完成、みたいな。だから最近自分が9mmの曲に感じてるのは、〈俺たちの気持ちを聴いてくれ!〉っていうものではないな、ということで。むしろ〈こういう気持ちになる装置を用意したので、その中に入って4、5分体験してもらえますか?〉みたいな(笑)。で、出てきた人たちが〈こんな気持ちになりました!〉ってなるといいなっていう」


それが9mmの曲のあり方だと。


「だから曲が持っている感情になれるかどうか、っていうのを歌詞の良し悪しの判断基準にしてるところがあります。例えば〈朝顔が咲いてる〉って歌詞から思い浮かぶ朝顔の色は、聴いた人それぞれだし、曲を聴いて思い描く登場人物だったり情景は、必ずしも同じではないと思うんです。でも、ある程度までのイメージを設定するのが僕の役目というか。その中で、自由に感じてください、みたいな」


それが菅原くんにとっての歌詞であると。


「もちろん、自分がもともと持ってる考えや哲学とかを注ぎ込めるぞっていう曲だったら、迷わず注ぎ込むし。そういう書き方かな」


では今回、迷わず自分の思いを注ぎ込めた曲はどれになりますか。


「〈幻の光〉とか〈朝影 -The Future We Choose-〉、〈Brand New Day〉あたりはかなり顕著かな」


どれも、バラバラになりそうなものを繋ぎ止めたい、終わりを見据えながら、それでも進んでいくんだというような気持ちが書かれたもので。


「それは、自分が通底して持ってる感覚かなと思います。ただ〈朝影〉の2番のサビに〈壊れかけた世界なら/なおさら愛してみせましょう〉ってあるんですけど、これは自分で書いてて、鳥肌が立ったんですよね。〈あ、俺はそういうことを考えてたんだ!?〉って気づかされたというか」


そういうこと、というのは?


「だからバンドを続けてるんだなって。〈壊れかけてる世界なら、壊してしまえ、ホトトギス〉みたいな人がロックバンドには多いかもしれないんですけど、壊れかけてるのなら、なおさら愛そうよって思うんです。それは繋ぎ止めたいってことと一緒なのかもしれないけど」


「それは魔法」にも〈イビツな気持ちごと 抱きしめてしまいたかった〉とありますけど、それって辛いことでもあると思うんです。〈俺の気持ち、ちゃんと伝わってるのかな?〉ってなったりしません?


「それもありますよ。でも、〈だからこそだよ!〉っていうか。だって完璧な人なんていないし、程度の差はあれど、みんなどこかしら壊れてるし、イビツだと思うから。それも含めて愛して抱きしめてやれっていうか。それがロックンロールだし、パンクだと僕は思いますね」


今回、「Brand New Day」が最後にあるのも、すごくいいですよね。〈もうやってらんない!〉って思うこともたくさんあるけど、どっかでちゃんと希望を見つけ出そうとする。そういうところが、菅原くんにはずっとあって。


「ありますね。続けることを目標にバンドをやってきたって話をよくするんですけど、やっぱりステージで曲を演奏している瞬間の、あの景色の凄さや素晴らしさを感じているのが、自分ひとりだけじゃなく、4人がそれぞれ、言葉にせずとも感じていて。その瞬間がライヴ中に必ず一回は起きるから〈ああ、今日もロックンロールしてよかった〉って思えるし、それが続いて今に至るから」


そう思える日が続いてるから、終わりではなく、前に進むことを選んでる。


「うん、そういうことじゃないかな」


文=金光裕史
撮影=後藤倫人_UM



NEW ALBUM
『YOU NEED FREEDOM TO BE YOU』
2024.10.23 RELEASE

  1. Baby, Please Burn Out
  2. 叫び -The Freedom You Need-
  3. Mr. Foolの末路
  4. カタルシス -Album ver.-
  5. 幻の光
  6. Fuel On The Fire!!
  7. それは魔法
  8. Domino Domino
  9. 新月になれば
  10. 朝影 -The Future We Choose-
  11. Brand New Day -Album ver.-


BEST ALBUM
『THE ULTIMATE COLLECTION -20Years, 20Bullets-』
2024.07.31 RELEASE

  1. 太陽が欲しいだけ
  2. Black Market Blues
  3. The Revolutionary
  4. キャンドルの灯を
  5. Punishment
  6. Talking Machine
  7. Discommunication
  8. 光の雨が降る夜に
  9. 黒い森の旅人
  10. ハートに火をつけて
  11. ロング・グッドバイ
  12. Supernova
  13. 名もなきヒーロー
  14. Scenes
  15. スタンドバイミー
  16. ガラスの街のアリス
  17. 生命のワルツ
  18. Mr.Suicide
  19. Brand New Day
  20. One More Time


〈9mm Parabellum Bullet Tour 2024-2025
「YOU NEED FREEDOM TO BE YOU」Extra〜カオスの百年vol.21〜〉
3/17(月)[神奈川] KT Zepp Yokohama


20th Anniversary 特設サイト
9mm Parabellum Bullet オフィシャルサイト

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