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INTERVIEW
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シドのフロントマン・マオが語る、売れるという命題と唄うことの楽しさ

生まれ変わった気分なんです、新しい自分、新しいヴォーカリストに。だから、ここからもう1回始めようっていう



デビューしてからずっとヒットメイカーとしてのプレッシャーを背負い続けてきたバンドだと僕は思ってて。そこから逃げたり言い訳することもなく、ここまでやってこれたのはどうしてだと思います?


「これは冗談抜きで言いますけど、運が良かったからだと思います」


や、冗談にしか聞こえないですよ(笑)。


「いろんなタイミングが重なったり、ご縁があったり。それで上手くいってたというか。で、運の良さでやってこれたぶん、喉が不調になった時にすごく辛かったんですけど」


売れたい、っていう気持ちから逃げないでバンドを続けるのも、すごく大変だと思うんですよ。結果がすべてだし、そこに言い訳もできないし。つまり「売れたくてやってるわけじゃない」っていうエクスキューズができない。たぶんアカペラで唄った武道館の時から、マオさんにはそういう覚悟があったんじゃないですかね。


「そうですね。でも、その一方で〈売れるためにやってるわけじゃない〉みたいなバンドのカッコよさへの憧れもあって。でも、それをカッコだけじゃなくて心からそう言えるバンドになりたいんですよ、本当は」


ポーズではなく?


「心の底から『俺らは売れるためにやってない』って言いたい。で、そのためには1回売れないとそう思えないんじゃないかと」


それはシドを始めた時から思ってたことですか?


「そうですね。20年前の武道館もそういう気持ちだったと思いますね。あの時、メンバーを説得したんです。『とにかく今回だけはメンバーは定位置から動かず、バラードだけやって帰るっていうのをやってみない?』って提案して。本当は初の武道館だし、みんな目立ちたいし、花道とか駆け回りたいはずで。でも、そんなことやっても俺らのことを知らない人がほとんどだから」


自己満足で終わってしまいますよね。


「だったらアカペラで始めて、そのままバラードを3曲やって帰ったほうがお客さんを掴めるんじゃないかと思って。そういうのをとにかく考える人間だから、売れることに対する執着がすごくあったんだと思います」


そこまで売れることへの執着心が生まれたのって、何がきっかけだったんですか?


「どこまで遡ればいいんだろう?(笑)。もともと子供の頃から人より秀でたところがなかったんで、とにかく人一倍〈人に認められたい〉っていう願望が強かったんですよ。運動会とか勉強とか目立つ人が羨ましかった。で、バンドを始めた時に〈これだ〉って思って」


で、東京に出てくるわけですね。


「俺の中では東京に出てきたらすぐに売れる予定だったんです(笑)。でも、その時やってたバンドじゃ全然太刀打ちできなくて、それで挫折したんですけど」


当然その頃はバンドじゃ食えてなかったですよね?


「全然です。普通にバイトをしてました。でも2、3年でデビューするつもりだったんで、バイト仲間とも話が合わないというか。〈俺は違うんだ〉みたいな」


ここにいるのは今だけだ、みたいな?


「そうそう。で、東京に出てきた時は武道館でワンマンをやりたい、テレビに出たい、みたいな夢があったのに、気づいたら夢が〈O-WESTでワンマンやりたい〉みたいになってて」


夢が小さくなっていたと。


「で、最初の夢を叶えるためにシドを組んだんですよ」


シドで夢を叶えることができた時、どんなことを思いました?


「あの頃には絶対戻りたくないってことは心に決めました。このままシドがどこまで行けるかわかんないけど、あの頃に戻るのだけは勘弁してほしい。それだけはつねにありました」


それで20年バンドを続けてきた。


「とにかくリリースしてツアーやって、次のタイアップの曲を出して……みたいなのをずっと繰り返してきて。だから……本当に初めてだったんですよ、バンドを止めたのは」


それまで止めるっていう発想もなかった?


「なかったですね。10年前も身体を壊したことがあったんですけど、休むっていう発想すらなかった」


そこまで必死にバンドを続けていく中で、売れなくても楽しくバンドをやってる人たちを見て、何か思うことはなかったですか?


「あぁ……そういうバンドをやってる友達のライヴを観たり、打ち上げにも出たりして、昔のバンドの空気を吸いに行ってましたね。で、〈いいなぁ〉って」


羨ましかった?


「でも、〈俺は俺で今、違う場所で頑張ってるから〉って思いました。いいな、とは思ったけど、やっぱりあの頃の辛い思い出もいっぱいあるんで」


こないだの武道館は、楽しくバンドをやってる人たちのライヴでしたよ。売れるとか売れないとか関係ない、ロックバンドのお手本みたいなステージで。


「それは嬉しいな」


20年前の武道館と同じ熱があそこにはあったと思います。ちなみに、あの時アンコールのMCで「第二章がここから始まる」って言ってましたけど、あれはどういう思いから?


「やっぱり1回、メンタルが叩きのめされたっていう経験があって。辛かったけど、1回休んだことで、違う世界が始まったというか。だから今、バンドをやれてることにすごい幸せを感じてて」


でもその幸せっていうのは、20年前に目指したものとは違いますよね?


「だから生まれ変わった気分なんです、新しい自分、新しいヴォーカリストに。で、ここからもう1回始めようっていう。そういう意味での第二章なんですよ」


で、またここからドームを目指すのもカッコいいと思いますよ。


「もちろんまたやれたら嬉しいけど、今はどこでライヴをやることよりも、ライヴそのものが楽しいと思えてるんで。昔はもっとイケイケで楽しい!っていう時期もあったけど、今は噛み締めるような楽しさがあって。こういう気持ちは20年やってきて初めてなんですよ」


20年続けてきて、心から楽しいって思えてよかったですね。


「よかったです、本当に」


この先が楽しみです。


「ここからは楽しむだけなんで」



文=樋口靖幸
撮影=中野敬久
ヘアメイク=坂野井英明
スタイリング=奥村渉
衣装協力=BerBerJin



NEW SINGLE「面影」
2024.03.20 RELEASE

■初回生産限定盤(CD+Blu-ray)
■通常盤(CD)
■期間生産限定盤(CD+Blu-ray)


〈CD〉 ※全形態共通

  1. 面影
  2. 微風
  3. 慈雨のくちづけ(期間生産限定盤のみ収録)


〈Blu-ray〉 ※初回生産限定盤

  1. “面影” Music Video
  2. Making of Music Video “面影”
  3. “park”(Live from『SID 20th Anniversary GRAND FINAL 「いちばん好きな場所」』)


〈Blu-ray〉 ※期間限定特典

  1. “慈雨のくちづけ” Music Video(「天官賜福」ver.)
  2. “面影” Music Video(「天官賜福 貮」ver.)




シド オフィシャルサイト

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