• HOME
  • RANKING
  • NEWS
  • INTERVIEW
  • COLUMN
  • QLAP!
  • MAGAZINES
  • BOOKS
  • ABOUT
  • HOME
  • RANKING
  • NEWS
  • INTERVIEW
  • COLUMN
  • QLAP!
  • MAGAZINES
  • BOOKS
  • ABOUT
INTERVIEW
  • #MUCC
  • #アーカイヴ

MUCC25周年イヤーの幕開けを飾る『新世界』。新体制の彼らが描く未来について

text by 樋口靖幸

去年末のスタジオコーストでのライヴ映像がリリースされる記念に開催された爆音上映会。その劇場で今回のミヤ(ギター)の撮影とインタビューをすることになったんだが、その日に届いたラフミックスの未完成音源を聴いて驚いた。『新世界』と題されたアルバムは、これまでのMUCCのイメージを覆すようなサウンドの大変革が敢行されているのだ。まさにMUCCの新しい世界。ここには、旧体制のままではどん詰まりになっていたかもしれないバンドが生まれ変わったような初々しさや溌剌とした世界がある。そして上映会終了後、ミヤと話をして確信した。逹瑯(ヴォーカル)とYUKKE(ベース)とともに、彼らは今同じ方向を向いている。イビツな四角形だったMUCCは今、美しい三角形のトライアングルを描くバンドに変わろうとしているのだ。そしてここから、これまでにないほどの軽やかな足取りで結成25周年というアニヴァーサリーイヤーを迎えようとしている。



(これは『音楽と人』6月号に掲載された記事です)



爆音上映会、お客さんの反応はどうでした?


「いい感じだったと思います」


そもそもライヴ自体がよかったからね。


「12月にやったとは思えないぐらい、もう昔のことみたいだけど」


でも3人になってからまだ半年しか経ってないっていう。


「昔っすね、あの頃はすでに。しかも前のツアーってSATOちがいた頃からやってたセットリストだったから。でもそこから今の体制になって、アルバムの曲をガッツリ作るようになった途端、バンドがスパンッと切り替わった感じがあって」


でもその前にシングル出してるじゃん。


「〈GONER/WORLD〉はSATOちがいた頃から作ってたし、どこかまだ昔に引っ張られてたというか。ドラムもサポートのアレンに〈この曲をお願いします〉みたいな感じで叩いてもらったし。でも今はアレンジからプリプロまでずーっと一緒にやってたんで、やっと新体制で新しいものを作ってるなって感じがあります。昔のMUCCを引き摺らず、ちゃんと完結できた感じ。あと、今回のタイミングで逹瑯がソロをやったのもよかったと思う」


どうよかった?


「あいつ、変わった。すごくよくなった」


アルバム聴いて俺もそう思った。


「単純にやってて楽しい。プリプロも楽しい、本チャンのレコーディングはもっと楽しい(笑)」


でも普通に考えたらメンバーが一人減り、ライヴも相変わらず思い通りにはできない情勢が続き、決していい状況とは言えないと思うんですが。


「そんなことないですよ。すごくハッピーにやれてる。まだMUCCってこんなにいろんなことがやれるんだなって気づけたし」


例えばどんなことが?


「今までって、〈こういう形にしたいな〉と思った曲でも、その通りにはならなくて、〈これはこれでMUCCだからいいか〉みたいに諦めてたけど、今は自分が〈こうしたい〉ってイメージしてたものが何倍もカッコよくなってるんで。しかもそれは俺だけの力じゃなくて、逹瑯とYUKKEとアレンの力が注入されて初めて形になるっていう。俺だけに偏ったものじゃない」


それは楽しいだろうね。


「バンドにとってマイナスの状況があった上で、これだけクリエイティヴなものが作れるんだっていう驚きもあるし。あとはとにかく……笑顔が増えた。現場に。みんな楽しそう。俺も楽しいし……なんなんだろう?(笑)」


ははははは! 実際今日のミヤくんは、会った時からご機嫌だなって思ったけど。


「そうすか?」


いつもアルバムのレコーディング中にメンバーに会うと、すげえ空気が悪くて。3人は元気ないしリーダーはインタビュー中にメンバーの文句ばっか言うし。


「今もめちゃくちゃ忙しいんですけどね。眠いし」


逹瑯とYUKKEも今日は明るかった。全然前と違う。


「そうだと思う」


で、すごい辻褄が合った。だからこういうアルバムができたんだなって。


「まだ全部録れてないけど、すごいアルバムができそうな気がするんですよ。しかも曲がいっぱいできすぎちゃって、もう一枚出そうかなって思うぐらい」


そこまで曲ができる理由は、やっぱり今の体制になったから?


「そうすね。まず最初のとっかかりは、今までやりたくてもできなくて諦めてたこと――例えばブルースとかヒップホップとか、メンバーのスキル面でやれなかったことをやるところから始めて」


それはドラム的なところ?


「もあるし、あと逹瑯のスキルもなかったから。でもアイツ、今までと違うやり方をするようになって。今までプリプロで俺が唄った仮歌をその場で逹瑯に唄わせるんだけど、それが上手くいかなくて何回もやり直すんですよ。けど今回はプリプロの前にマニピュレーターと一緒に俺が唄った仮歌に自分の歌をハメる作業をしてて、それが完璧なんですよ」


マニピュレーターって逹瑯がソロを一緒にやった足立(房文)くんのことね。


「そう。で、たぶん変な気負いがなくなって、1曲1曲に対する曲への理解度も深くなって。そのぶん仮歌を聴いた俺らのアレンジの幅も広がるし、いいことずくめ」


そのやり方は誰の発案?


「逹瑯。そうしてみたいって。だから『ちゃんとできるんならいいんじゃない?』って」


そしたら予想以上だった。


「昔のアイツだったらできなかったけど、ソロで経験したことがデカいんだと思う。だから本番のレコーディングもすげえスムーズで。今回アナログで録ることにこだわってるんですけど、ヴォーカルもたくさんテイクを録って編集するんじゃなくて、なるべく少ないテイクで生っぽさを大事にすることができたし」


アナログで録ろうと思ったことと、逹瑯が提案したことが上手くハマったってことですね。


「上手くハマった。まさかそういうハマり方をするとは思わなかったけど」

20周年は……あんまり憶えてないなぁ(笑)。周年だからめでたいはずなのに、〈辛いな〉っていう記憶しかない

NEXT

1 2

© 株式会社音楽と人

FOLLOW US
タグ一覧
ライヴレポート / 最新号 / WEBオリジナル / アーカイヴ / 編集部通信 / BUCK-TICK / 怒髪天 / 映画 / 小室ぺいの自由研究 / DEZERT / 言の葉クローバー / NITRODAY / PHY / 僕たちプロ野球大好きミュージシャンです! / 音楽と人LIVE / GRAPEVINE / THE COLLECTORS / 9mm Parabellum Bullet / MUCC / 中田裕二 / a flood of circle / noodles / フジファブリック / go!go!vanillas / the pillows / THE BACK HORN / SixTONES / 銀杏BOYZ / Mrs. GREEN APPLE / The Birthday / BRAHMAN / 後輩ノススメ! / ヤバイTシャツ屋さん / ENDRECHERI / UNISON SQUARE GARDEN / SUPER BEAVER / ストレイテナー / KinKi Kids / 吉井和哉 / 2019年プレイバック&MY BEST MUSIC / 忘れらんねえよ / The Songbardsの描写探訪 / The Songbards / 山崎まさよし / THE YELLOW MONKEY / aiko / ポルノグラフィティ / メリー / 社歌を作ろう! / THE NOVEMBERS