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INTERVIEW
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SOPHIA松岡充が明かす、活動休止、そして復活の経緯。不器用で真っ直ぐなバンドマンの素顔

バンドをやってる価値って、何かを揃えたからじゃなくてメンバーやファンの笑顔なんだって実感した



来年、アルバムを創るとか、全国ツアーするとか、そういう考えはあるんですか?


「はい。トイズファクトリーとやることにしたのも、思い出だけじゃなくて、ここでなら魂が入った音楽を創れる、と思ったからなので」


魂、っていうのは、気持ちがこもった、という意味だよね。


「そう。全身全霊を込めて、自分たちの心から出てくるものを作品にしたい。時間やお金をかけてくれ、ってことじゃなくて、理解し合えるかどうか、が重要で。〈タイアップがつくので、いついつまでに、こんなテーマでお願いします〉じゃなくて、〈今、僕らはこう思うんです〉ってことを音楽で提示して、それを仲間としてのスタッフがどう受け取ってくれるか。その関係性が、トイズファクトリーでならできるんじゃないか、と思ったから」


『ALIVE』や『マテリアル』を創っていた頃のような。


「時代性もあるから、テーマはまた変わってくるとは思うけど、でもああいうアプローチをしていくことになるんじゃないかな」


SOPHIAは、今がいちばん理想に近いですか?


「僕個人の関わり合い方としては、今が理想かもしれない。やらなきゃいけないこともないし、やりたくないんだったらやらないし。でも以前は、やりたくなくても、しんどくても、俺がやらないとって気持ちがあったんですよ。バンドのためなら、どう見られたって、何言われたってよかったし」


昔、近くにいたからわかるけど、そこまでバンドに対する純粋さを持っているって、思われないタイプなんだよね。


「バンドだけじゃなくて、全方位からそう思われてますよ(笑)」


わははははは!


「いまだに言われるもん。『松岡さんって実は真面目なんですね』とか『もっとあざといと思ってた』とか(笑)」


こうやると決めたことに対して、真摯に向き合うところは、いいところだと思ってます。


「ありがとうございます(笑)」


だって言ってることを整理したら10代のバンドマンが言ってることと一緒だからね。


「はははは。さっきも言ったけど、今回の〈獅子に翼〉で、滋慶学園の高校生と専門学校生の後輩たちに出てもらったんです。時間がないところで僕がオーダーして、リハーサルも当日だけ。全員と喋る時間はないから、先生にリモートで説明して。その練習を俺が観て『もっとこうやって』とか『そこ、すごくいいよ』ってやりとりをして、当日を迎えたんです」


松岡と都の母校だっけ?


「そう。今、教育顧問をやっているんですね。そこで、10代のみんなが、おぼろげながら夢に向かっている姿に、すごい力をもらうんです。みんなこの生徒たちのように〈いつかのために〉って頑張っていたのに、〈これがあの、いつかなのか〉って頭を打って、薄暗い雲がずっとある世の中になっていて。だけどそこを突き抜けて、青空を夢見ているやつらはいるんですよ。10代まっただ中のその子たちはまさにそうで。何回かその高校生たちのライヴを観に行ったんですけど、いつも涙が出て」


真っ直ぐなところだったり、疑っていないところだったり。


「そう。がむしゃらさであり、信じている気持ちの強さ。これらを俺らは忘れていると思って。だから今回の〈獅子に翼〉で新曲を披露するのに、他はいらないから、彼らや彼女らのパフォーマンスだけを演出にしようと思ったんですよ。観に来てくれた人たちも、SOPHIAに夢中だった頃から、少し大人になって、しょうがないなと諦めたり、どんよりした気持ちで過ごすことが多くなってると思うし」


そうですね。


「だから彼らや彼女たちのパフォーマンスから〈確かに自分にもこんな時代があったな〉〈あの頃はがむしゃらになって、恐れもなく突き進んでたな〉って感じてほしかった。僕がそれを感じたから。ここ何年か、いろんなライヴや舞台を観ても、あんまり心が震えなかった。でも、その高校生の、不揃いのつたないダンスや、音程もとれないけど、伝えようと必死になって唄っている姿に心を打たれちゃって」


そこには、何かがあったんですよね。


「そう、そこにはこの時代に必要なものがあったんですよ。この時代に、プロフェッショナルとして選ばれている人たちが、ステージでやっている表現にはないものが、そこにあった。それを今回の〈獅子に翼〉で見せたかったし、ここから始まるSOPHIAの新たな活動も、みんな50代の大人だけど(笑)、そういう純粋さを形にしていきたいんですよね。バンドのいいところって、そこだと思うから」


今、結成当初と同じメンバー5人でやれていることをどう思いますか?


「この1年間、ライヴのためにこれまでの楽曲を振り返るじゃないですか。今回、けっこう聴き込んだんです。表現するテーマや流れを考えて、この楽曲のこのフレーズ、この音色、このアンサンブルは必要なのかって。そうすると、SOPHIAが一番魅力を発揮するのは、やっぱりこの5人のフレーズ、音色、アンサンブルだなって思ったんですよ」


そうですね。


「テクニカルな部分では劣るかもしれないし、ステージ上のパフォーマンスも、ひとりひとりじゃ劣るかもしれない。でもみんな、SOPHIAの中での役割を果たしてるんですよ。これができていたから、SOPHIAはいいバンドだったんだな、って思えた。今さらながら、この5人の音じゃないと、完璧なSOPHIAってものはなかなか再現できない」


だから大事にしないとね。


「そうですね。だから喜びもあるし、感謝もある。さっきも話したけど、デビューして15年くらいは、〈僕がやらなきゃ、引っ張らなきゃ〉って使命感を持ってたけど、今は〈彼らには彼らの人生があるんだから、それを尊重しないと〉って思えるようになった。僕が引き留めるということではなくて、彼らがやりたいことをやればいい。それがSOPHIAとして形になっていけばいいんじゃないかな。オーディエンスに対しても同じかもしれない。一緒に歩いていけたらいいな、と思ってる」


20年前とはずいぶん変わったなあ。


「そうかもしれない」


昔はもっと自分中心だったよ。バンドに対しても。


「30代じゃまだわかってなかった気がする。幸せって、売れたり、有名になることだけで得られるわけじゃないんですよね。誰かのために一生懸命になれて、その誰かが笑って幸せな顔をした時、幸せになれる。〈俺、価値があるじゃん〉って。結局、自分で自分を幸せにはできないんだな……ってことに気づき始めたのが、40代になってからじゃないかな。それまでは〈何を揃えれば、自分は幸せになれるんだろう〉って考えてた」


SOPHIA休止する直前じゃん。


「そういう時に気づいたのかな」


何かを失いそうになって。


「何かを揃えたからじゃなくて、俺がバンドをやってる価値って、メンバーやファンの笑顔なんだ、って。それはすごく実感したかな」


よくわかりました。その気持ちで創った、今のSOPHIAのアルバムが聴きたいので、期待してます。


「そうですね」


もう1回、5人だけでアイルランド行って、絆を深めてからスタジオ入りましょう(笑)。


「それ、俺はずっと言ってるんだけど、みんな拒否するんだよなあ(笑)」


文=金光裕史
撮影=神藤剛
ヘアメイク=戸倉陽子



NEW DIGITAL SINGLE
「あなたが毎日直面している 世界の憂鬱」



〈SOPHIA Premium Symphonic Night〉
2024年3月10日(日)大阪城ホール
出演:SOPHIA / The Symphonic Orchestra


SOPHIAオフィシャルサイト

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