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INTERVIEW
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林 和希の1stシングル「東京」に描いた思い。グループでの姿とは違う、ソロでの表現の形

あの頃に見た景色や周りから与えてもらっていた無償の愛が、冷めそうになった心を熱くしてくれてる



オーセンティックなR&Bを基調にしたサウンドと、夜の情景と共に描かれる、やや内省的な歌が多いですからね。ソロでの曲作り、歌詞を書く作業というのは、自分と向き合う部分が大きかったりしますか?


「そうですね。自分と向き合うことでしかないというか。今回、ツアーを見据えて〈みんなと盛り上がるような曲を〉という角度で、〈Show me what you got〉を作ったんですけど、結局これも自分の歌になってるので。そういうものしかたぶん書けないんだと思います」


「Show me what you got」は、譜割りが不思議なバースもあったり、すごく面白い曲ですね。取材用の資料としていただいた和希さんの楽曲コメントには、〈今の僕が思い付く最高のアッパーな楽曲です〉とありますが。


「これはわりと肩の力を抜いて作ったもので。韻も大事にしつつ、音遊びも含んでいて。鳴りを大事にして作った感じで、今の自分が作れる一番のアップテンポの曲ですね。これ以上ぶち上がる曲は、まだソロでは書けないと思います。ここまでが限界です(笑)」


なるほど(笑)。歌詞は、どうしても自分の内側と向き合ったものになってしまうとおっしゃってましたが、今回のタイトルナンバーの「東京」しかり、今の自分とあの頃の自分といった現在と過去の対比というか、あの頃へ思いを馳せるような歌がソロには多いですよね。


「そうなんですよね。たぶん二度と戻れないことや、二度と会えないものに対して心が動くんだろうな、自分はってすごく思います。青春時代がやけに輝いて見える感覚があって。そこの切なさが最近すごくあるんですよね」


それは、ふと昔を思い出して?


「そう。大都会の中を毎日当たり前に帰っている時や、朝起きた時とかにふと〈あの頃から、これだけの時が経ってんのか〉って、ものすごく自分が遠いところまで来た気がするなと思ったり。そういうふうに時の流れというものに自分は心が動くんだろうな、って曲を書いていて思います」


それは今が辛いから、そう思うってことではないですよね?


「そうではないですね。そこも説明が難しくて……今回、〈東京〉の歌詞にすごく時間がかかったんですけど、その理由ってそこなんです。〈あの頃はよかったな〉みたいな、後悔の歌にならないようにしたかったんです。後悔ではなく、あくまでもあの時代が今も自分の心を温めてくれるものになってる。そういうことを、〈東京〉では表現できたらって思ったんです」


和希さんにとって、東京はどういう場所になりますか?


「憧れの場所ですよね。すごく煌めいている場所だとも思うと同時に、冷たさもあるというか。東京に来て、むちゃくちゃ冷たくなったなというふうにも感じるんで」


自分自身が?


「はい。目的を持って東京に来ましたけど、その目的を叶えるために、いろいろ変わってしまったなっていうのはすごい思うんですよ」


それはどこか自分の中で、何かを切り捨ててきたような感覚がある、ということでもありますか?


「そうですね。東京に来た当時の自分の真ん中には、ものすごく情熱があったのに、今、この歳になって自分のことを客観的に見た時、〈すっごいドライだな〉とか〈ひねくれてるな〉って思うんですよ。それに、東京での僕のイメージと地元にいた時のイメージってやっぱちょっと違うと思っていて。そう考えた時、自分はいつから変わったんだろうか?って思うし、気づかない間にそういうふうになっちゃったんだろうなとか思うんです」


東京に出てきてからの自分、つまりDOBERMAN INFINITYのヴォーカリストであるKAZUKIと、地元にいた頃の林 和希とは、自分ではどこが一番違うと感じてますか?


「〈クールそう〉とか、あんまり喋らない雰囲気っていうのはよく言われますし、なんか人間っぽさがあんまりないというか(笑)」


確かにDOBERMAN INFINITYの中では、いちばん寡黙な雰囲気を持っていますけど、けっして人間味がないとは思いませんけどね。それこそ、ライヴのMC中によくメンバーに突っ込まれてたりしますが、若干天然なところも含め(笑)、ものすごく人間味を感じますし。


「はははは。もちろんDOBERMAN INFINITYの時も自分を偽ってるわけではないんですけど……自分で言うのもなんですけど(笑)、地元にいた頃は、感情的というか情熱的だったんですよ」


