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irienchyが、綺麗事を唄う理由。4ヵ月連続リリースの新曲から見えてくるバンドが表現したいもの

text by 平林道子

MOSHIMOのメンバーであった宮原 颯(ヴォーカル&ギター)と本多響平(ドラム)が、音楽仲間を通して知り合った諒孟(ギター)と井口裕馬(ベース)と共に結成したirienchy(イリエンチー)。MOSHIMO ではベーシストだった宮原がヴォーカル&ギターを担当し、4人全員が曲を作るという体制で2020年1月に始動したものの、その直後に起きた新型コロナウィルスによるパンデミックによって、出鼻をくじかれる形となってしまった。しかし彼らは、この逆境をバンドの助走期間として捉え、前向きにいろいろなトライを繰り返しながら、コンスタントに新曲を配信。昨年12月に、初のフルアルバム『MISFIT』を完成させ、弱さや脆さも含めて自分自身を肯定したい、そんな想いをポップでカラフルなギターサウンドに乗せて届けたのだった。

そして次なるステージへと向かうべく、今年7月より4ヵ月連続で新曲をリリース。しかし、そのテーマは〈ラヴソング〉だという。なぜこのタイミングで、恋愛の歌を世に出すのか? その真意も含め、バンドを代表して今回の新曲たちを手がけた宮原と本多に話を聞いた。綺麗事かもしれないけれど、人と人が共に生きていくために必要なもの。彼らは、それをまっすぐに歌にしていく。そんな強さと優しさが、irienchyの音楽には流れている。



バンドが始動したのが2020年1月、つまりコロナ禍が始まる直前で。


宮原「ちょうど最初のミニアルバム『START』のリリース前日(2020年4月7日)に緊急事態宣言が出たんですよ」


ようやくここから本格的にバンドが動き出す、まさにそのタイミングだったわけですよね。


本多「そうですね。ライヴができない、音源しか出せないっていう状況になってしまったんで、とにかくいろんなことにトライしましたね。YouTubeで企画をやったり、クラウドファンディングをやって、お客さんとコミュニケーションを取りながら作品を一緒に作ったり。まだ何者でもない状態のバンドが、どう存在意義を保てばいいのか?っていろいろ考えて。もう必死でした」


宮原「でも、変な言い方ですけど、最初にそういうことになってよかったなって、ちょっと思う自分もいて。準備期間じゃないですけど、その間にメンバーそれぞれのことを知っていく時間にもなったし。僕自身、バンド経験はあったけど、ヴォーカルをやるのはほぼ初めてだったんで、最初の1、2年は発表会みたいな、本当にひどいライヴをしてたなと思うんです」


MOSHIMOで、多くの人の前で演奏する経験はあれど、フロントマンとしてステージに立つのは、またわけが違いますもんね。


宮原「全然違いますね。たぶんメンバーも〈そんな感じでどうするんだよ〉ってストレスを感じてたと思うし、実際、けっこう文句を言われていましたし」


本多「もっと熱くなれよー、とか言われてましたね」


もっと前に出ていけよ、とメンバーからも最初の頃は言われていたんですね。


宮原「はい(苦笑)。恥ずかしがってるところがダサい、とか言われた記憶もありますし。だから今にして思うのは、あのままバンドが動きだしていたら、逆に怖いなって。前のバンドの流れもあって、一番注目されるであろうタイミングでひどいライヴをやって、どんどん興味を失われてしまったんじゃないかなって思うんで。だからバンドにとっても、僕自身にとっても、いい助走期間になったのかな、と今は捉えていますね」


そういった時期を経て、去年12月にファースト・フルアルバム『MISFIT』を発表して、ツアーを廻って。ようやくirienchyというバンドを、ちゃんと示せたところはあるんじゃないですか。


宮原「そうですね。4人でここまでバンドをしてきた証、みたいなものを形にすることができたなと感じましたね。俺たちの今がこれなんだ、俺たちの3年間がこれなんだなって」


本多「あと、第一幕終了とともに、ここからまたスタートなんだ、というふうにちょっと気を引き締める1枚にもなったところもありますね」


そして7月から〈恋愛〉をテーマにした楽曲を4ヵ月連続でリリースされています。最初の「コイ夏」、8月リリースの「曖昧 me mine」は、宮原さんが書かれたものになりますね。


宮原「〈コイ夏〉は、高校生の時に書いた曲なんですよ。これを今、irienchyで唄ったらどうなるんだろうな?と思って、スタジオに持っていった曲で。昔の自分が書いた歌を唄うんで、ちょっと照れ臭さもあったんですけど」


実際に唄ってみて、当時の自分と今の自分に違いを感じたりしましたか?


宮原「むしろ根本は変わってないなって思いましたね。ちょっとずるい感じというか、昔から相手の気持ちがわからないと、自分の気持ちが言えないんですよね」


相手が自分のことを好きなのかどうか、確信が持てないと好きとは言わないみたいな。


宮原「まさにそうです(笑)」


そんな宮原さんの恋愛スタイルが、「曖昧 me mine」には、より出てますよね。はっきりと気持ちを表せないけど、それを理解してほしい、という思いも込められた歌というか。


宮原「はい、まさに〈そう思ってくれたら嬉しいな〉っていう歌です(笑)。女性目線で書いてますけど、うまいこと女性に男側の感覚を理解してもらえないかな?っていう。そういうところも、自分のちょっとずるいところが出ちゃったなと思います」


9月にリリースされた「ダメラブストーリー」は、「曖昧 me mine」とは真逆の、ストレートに思いを伝える告白ソングになっていますよね。これは本多さんが詞曲を作られたもので。


宮原「最初に聴いた時、〈響平そのまんまじゃねえか!〉と思ったし、ほんと僕とは全然違うタイプなんですよ」


本多「僕は、〈白か黒かだ!〉っていうタイプなんで(笑)。もしくは、向こうが白と言うなら、俺もすべて白にする、みたいな」


恋愛における曖昧さはいらないと(笑)。


本多「そうですね」


宮原「それこそ今まで恋愛話なんてメンバーとしたことがなかったんですけど、今回、恋愛をテーマに4人それぞれが曲を作っていく中で、それぞれの恋愛観が見えてきたりして。そこから人間性も見てくるじゃないですか」


本多「赤裸々になっていったというかね」


宮原「だから今回の曲作りを通して、さらにメンバーのことを知ることができた気がします」

弱さを強さに変えたい。音楽を通じて心の中の弱い部分を肯定できたら、という気持ちでirienchyを始めた

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