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a flood of circleフリーライヴ直前。佐々木亮介が語る「開き直ってブチ切れ」モードの現在地

text by 金光裕史

佐々木亮介が忙しい。
7月8日、LINE CUBE SHIBUYAで初のホールワンマンを終えると同時に、10月20日の代々木公園野外音楽堂でのフリーライヴ開催を発表。9月には『FUCK FOREVER』と『I’M FREE』という10年前のアルバム再現ツアーを敢行。そしてTHE KEBABSの活動を並行して行いながら、ソロ名義で「自由研究」「JUDY JUDY JUDY」と立て続けに配信リリース。おまけに自分のことだけではなく、11月16日に発売されるLiSAのニューアルバム『LANDER』に「シャンプーソング」を提供。7月から9月の3ヵ月のライヴ本数は、フラッド10本、ソロ4本、THE KEBABS4本で計18本。ワーカホリックを超えた異様なペース。何が彼をそうさせるのか。それは、新しい場所を切り拓こうという意識の表れ。開き直ってブチ切れたロックバンドの逆襲が、フラッドから始まる。

(これは『音楽と人』11月号に掲載された記事です)



いろいろ忙しそうじゃないですか。


「そうなんですよ。7月にLINE CUBE SHIBUYAが終わってから、めちゃくちゃ忙しい毎日……自分でそうしてるんですけど(笑)」


まずそのライヴで、代々木公園野外ステージでのフリーライヴが発表されました。


「2018年にテツ(アオキテツ/ギター)が加入して4年。アルバム3枚作って、LINE CUBE SHIBUYAやって、次にどこをやりたいか、考えたんですよ。最初、日比谷野音だ!と思ったんですけど、なかなか会場が取れない。じゃあ代々木の野外ステージで、フリーライヴはありなんじゃないか、と。フラッドを好きな人たちが夢を見れるような。そういう場所がいいと思って」


なるほど。


「あそこで何回かイベントに出たことがあるんですけど、ステージ裏の壁に、会場費とかを書いたプレートが貼ってあるんですよ。これならやれるんじゃない?って思って、絶対やりたいって言い張ったんですけど、機材や警備を入れることになるから、けっこう予算がかかるんですよね(笑)」


だからクラウドファンディングで資金を集めて、やることにしたと。


「最近、フリーライヴってあまり聞かないじゃないですか。そういうほうが夢見れそうだし、それをみんなで盛り上がって、形にすることが面白いんじゃないかって。あと俺も35になって、もう程よく中堅バンドですよ。フェスにも呼ばれにくくなるし、たまに出ると若いミュージシャンが多くて、知り合いも少ない。対バンに呼ばれる機会も減ってきた。じゃあ自分たちで場所作らないとな、と思って」


確かにね。


「ちょっと話が飛びますけど、今同時進行で、ソロ名義でもいろいろやってるんです。それも、自分で場所を作る、ことを実践しようと思って。レコーディングは自分の部屋。演奏も自分。ミックスも自分だし。ジャケットもMVも自分で作った。そうすることで、なにか新しいものが切り拓かれて、バンドにも繋がってくると思ってて」


突然リリースした、佐々木亮介名義の「自由研究」は、配信リリースのみでしたね。


「もうソロ活動は、基本、スタジオでレコーディングして、盤を作って、いろいろプロモーションして、流通させて、多くの人に聴いてもらおうとする、そういうやり方とは真逆な形でやってみようと思っていて」


もはやそういうリリース形態が普通になりつつありますからね。


「でもフラッドはロックバンドだし、このスタイルがいちばんカッコいい、って信じてきてるから。そのジレンマがすごくあるんですよ。だってサブスクでロックバンドの曲聴いても、音圧が感じられないし、エレキギターも引っ込んで聴こえるから、正直、あんまりカッコよく聴こえないんですよ」


サブスクはファイル形式がストリーミングに特化されてるから、基本、情報量が少ないと言われてますよね。


「でもCDを再生する機器を持ってる人、少ないでしょ。たぶん俺もリスナーだったら、サブスク最高! 定額で何でも聴けるじゃん!って大喜びだったと思うんですよ。でも音楽でメシを食ってるわけで」


稼がないといけないですからね。


「でもそれは、時代に合わせた形で変わっていくものだから、やり方は理解できる。ただ、ロックバンドがカッコよかった時代にその影響を受けつつ、サブスクが生まれて変化してきた今の音楽シーンも実感してるどっちつかずの世代としては、みんな、なかなか割り切れないんだと思うんですよね。どうしたらいいのよって」


迷っている、と。


「うん。でもそこで、俺はロックバンドだからスタジオで最高な音源作って、メジャーからCD出して、ツアーやって稼ぐ、ってスタンスだけだと化石になっていく。じゃあメジャーなんて無視して、自分たちで音源作って、CDは流通なんて通さずに手売りと通販で売って、ライヴをコツコツやっていくだけだと、今自分たちを知ってるファンに向けてやるだけになっちゃう。今どうやって生きていくか、真剣に考えないと未来はない気がする一方で、俺が憧れてたロックバンドのカッコよさは、幻想だよって打ち砕かれつつあるけど、でも、そうじゃねえって反抗したくもあって」


次にフラッドがやるのはそこだと思うな。


「そう。今の時代がそうだからって、ロックンロールは幻想でしたと開き直って、フラッドは止めようなんて思えない。スタイルを変えようとも思わない。ただ、あんなに憧れてたものは終わってんだなって、1回認めた上で、ブチ切れた開き直り、みたいなものを曲に落とし込めたらいいんじゃないかと思ってる。憧れや幻想を引きずるんじゃなくて、最初から作ってやる。それを今フラッドでやってる」


だとしたら、こないだ『FUCK FOREVER』と『I'M FREE』という、10年前、どん底な精神状態から、ちっくしょーってブチギレて叫んでた頃のアルバムを、再現ライヴでやったことは、とても意味があったんじゃない?


「ありましたね。〈FUCK FOREVER〉や〈Summertime Blues Ⅱ〉って曲を唄ってみると、まったくリリカルじゃないんですよ。譜割りなんて無視して、思ったこと、ムカついたことを、そのまま叫んでるだけ。でもそこ、今もあんまり変わってねえなって気づいたんですよね。ノスタルジーに浸って、そんな自分が美しかったって唄うだけじゃ満足できない、ギリギリの若さがまだ残ってる」


そうですね。


「4、5年前は、その当時の自分が、よくも悪くもちょっと恥ずかしかったのかもしれない。でもさらに5年ぐらい経って、客観的に見れるようになると、初めてよさがわかってきた。今の自分が負けてる部分や、悔しいと思ってる部分に、その10年前の自分が、訴えかけてきたというか」

こんな時代のシーンで、ロックバンドをやるなら、開き直るしかない。だからブチ切れるんですよ。俺の生き方のベースはそこにあるから

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