自分が前に出て、周りを引っ張っていくような熱いタイプだった。


「はい。もちろん状況とか環境とか、年齢や経験を重ねていく中で変わっていくし、変わっていかないといけないと思うんで、それは悪いことではないんですけど」


ただ、あの頃の情熱的な自分はどこにいったのか?とふと考えてしまう和希さんがいると。


「そうなんです。でもそうやって何かを失ってしまったなって思ったりするのは、あの頃の自分を覚えているからでもあるし、〈ああ、まだ忘れてないな〉って自分で確認できてることだとも思うので」


そういうことをふと思うというのは、自分の中で〈俺は何のために東京にいて、何のために歌を唄ってるのか〉ということを常に考えているからなんでしょうね。


「そうですね。たぶん今、あんまり自信を持って何かひとつこうだ、って言えるものがないんだろうなと思います。自分の人生の中でそういう時期なのかなって」


デビュー当時からDOBERMAN INFINITYを見させてもらっている人間としては、初期の頃は、先ほどおっしゃってたように、この世界に慣れるというか、ついていくのに必死だったんだろうなとは思うのですが、武道館でのワンマンあたりから、ステージ上の和希さんに頼もしさを感じるようになっていて。だから「自信を持って何かひとつこうだって言えるものがない」という和希さんの言葉は、ちょっと意外だったりもして。


「基本的に自信はないんですよね、今。やっぱり、あの頃に思い描いていたところに追いつけているのか?っていうと、追いつけてないところもたくさんありますし、現実と理想の狭間みたいなものがすごいあって」


いろんなズレを自分の中に抱えながら生きてるというか。


「それはめっちゃあります。たぶん、ほとんどの人がそうだと思うんです。自分が思い描いた通りに生きてる人のほうが少ないというか。だから、自分が表現するものは、あくまでもみなさんと同じように悩みながら生きているってところなのかなとも思いますね」


側から見れば、和希さんは東京に来て夢を叶えた人だと思うんです。


「もちろん叶えたものもあるんですけど、叶えられなかったこともたくさんあるし、これから叶えていったとしても……それが幸せに思うのかどうかは、正直わからないなというか。ただ〈憧れていたcity lights 霞むくらい/君が隣に居た あの頃の日々が/やけに眩しくて〉って〈東京〉の歌詞にありますけど、この思いは、たぶんこの先も変わらずに持ち続ける感覚なのかなというのがあって。それは、昔のほうがよかったってことではなく、それぐらい大事なものはずっと眩しいままであるっていうことなんですけど」


それが、今の自分の原動力にもなってる。


「めちゃくちゃそうだなと思います。僕が大好きな人たちの顔とか、地元にいた頃の思い出といった自分のバックボーンにあるものがなかったら、たぶんここまでやれてこれなかったのかなと思いますし、今後も挫けそうになったり、大変な思いをすることはたぶんいっぱいあると思うんです。けど、あの頃に見た景色とか、周りから与えてもらっていた無償の愛だったりが、冷めそうになった心を熱くしてくれてるというか。そういった心を温かくするものは、自分の中に変わらずあって。その感覚が今の自分を支えているところもあるんですよね」


その感覚は歳や経験を重ねるごとにより、大きくなってるところもありますか。


「ありますね。遠ざかっていけば、いくほど、大切に思えてくるんですよね」


近いと意外に忘れがちというか。


「そうなんですよね。ただ二度と戻らないものではあるんだけど、それを悔やむというよりも大切に噛み締めながら生きていきたいなって」


だから後悔という感情ではないということなんですね。


「はい。今話したような思いが最近すごく自分の中にあるので、それを〈東京〉という曲で唄いたいなと思ったんです。聴いてくれた人にも、何者でもなかった頃に見た景色であったり、その頃の感覚を忘れずにいてほしい、というか、この曲を聴いた時に思い返してくれたらいいなって思います」


文=平林道子
撮影=小山恭史
ヘアメイク=中山 伸二_CONTINUE
スタイリスト=Yamato Kikuchi_Rising Sun
衣装協力=semoh/Bureau Ueyama(03-6451-0705)



FIRST SINGLE
「東京」
2024.02.21 RELAESE

  1. 東京
  2. Show me what you got
  3. Sorry

TOWER RECORDSで購入
Amazonで購入
HMVで購入


〈林 和希 LIVE TOUR 2024 “I”〉
2月25日(日)Zepp Osaka Bayside
3月20日(水・祝)Zepp DiverCity(TOKYO)


LDH Records オフィシャルサイト
林 和希オフィシャルSNS

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